高齢期の備え

高齢期の備えを考えます

高齢期の住まい方を考える(7)「独り暮らし(3)衣食住」

2015年08月31日 | 老後と住まい
高齢期、特に80歳を過ぎると家の中で過ごすことが多くなり、寝室で過ごす時間が生活の中で大きな割合を占めることになります。厚生労働省の「e―ヘルスネット」の「高齢者の睡眠」のページをみると、高齢者の睡眠の特徴は若い頃に比べると早寝早起きになる点と睡眠が浅くなるという点にあるとされています。睡眠が浅いと尿意やちょっとした物音などで何度でも目が覚めることになるようです。一方、寝床にいる時間をみると40歳代では約7時間ですが、80歳代では9時間となっています。高齢者の睡眠の特徴と寝床にいる時間を比較すると一見矛盾する数字ですが、同記事にあるように「やることがないから寝床に入る」ということもあるのではないでしょうか。
高齢期の睡眠に関して詳しいことをお知りになりたい方は同サイトにアクセスして頂くとして、高齢期の衣食住の「衣」の面からは、寝巻きを使いやすいものとすることが注意する点でしょう。着やすく脱ぎやすい、それに加えてトイレに行って直ぐにトイレを使える状態にできるような着るものとすることに配慮した寝巻きを使用することが大切でしょう。また、紙パンツのような介護用品も役に立つ「衣」と捉えるのも良いと思います。
「住」の面からは、先ず、寝室の位置です。少なくとも寝室は階段を使わなくても行ける場所にあることが必要だと思います。寝具は、布団だと毎日の出し入れが大変ですし、敷きっぱなしにすると湿気が抜けにくいのでベッドが良いと思います。ベッドはリースにするか購入にするかで悩みますが、投稿者は体が衰えて介護用のベッドにする可能性を考えてリースが良いと思います。
(投稿者のURL 「老後と住まい」http://www.rougotosumai.com/ )

高齢期の住まい方を考える(6)「独り暮らし(2)衣食住」

2015年08月26日 | 老後と住まい
生活としていく基礎は衣食住といわれます。
高齢になると身体機能の低下になどによって転倒しやすくなり、新聞紙などを踏んで滑ったり、段差につまずいたりして転倒することがあります。若い頃は転んでもなんでもなかったのが高齢になると簡単に骨折し寝たきりとなる恐ろしい出来事です。転倒は寝たきりの原因の4番目となっています。85歳以上では居間やリビングでの転倒が50%となり、室内での転倒が多いのです。
転倒を防ぐためには、先ず身体機能の低下をできるだけ少なくします。地域には転倒予防教室がありますので活用しましょう。面倒でも寝たきりになるよりは良いでしょう。
「衣」の面からは履物です。高齢者が室内で転倒したときの履物としてはスリッパが多いという調査結果もあります。スリッパは履きやすいのですが、かかとが覆われていないのでずれやすく転倒しやすいといわれています。靴下だけでは滑りやすいし、足が冷たくなります。介護用の室内履きが市販されていますので、試してみたうえで使用することも検討するといいでしょう。
「住」の面からは家の床のうえなどに物やコードを置かないことです。日頃の整理整頓が寝たきりの防止になります。
(投稿者のURL 「老後と住まい」http://www.rougotosumai.com/ )

高齢期の住まい方を考える(5)「独り暮らし(1)」

2015年08月25日 | 老後と住まい
夫65歳、妻60歳の世帯を例にとってみます。平成25年簡易生命表によると平均余命は65歳の男性で19年、60歳女性で28.5年ですから、女性は10年近く一人暮らしになります。
この10年の暮らし方には様々な選択肢があると思います。
・最後まで一人で暮らし続ける。
・トイレが自立できるうちは住み続け、トイレが一人でできなくなったら高齢者向け施設に入る。
・子供と同居する。
・早いうちに高齢者向け施設に入所する。
など。
最後まで一人で暮らし続けることは多くの人が望むところです。平成25年版高齢社会白書によると60歳以上の高齢者の60%が「体が弱った時の住まいとして現在のまま自宅に留まりたい」と希望しています。
実態としては、高齢者のいる世帯は全世帯の40%です。また夫婦のみの世帯は同11%、高齢者の一人世帯は同11%です。つまり、10軒に1軒は高齢者が一人で暮らしていることになります。特養などの高齢者向けの施設が話題になっていますが、高齢者向けの施設の定員は全ての種類の合計で約180万人となっており、高齢者人口3700万人の約5.5%となっています。
(投稿者のURL 「老後と住まい」http://www.rougotosumai.com/ )

高齢期の住まい方を考える(4)「高齢期を区分した方が良いのは何故(2)」

2015年08月15日 | 老後と住まい
(続き)生れてから成年になるまでの変化の期間では、乳幼児期をへて小学校、中学校と区切りがあります。中学校では就職するのか進学するのかを自分の希望や学力、親の資力などを考えて選択し次の何年間の目標を決めます。
高齢期という逆の変化の期間には区切りがありません。しかし、同じ高齢期でも年齢によって自立の程度が変わっていきます。あたかも成長期の逆です。成長期を考えると小学校や中学校という区切りの中で自分の成長をみながら次の時期の目標や希望を決めていきましたが、それは生まれた時から自分の将来の姿を決められないならではないでしょうか。同じように高齢期に差し掛かったときに自分の最晩年の姿を決められないと思いますので、高齢期を幾つかの区分に分けて、その区分の期に入る前に自分の希望や目標を決めることで、漫然とした高齢期を過ごすのではなく、メリハリのついた生き方ができるのではないかと思います。
(投稿者のURL 「老後と住まい」http://www.rougotosumai.com/ )

高齢期の住まい方を考える(3)「高齢期を区分した方が良いのは何故(1)」

2015年08月14日 | 老後と住まい
一生を自立という面でみると、生まれてから成人するまでの20年間ほどは、昨日できなかったことが今日できるようになり、自立度がどんどん増します。赤ん坊の時代には全て親に面倒をみてもらい自立は全くできませんが、やがてトイレなどは自分でできるようになり、そのうち食事も自分でとれるようになります。小学校に入ると自分のことは自分でできるようになり、高校に入れば自分で稼ぐこともでき、独り立ちし完全に自立します。
その後は40年から50年は自立して過ごします。
60から70歳を超える頃には、昨日できたことが今日できなくなり、自立度が減ります。ちょうど生まれてから成人する頃までとは逆の状態です。しかし、成長期は皆同じですが、高齢期の自立度の減り方は人によって大きな差があります。平均年齢まで生きる人でもある人は早くから自立できなくなり介護施設などに入って介護を受ける人かいる一方で、最後までスポーツなどを楽しみ完全に自立して一生を終える方もおられます。ところが自分がどのような道をたどるのかは事前にわかりませんから、取りあえず平均的な道をたどることを前提に人生の過ごし方を考えることにしたら良いと思います。(続く)
(投稿者のURL 「老後と住まい」http://www.rougotosumai.com/ )