7月18日 「奇跡のバックホーム」・横田慎太郎さん一周忌
7月18日は、闘病から復帰までを記録した著書「奇跡のバックホーム」(幻冬舎)が反響を呼んだ元阪神の横田慎太郎さんの命日。横田さんの一周忌法要が、7月18日に故郷・鹿児島で執り行われた。
6年間のプロ野球生活の大半は、二軍で治療期間を過ごしていた横田さん。それにもかかわらず、多くの人の記憶に残るのは彼の誠実さと努力のたまものであろう。多くの人が横田さんの生き様に勇気づけられている。
●『栄光のバックホーム 横田慎太郎、永遠の背番号24』 中井 由梨子(著)
この本は、母まなみさんと対話を繰り返した横田選手とのかけがえのない日々を描いた、ノンフィクションストーリー。
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┃★┃ 「夢や目標は、病より強い」 p-144より
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元阪神タイガースの先輩選手だった鳥谷敬さんが、奇跡のバーックホームの後で、
「横田、野球の神様って、本当にいるんだな」
と声をかけでくださったそうですが、その神様の存在を感じることができるのも、努力に努力を重ねた一流の選手だからこそと、私は思います。
そして、それは野球だけに限ったことでは、もちろんありません。
いろんな場所に、仕事に、それぞれの神様がいて、そこで働いたり努力している人たちのことをいつも見ていて、そっと背中を押してくださる。そんな存在がいると私は思います。そして、あのプレーを見て、感動したり、自分も頑張ろうと思ってくださった多くの方がいたことが、慎太郎にとって何よりの幸せだったのです。
こうして。
〝奇跡のバックホーム〟によって、やっと背負っていた重荷を外し、慎太郎は人生の第二章を歩き始めました。
あのバックホームはこの後の慎太郎の人生にとって、必然のプレーでした。
それは、彼が亡くなる直前まで人々に伝えていた、
「目標を持って一歩一歩進めば、必ず幸せな日が来る」
というメッセージの礎となったからです。
あのプレーがあったから、彼は奇跡を信じることができた。自分のこれまでの努力を信じることができた。その体験を人に伝えなければ、という使命を持つことができた。
「夢や目標は、病より強い」
それを実証することができなのだと思います。
✅横田慎太郎(よこた・しんたろう):1995年(平7)6月9日生まれ。鹿児島県出身。鹿児島実から13年ドラフト2位で阪神入団。3年目の16年3月25日、開幕の中日戦に「2番中堅」で先発し、1軍初出場。17年2月に脳腫瘍が判明し、18年から育成契約。19年9月22日に引退を発表し、同26日の2軍ソフトバンク戦(鳴尾浜)で引退試合を行った。父の真之氏はロッテなどに在籍した元外野手。現役時代は187センチ、94キロ。左投げ左打ち。