高齢期の備え

高齢期の備えを考えます

ニュース「75歳以上 2割負担へ」に思う

2019年11月29日 | 漫筆
・11月29日付の読売新聞の1面に、政府の全世代型社会保障検討会で75歳以上の外来診療の窓口負担を1割から2割に引き上げることが検討されているとの記事がありました。

・65歳上では7割の方が継続的に医療を受けていますので多くの方が影響を受けることになります。しかし、高齢者の医療費は現役世代の医療保険費などで賄われているのが現状ですから、世代間の公平性からみて止むを得ないことだと思います。

・以前のブログに投稿したように2030年頃には3割負担になったとしても、その頃の現役世代の負担は現在の負担よりも重くなります。

・この社会保障の問題は、世代間の負担のあり方を問うもので、高齢者の負担の側面と同じかそれ以上に現役世代の負担をどこまで受け入れてもらうかです。

・国会議員の頭の中は、季節外れの桜が咲いているようです。社会保障の国民の負担、産業発展、国防などの重要課題を議論することのできる国会議員を選ぶのは我々の責任だと痛感します。



「訪日客減」報道 なぜ数字にこだわるのか

2019年11月20日 | 漫筆
10月の訪日客が前年同月比で5.5%減少したとの報道が否定的ニュアンスで報じられています。なぜ否定的でしょうか。最近、政府をはじめとして無節操な訪日客を増やそうとしているように見受けられます。しかし、一方では京都をはじめとして観光客に悩まされているとの報道も増えてきました。以前のブログにも書いたのですが、お金の為「だけ」に訪日客を増やそうとする観光庁の姿勢には疑問を感じます。

訪日客を増やすのは、日本の良き伝統、文化、自然を海外にも知ってもらうことが基本にない限り「守銭奴日本のそしり」を免れないと思います。

観光庁を始め観光業界には観光の基本をもう一度確認していただきたいものです。

香港での日本人大学生の逮捕に思う

2019年11月20日 | 漫筆
最近、香港で日本人大学生が逮捕されたというニュースを耳にしました。聞けば学生達と警察の衝突の様子を「見物」にいったとのこと。事実であれば実に残念です。香港の学生達は命を懸けて自分たちの主張を貫こうとしています。このことの善悪は一旦脇に置いて、日本の将来を担うことを期待されるこの一人の若者と香港の学生達の人生への向き合い方の差に失望を感じるのは投稿者だけでしょうか。この逮捕された大学生が少数派であることを祈るばかりです。

高齢者と虐待

2019年11月06日 | 漫筆
・高齢の方への虐待が後を絶ちません。「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」を制定しなければならないほどです。

・虐待は、高齢の方のみならず子供や障害を持つ方など、いわゆる弱者に対して行われます。

・虐待の原因の一つに、投稿者は生き物の本能があるのではないかと思っています。鳥の子供が巣の中で兄弟を巣から追い落とす映像を見たことがあります。生き物には個体が自分のDNAだけを残すという性があり、強いものだけが生き残るようにするという本能が生き物にはあるのではないかと思っています。つまり弱いものを排除しようとする本能が生き物にはあるのではないでしょうか。

・投稿者は、こうした弱いものを排除する本能が人間の奥底に潜んでいるのではないかと恐れています。

・人間には、こうした本能を閉じ込めておくための理性を持っていると信じています。この理性を伸ばすためには、強者と弱者、若人と歳を重ねた方、健常と障碍、といった垣根をなくし、接する機会や交流する機会を設けることではないでしょうか。そうすることでみんな一緒となり強者と弱者がなくなれば強者が弱者を虐待することもなくなるのではないでしょうか。

・強者が集まり弱者を排除することは、やがて自分が弱い立場になったときには排除の対象となることではないでしょうか。「明日は我が身」というメッセージを発信することも大切なことの一つと考えています。

高齢者とは

2019年11月05日 | 漫筆
・「高齢者」の社会共通の定義はありません。たとえば法律をみると、それぞれの法律において必要に応じてそれぞれに定義が違います。

・よく使われる前期高齢者や後期高齢者は「高齢者の医療の確保に関する法律」で定義されています。前期高齢者は、「前期高齢者である加入者」について「65歳に達する日の属する月の翌月以後である加入者であって75歳に達する日の属する月以前であるもの」として定義されています(同法32条)し、後期高齢者は「後期高齢者医療の被保険者」について「75歳以上のもの」となっています(同法50条)。なお、これらの定義に当てはまらない方も事情によっては前期高齢者や後期高齢者に含まれます。

・別の法律、たとえば「高齢者の居住の安定確保に関する法律」では、「自ら居住するため住宅を必要とする高齢者」に限って定義されていて60歳以上の方となっていいます(62条)。

・投稿者は、法律のように厳格な定義がないと不都合な場合を除き、高齢者という「区分」を作らない方がよいと思っています。公的な調査でも、「何歳以上を高齢者と考えますか」といった設問がありますが、どのような意図があるのでしょうか。

・人は歳を重ねますが、心身と年齢には直接の関係はありません。十人十色です。もし高齢者という「区分」をたとえば70歳以上の方とすると、70歳以上になったとたんに「高齢者」という言葉の持つニュアンスに自分を重ねてしまうことになりかねません。また、社会からも「高齢者」として区別されることにもなりかねません。

・人生は連続です。「高齢者とは」という区別がない社会(法律などは例外として)が望ましいと思っています。