佇む猫 (2) Dr.ロミと助手のアオの物語

気位の高いロシアンブルー(Dr.ロミ)と、野良出身で粗野な茶白(助手のアオ)の日常。主に擬人化日記。

これまでの記録13 青年の木乃伊(ミイラ)

2019年04月15日 | 主に画像(ロミ)

今日はのり丸の仕事は休み。
一日何をして過ごすんかの?

汚い部屋を片付けるんか?まずは本棚じゃの。
地震の時に懲りて「本は捨てる」とか言うとったの。(ほとんど売れない古本じゃし)

のり丸はルーズな性格(…これが最大の欠点)。
一度も本をキチンと並べたことはない。
…ん?右端の白っぽい猫が気になるかの?

のり丸の友人からもらった「猫の経絡模型」じゃ。
猫も人間と同じ場所にツボがあるらしい。
 
本棚を片付け始めると、ダメじゃな。
案の定、本棚の前で座って読み始めておる…。

 

車谷長吉…いつ買ったのかさっぱり思い出せないそうじゃ。

車谷長吉の妻、詩人の高橋順子。

出会いのきっかけは車谷長吉から手紙をもらったことだが、その手紙の内容は薄気味悪かったらしい。
「最初は返事を書く気がしなかった」と高橋順子は言う。

やがて(この気持ち悪い人はどんな人だろう?)
という好奇心から長吉に会った順子であったが、会って見るとやっぱり陰気で「気持ちの悪い人」だった。
けれども、長吉の目は澄んでいて「目が綺麗だった」らしい。

二人のすばらしい点はお互いの作品を最初に見せあうというところじゃ。
「互いに一番大切なものを最初に読んでもらい、読ませてもらう。それが本当に幸せなことでした」と順子。

長吉には「理解者」がいた。
(この一点だけ、のり丸は長吉がうらやましいと思っている)
 
ともかく、偏屈な長吉の晩年に「理解者」が現れたのだ。
 
『私は自分の意識の中では、すでに死んだ人として生きてきた。とは言うものの、人間は矛盾していて、俺は年を取っても二十歳のつもりで生きていくぞ、という気持ちもあって、老人としての心構え、老人臭い考えなんか持たない、と思うて来た。但し肉体の方は衰えてきているから、とどの詰まり「青年の木乃伊」として生きていく以外に道はないのである』=車谷長吉=
 
青年の木乃伊…長吉は面白いことを言うの。
 
 
のり丸はどうじゃろう。
 
「将来は『老獪』になる予定だ」
とのり丸はぬけぬけ言う。
青年の木乃伊として生きていくつもりは毛頭ないようじゃ。
 
しかし、老獪のベースには「利口(クレバー)」という資質が不可欠なのではないかの?
賢老人はとても無理じゃろうが、老獪もハードルが高いという気がするのじゃが…。
 
 
ところで、本は捨てるん?どうするんね?

捨てるほどではない…じゃと?
早よ、片付けてや。

 

【扉が閉まっていたら怒る】

【締め出して、のり丸が四畳半の部屋に籠った時】
ふすまを開ける為に、傍の箱から地図を引き出しグチャグチャにしたのはウチじゃ。

 

まぁ、いつもよりは大分遊んでもらったがの。

 

【昭和テイストがとても気に入っている店】

この後、のり丸はいつもの大衆食堂へと。

 

じゃあ、またの。