高齢期の備え

高齢期の備えを考えます

第2の人生の起業 先ず資格(福祉住環境コーディネーター その20)

2013年05月31日 | 老後と住まい
「住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品確法)」をご存知ですか。福祉住環境コーディネーターでも出題されますが、宅建試験でも出題範囲です。住宅品確法の骨子の一つに住宅性能表示制度があります。性能表示事項は構造の「安定に関すること」、「火災時の安全に関すること」など11項目あり、9番目が「高齢者等への配慮に関すること」です。性能には1から5の等級があり、5等級が一番高い性能です。高齢者の配慮に関しては、「部屋の配置」、「段差」、「階段」、「手すり」、「通路及び出入口の幅員」、「寝室、便所及び浴室」の6項目があります。部屋の配置については、高齢者の利用する寝室、玄関、トイレ、浴室などが同一階にあることが5等級です。1等級は建築基準法に準じていることです。
これらの性能については家の新築やリフォームをする際の参考となりますので、一度目を通しておかれることを薦めます。ただし、役人用語で難解ですが。それと「段差」ですが、段差があっても5mm以下であれば「段差なし」という扱いですので注意してください。(住宅性能の評価方法基準について詳しいことが知りたい方は、評価方法基準 http://www.mlit.go.jp/common/000052957.pdf )をご覧ください。
なお、宅建試験では、「住宅品確法により新築住宅の取得契約において構造耐力上主要な部分について10年間の瑕疵担保責任が義務付けられており、この履行義務を確保するための措置として「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」に基づいて一定の補償金を供託しなければならない」ことに関係する問題が1問出題される可能性があります。
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第2の人生の起業 先ず資格(福祉住環境コーディネーター その19)

2013年05月30日 | 老後と住まい
(前回の続き)日本の木造住宅の問題点の第4は、小規模な住宅では介助をしようとしたり、車いすなどを使おうとしても通行のための幅やスペースが取れないことが多いという点です。たとえば高齢者を介助して歩く場合、介助者は体半分ずらして介助するので一人で歩く場合よりも通路幅はより広いことが必要になります。車いすで浴室に入る場合、車いすは入れたが介助者は入れないということもあり得ます。
第5点は、床座(畳などの床面に座って生活する)です。たとえば畳の上に布団を敷いて寝る場合、床からの立ち座りは高齢者にとって負担となります。和式トイレでの立ち座りや和式浴槽のまたいでの出入りはバランスを崩しやすく転倒の危険性があります。
第6に日本の住宅は夏の高温多湿に適したように作られていたことから冬の寒さには向いていない住まいが多い点です。たとえば寒い冬の夜、入浴しようとして寒い廊下を通り脱衣室で服を脱ぎ、さらに悪いことに熱い浴槽に体を入れれば血圧が大きく変動することになります。入浴中の死亡事故は非常に多く、東京都健康長寿医療センターが発表したところによると2011年には推計で1万7千人の方が入浴中に亡くなっています。(2級テキスト6~8頁)
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第2の人生の起業 先ず資格(福祉住環境コーディネーター その18)

2013年05月29日 | 老後と住まい
高齢者などにとって日本の木造住宅の問題点として2級テキストでは6点挙げられています。
第1点は床面に段差ができやすいという点です。段差はときとして家庭内事故、例えばつまずき転倒して骨折するような例が挙げられます。段差としては、玄関の敷居、上がり框(あがりがまち:框(かまち)とは床などの端にわたす化粧横木のことです)、廊下と和室、洗面・脱衣室と浴室などです。
第2点は、尺貫法の3尺(910mm)を基準に造られてきた点です。現在でもこの基準が使われていることが多いようです。たとえば、廊下や階段の幅は、柱の中心と柱の中心で3尺となっていますが、介助を必要とする高齢者や車いすを使う高齢者が家の中を動くには幅が狭すぎます。
第3点は、住宅面積が小さく一室当たりの面積も狭くなっています。住宅の構造上大きな空間をとりにくいという面もあります。昔は、布団は押し入れに収納するなどにより空間を効率よく使っていましたが、生活が洋式化するにしたがって家具類が増えるなどして使える面積が少なくなっています。たとえば、畳の上で布団を敷いて生活していた高齢者が介護用のベッドを使うようになると6畳間では夫婦2人用広さは確保できないことになります。(続く)
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第2の人生の起業 先ず資格(福祉住環境コーディネーター その17)

2013年05月28日 | 老後と住まい
廃用症候群をご存知ですか。寝たきりや体を動かすことが少なくなることから起こる病です。体を動かすことが少なくなったため、関節が一定の範囲でしか動かなくなってしまったり、筋力が衰えたり、息切れ、立ちくらみ、食欲不振などになりやすくなります。精神的にも意欲の減退、うつ傾向、認知症になることもあります。
こうした機能の低下の回復訓練には長い時間が必要となることから廃用症候群に対しては予防が最も大切です。例えば、運動、家族路の団らん、趣味、読書、新聞、テレビなどを通じた刺激ある生活が大切です。(2級テキスト82頁)
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第2の人生の起業 先ず資格(福祉住環境コーディネーター その16)

2013年05月27日 | 老後と住まい
老年症候群をご存知ですか。高齢者の80%は元気ですが、それでも身体の機能が低下しているため、一度病気になると別の病気にもなりがちです。症候「群」といわれるように一つの臓器の症状や疾患ではなく、多くの体の器官が関連する病気で、複数の原因が重なっています。例えば褥瘡(じょくそう)。床ずれのことです。褥瘡は体の骨ばった部分が長い時間押されると皮膚の組織が死んでしまう状態のことで、高齢者では1割近い人が褥瘡になるといわれています。高齢者がなりやすいのは、皮膚が薄くなって傷つきやすい、痛みを感じにくくなり痛みを避ける反応が鈍くなる、その他いくつかの高齢者特有の原因が重なるからです。(詳しくは2級テキスト80頁)また、背中が丸くなって、容姿が悪いという理由から外に出なくなり体力を低下させるといいうこともあります。その結果、関節の伸びが悪い、歩く速さが遅い、歩幅が狭い、すり足で歩くなり、小さな段差でもつまずき易くなります。つまづいて転倒すると骨折し、最悪の場合寝たきりになります。
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