緑香庵通信

三軒茶屋から世田谷線で6分・松陰神社前のアロマテラピーサロン。

アクアを作ってます

2010-06-21 10:00:00 | 精油あれこれ
ハーブや生薬の蒸留水を作って化粧水にしてみようと
思い立ちました。
乾燥したハーブ10gと100mlの精製水を容器にいれ、
ゆっくり熱して出てきた蒸気を集めます。
その仕組みがこれ。
Aqua
上蓋には氷が入っています。
蓋に当たった蒸気が冷やされ液体となり、
真ん中に置いたビーカーに溜まります。
だいたい20ml~30mlくらいはできるかな。

小さなティーライトで4~5時間かけて温めるので
気の長い話ですが。
これを大規模にやると売っている精油と芳香蒸留水になるわけです。
今回の簡単な仕掛けでは、精油成分混じりの薄い蒸留水
(これを「アクア」と呼ぶ)がかろうじてできる程度です。

それでも、バラで作ればローズの良い香りがきちんと残りますし、
ハーブティーのように煮だしたものより、
一度蒸溜している分純度があがっています。
化粧水にするには保湿剤としてグリセリンかベタインを加え、
さらにフローラルウォーターや精製水で薄めて使います。

使用感はそれぞれとても心地いいです。
私はグリセリンよりベタインの方がさっぱりして合っているかな。
3つめは精製水でうんと薄めてみました。これでも十分。
保存は冷蔵庫で。1~2週間で使い切ります。

セントジョーンズワートを使用したものは
光毒性の成分が出ている可能性があるので原則夜用です。

こんな感じで色々試してお楽しみ中です。
以下にレシピを。

●ローズの化粧水
ローズのアクア30ml
ラベンダーウォーター70ml
グリセリン5%
精油5滴(0.25%)

●桑白皮の化粧水
桑白皮のアクア30ml
ラベンダーウォーター70ml
グリセリン(植物性)5%
精油5滴(0.25%)

●セントジョーンズワートの化粧水
セントジョーンズワートのアクア15ml
ローズウォーター35ml
精製水50ml
ベタイン2%
精油3滴(0.3%)


"快" < "不快"

2010-06-16 10:00:00 | 「緑香庵」的なもの
伊豆高原方面へほんの数時間だけ訪れる機会がありました。
用事の合間だったので本当にちょっと。
まず緑の絶対量が違う。当然空気も違う。
もうそれだけで生まれ変わります。
雨が降っていましたが、そんなの関係ない。
むしろ葉っぱがつやつやで雨、ブラボー!です。
明らかに自分の中で何かが変わった感じがしました。

■ 人間はネガティブに敏感なようにできている
頭の芯には蛇が棲んでいる。
脳の一番深い所、「爬虫類の脳」と言われる所に
「恐怖」や「怒り」の感情は宿ります。
これはまだ理性や意識を獲得する以前の
原始的な生き物にとって、恐怖や怒りが、
命に関わる特別大事な感覚であったことを意味しています。

「快」を追求するより「不快」を避けることのほうが
生命維持には切実ということですね。
だから「嬉しい」「気持ちいい」より「痛い」「怖い」が
優先されるのは動物として当たり前。
人間が大きく複雑な脳を獲得した今となっても、
身体も心も、ネガティブな刺激に対して、より敏感です。

そしてネガティブな感覚はあとを引く。
取り込まれ、振り回され、自分でも知らずのうちに
さらなるネガティブ刺激を探してしまったり。
結果、「嫌な感じ」は雪だるま式に増えて行く。
まさにドロ沼。
誰でもこういう感じに憶えがあるのではないでしょうか。

■ アロマの出番です
こうなったらどこかでそれにストップをかけなくてはなりません。
「負」を重んじてしまうのが人というものの特性ならば、
そのことを認識し、時には意識的に「心地良い」を感じる
時間を持つことが大切でしょう。
連鎖する「負」の反応に「ちょっと待った」をかけてみる。

そこで、アロマです。
脳の深いところに働きかけるからこそ、香りは一番にお勧め。
別に精油である必要はありません。
いい陽気になってきたことだし、植物の香りを味わいに自然のもとへ
お出かけならなおよろし。
「安全」「安心」のメッセージを、嗅覚のみならず五感を通して
全身に浴びる、これは効果大です。

実は私、体調やら気分やら結構うつうつとしていたようです。
スッキリしてみて気がついた。
日々ストレスの種は絶え間なく発生します。
人は大きな脳を持った故に不要な荷物を背負い込んでしまいがち。
でもそれを逆手に取って、自分の状態を自覚し、
状況の方を変化させることができるのも人間。

■ ふかいことをゆかいに
また状況の解釈を見直すことで、身の回りに起きることの
意味を変えることだってできます。
以前流行ったポジティブシンキングは好きじゃなかったけれど、
ネガティブな感覚に蓋をするのではなく、それをあえて認識して、
さらに別のものに変換していくというのならば、
実はとても人間らしい営みなのかもしれません。

先日亡くなった井上ひさしさんの言葉に
「むずかしいことをやさしく/やさしいことをふかく/
ふかいことをゆかいに/ゆかいなことをまじめに書くこと」
というのがあります。

沁みますな。


初夏の夜はいい匂い

2010-06-09 18:35:46 | 「緑香庵」的なもの
5月のジャスミン、みかんに始まって、
バラもあるね、これからクチナシも。
初夏は夜になるといい匂いがします。

お日様の高い時間帯よりも、夕方~夜、
もしくは早朝の方がよく香る気がします。

今は剪定のシーズンでもあるので、街のあちこちで、
刈り込まれるときに壊れる葉っぱの細胞が放つ、
「いかにも緑!」の匂いがしたりして、
嗅ぎだめするみたいに思いっきり吸い込んでいますよ。