・高齢者住宅・施設の費用が賄える目処と同じように大切なのが施設の種類の選択です。高齢者住宅・施設の種類は10種類以上ありますが、主なものとしては、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、認知症高齢者グループホームがあります。心身の状態に合った住宅・施設を選びます。
・特別養護老人ホームは、入所要件として要介護3以上があります。費用が介護費を合わせても10数万円と最も少なくて済みます。しかし、自治体によっては入所待ちが多く、希望しても直ぐに入所できるわけではありません。入所は所得や身辺状況などを勘案して決められるといわれています。
・有料老人ホームは、入浴・排泄・食事の介護、食事の提供、洗濯・掃除等の家事、健康管理のうち一つ以上を提供する住宅です。3つのタイプがありますが、主要なものは介護付有料老人ホームと住宅型有料老人ホームです。これらの違いは、介護のシステムです。「介護付」は有料老人ホームの職員が介護サービスを提供します。「住宅型」は、持ち家と同じように地域の訪問介護事業者から訪問介護サービスを受けます。入居者の平均年齢は80歳代半ばで、平均介護度は2強です。
・サ高住は、建前としては住むことに力点が置かれ、最低限「安否確認」と「生活相談」のサービスを提供することが義務付けられています。少しややこしいのですが、サ高住で食事などのサービスを提供すると有料老人ホームとしての扱いにもなります。有料老人ホームと比べて平均年齢はやや若く、平均介護度はやや低い傾向があります。
・認知症高齢者グループホームは、認知症高齢者が5~9人で一つのグループを作り、家庭的な生活の雰囲気の中で食事、入浴、排泄などの介護サービスを受ける住宅です。ただし、共同で生活できることが条件であることが多く、認知症の症状が重くなると医療機関へ入院することになる場合もあり、注意が必要です。
・なお、「介護老人保健施設」(老健)という施設をお聞きになったことがあると思いますが、これはリハビリテーションを目的とする施設で住宅ではありません。利用期間も数か月程度と限られていますが、特養の入居が難しいことから、一時しのぎの住宅として利用するケースもあるようです。
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