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チューリップス・シスター第17話

2016-09-24 17:39:08 | 小説チューリップス-シスター


チューリップス・シスター第17話 真理の苦しみ

神父の遺言は神ゼウスと神イエスの伝令であり祈り続ける神父を動かし、トランシルバニアにいる甥に遺言の手紙を送る事、そして日本へ戻るよう伝えていた。
神父の心の中にいる者とは15歳で神と聖霊や女神からの洗礼を受け若年でありながら18歳で神父となり、甥は持っている神父以上の能力がある事によって世界の神々ゼラトウスと神ゼウスと神イエス、聖霊や天使、女神や聖母マリアから神父として選ばれた人物である。
神父となった21歳の甥は、18歳から日本を離れた場所にいた。
迷信と仮説だらけの奇妙で不思議な出来事が多い地域をまわり、世界中を見て周り多くの人々を助けながら多くの様々な能力を高めていた。
歴史上でも迷信や伝説があるガンダーラ、インチベット、トランシルバニア、エルサイム、バチカン、メキシコ、グアテマラ、ベリーズ、インディアナ等を行き来していた人物だった。

新たな神父の勇介は、世界の神々ゼラトウス、神ゼウスや神イエスの伝道師、祈祷師(エクソシスト)魔術師(シャーマン)結界師、錬金術師、予知能力、透視能力、離脱解離能力、転移能力、真理と美咲と同じ明暗と陰陽の感情と能力、神父やフリーランスの精神科医のコナン・グレードの霊能力等も全て持ち合わせていた。
世界の神々ゼラトウスは、心の神ゼウスと心の神イエス、聖霊ヘルプ、天使ピクロス、妖精ハルフ、天国ヘブンの世界、悪魔ゼブロス、死神デッド、地獄バルザの世界創り出していた。
聖霊ヘルプは、天使ピクロスと妖精ハルフの天国ヘブンの世界か、悪魔ゼブロスと死神デッドの地獄バルザの世界か、現実には見えない次元の違う仮想的空間の幻想世界の神々のゼラトウスのいるアースガルズの7つの世界か、9つの世界のどれかを選択する役割があった。

世界の神々のゼラトウスによって様々な人類へ運命の指令を出すのが役割であり、勇介は世界の神々ゼラトウスの指令を受け止めると伝道師として選別された者達に運命を与えていく役割があった。
しかしその役割を果たす為には、真理の3つ感情や3つ能力と美咲の3つ感情や3つ能力が必要であり、双子としての予兆の能力が完全に繋がり重ね合わさる事が必要であり、真理と美咲が6つの感情と6つの能力を共有し能力を使い分けられる力を持たなければならなかった。

ゼラトウスは能力を与える事も出来たはずだが、不完全な予兆だけの感情と能力になってしまう為、予兆から前兆そして能力の完全な開化をさせる為には、真理と美咲が自ら気付かなければならなかった。
そして、真理と美咲が気付いた時、勇介の持つ能力が前兆から真理と美咲が持つべき能力を運命として開化していく事になる。

真理は現実の世界で、試練と苦難を乗り越えなければ、勇介の能力は発揮されない可能性は高かった。
時の流れによる運命的な真理と美咲の繋がりは、まだ水平線のある海の自由な真理と森の中の湖で孤独な美咲は地下にある水脈で繋がり、壁画と彫刻されたフェニックスの自由と平等と平和への繋がりは、まだ先の話になる。

現実の世界にいる真理の迷いは最小限に抑えられているが「覚悟」と「運命」いうものが理解できず苦しみの姿を鏡を見ながら自らの答えを探し始める。
当初の真理にとっては鏡に映し出される光景や自分自身を知る事と自分自身を観る事が出来なかった。

勇介は結界の世界にいる美咲と現実の世界にいる真理を繋がらせなければならないが、セラピストの従者と同じように真理に寄り添いながらフリーランスの精神科医コナン・グレードの霊能力と共に静かに水面下で、世界の神々のゼラトウスと人間の心の神ゼウスと心の神イエスに伝令を常に受け止めさせながら導き方を考え動いていた。
そして閉ざされた心は徐々に自らが鏡を観る真理の心は開きつつあり、鏡に映る真理自身は現実には見えない次元の違う仮想空間の幻想世界にいる自分を見つめていた。

その姿を知った勇介達は世界の神々ゼラトウスからの伝令によって徐々に現実の世界で真理へ伝道師としての自分の導き方に気付いていく。

勇介の「苦しみの先に喜びがある」という言葉で、真理は涙が我慢できず涙を流す事しか出来なかった。
勇介は、真理の苦しみは罪悪感という感情から自分自身で作られ、美咲がその苦しみを強くしている事を感じでいた。
美咲は、美咲の持つ3つの感情と3つの能力の一つ「復讐」は「破滅」を望んでいた為、真理の苦しみを強くしているという自覚はなかった。
美咲の持つ感情と能力の中での感情と能力の「苦しみ」と「復讐」と「破滅」は、美咲にとっては正義だったからだ。
それだけに、真理は残酷な試練と苦難その「苦しみ」から解放される事が出来なかった。

大学病院の美咲だけの個室で勇介が結界を創り出し美咲を眠らせた事で、美咲からの感情や能力の転送はなくなり解放へと向かう。
勇介の導き方の1つだった。
しかし、真理自身の大学生としての環境や生活環境にも問題があり、解放される為に真理は祈りを捧げるが、その祈りは神のもとへは届く事はなかった。

真理は大学病院へ通学する、自宅の新たな広い部屋の中で更に美咲の孤独感や魔性世界の魔物や呪いの邪悪な邪気という外敵との戦い、美咲の能力に近づいていく。

この頃から真理は叔父夫婦から距離を置くようになり、神父の心の神の言霊は神ゼウスから勇介に受け継げられた。
大学への通学で真理の玄関口は診療所の待合室が玄関であった、待合室には幼き頃から患者さんに姿を見せて安堵感を与えていた。
叔父夫婦は育ての親、現実の自由な世界で全てを与えてくれた事を考えたが、新たな自分自身を見つめる為に玄関口は真理の部屋近くにある裏口となり、姿を見せない生活環境になる。
「もう大人になったのだから好きなように生きて行きなさい」と、叔父夫婦の言葉を思い出し後悔や罪悪感を持つ事はなく待合室で姿を見せる事はなくなった。

勇介は、真理は美咲にはない予兆の能力の為に、その苦しみがあると感じ見守る事だけが勇介が出来る事であった。
真理は、勇介との出会いによって、苦しむ自分を自覚をしていく。
美咲は正直に素直に生きているのに、真理は素直でもなく「小さな天使」なんかでもないと自分を責め続ける。
真理は、どうして、生まれてきたのか、自分への憎しみを持つようになっていく。
真理は3才の頃からの自分を憎んだ、そして、過去の美咲のように「破滅」や「死」を求めるようになっていく。

美咲の感情と予兆の能力は、母高子への思いからである事を知っていた。
「美咲と私は違う、けど美咲と私は同じ境遇は同じ」と真理は心の神の言霊の伝令によって思う。
「真理、死んでも美咲も一緒だから、怖くないよ」と、美咲の囁きがある。
美咲の声が毎日のように真理の夢の中で映像化された光景と共に聞こえてくる。

美咲が今どういう状況でいるのかを真理は夢見るようになっていくが、美咲の夢をなくす為に大学の講義やレポートに集中するようになる。
真理の提出するレポートは他の大学生とは違う、ただ書いているだけではなく現実の症例のようでもあった。
美咲は絵画で自分を表現し、真理は大学のレポートで自分を表現していく。
レポート提出後、真理は大学の教授に呼ばれるようになり、レポート内容について講師の准教授は疑問を持つようになり、その疑問を真理に聞いていく。
しかし、真理は何も話す事はなかった、過去の出来事に拘る美咲のようになっていく、そして真理の心の奥底にある予兆の能力が目覚めはじめていた。

美咲の囁き声は大学の講義中にも真理の耳に入ってくる、真理は両手で耳を塞ぐが、美咲の囁き声は消える事はなかった。
大学内外、何処にいても消えない美咲の声が真理を苦しめ大学の屋上へ誘導する。
この頃、美咲の部屋にある結界にヒビが出るようになり、時々目覚める美咲は「死」を求めて病院の屋上へ行く事が多くなり、セラピストは美咲に常に寄り添うだけでなく付き添う事になる。
真理と美咲が強く共鳴を始めた時でもあった。
美咲の部屋は10畳程の広さで結界空間の限界を超え始め、病院の精神科では4畳半程の隔離室への移動を考えていた。

幼い頃の真理は、美咲の共鳴から逃れようと笑顔をふりまいていたのだ。
真理は成長すると共に、美咲との共鳴から逃れる事は出来なくなった。
本当の自分を知られないように生きている真理は、平常心を時々無くしていく自分を感じていた「罪悪感」「殺意」「死」が真理を追い詰め攻め立てるのである。
教会にいる神父の勇介は、真理と美咲の感情と能力を捉えていたが、勇介は神イエス神ゼウス聖母マリアに祈りを捧げる事はなかった。
もうすでに真理と美咲の心の中で予兆から前兆へと、真理と美咲にある能力が目覚め始め、勇介は祈りを捧げても無駄な事を感じていた。
そんな日々を送り、真理は笑顔を見失っていく、美咲のように物静かに空を見上げる事もなくなっていく。

真理は何度も教会へ足を運び、神イエスや聖母マリヤに向かって祈りを捧げるが、その祈りは神のもとへ届く事はない。
しかし、祈りを捧げる真理の心の中で囁く言葉があった、新たな目に見えない者達との出会いが始まった。

教会の左側の壁からでは「リース」右側の壁からでは「チャーズ」正面からは「フォメ・オ・スタンシス・アイリース・ア・ミーラ」時には「フォメ・オ・スタンシス・アイリース・ア・フォース」と囁かれる。
この囁きは真理と美咲や勇介以外には、感じる事も聞こえる事もない、しかしフリーランスの精神科医コナン・グレードは囁く声に気付いていたのかもしれない。
真理と美咲に関わる者達が、この先に降りかかる運命の前兆でもあったのかもしれない。

美咲と同じ感情と能力に気付いていく真理は苦しみに耐え乗り越え、幼き頃の診療所の待合室での過去を振り返ると真理の心の中では全く罪悪感はない。
待合室での過去は「小さな天使さん」と呼ばれ、患者さん達から可愛がられ笑顔が絶える事がない純粋で穏やかな真理であった。
真理の感情と能力は、美咲の感情と予兆の能力が重なりつつあり、真理が美咲の感情と予兆の能力を受け止めようとしていた時だった。

大学病院の医師達は信じられない出来事を見て、美咲の事は神父の勇介とフリーランスの精神科医コナン・グレード、看護師資格を持ち特殊な心理学を学んていたセラピストに任せていた。

神父の勇介は、美咲の病室の結界空間がどうなるのかと思い様子を見たいとコナン・グレードとセラピスト話すと、勇介の能力に気付いていたのか首を縦に振った。
美咲の隔離室への移動はしばらくの期間、様子を見る事になる、そして真理と美咲を導く為、勇介は2人の家族や周囲で過去の疑問に思う事の答えを探し始める。

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