緑香庵通信

三軒茶屋から世田谷線で6分・松陰神社前のアロマテラピーサロン。

アロマで虫除け

2010-07-06 10:00:00 | 精油あれこれ
家人は虫が苦手。
近くに飛んでこようものなら、まるで銃弾をよけるかのごとき
素早い身のこなしで接触を回避します。
マトリックスかよ。
あまり派手によけるのでスズメ蜂でも来たのかと思えば、
どんな小さな虫でもそうなんです。
当然我が家の虫処理係は私になります。
私も得意なわけではないけれど、ここは私が頑張らなきゃ
しょうがないでしょ。
育ちが高尾の麓なもんで、平気っちゃあ平気。
たいていの虫は、手で掴むか適当な容器に捕獲して
外へお帰りいただきます。

なるべく殺虫剤は使いたくないので、虫が嫌いなアロマやら、
昔ながらの除虫菊の蚊取り線香やらで、おだやかに
「なるべく家には来ないでね」とアピールしながら
だましだまし夏を過ごします。

が、ひとつだけ私にも我慢ならないものが…。
それは「G」。ゴキブリです。
言葉に出すだけでもドキドキするので
「G(ジー)」と呼ぶのが我が家の流儀。
(ちなみにナメクジは「N」。
こちらはニームというハーブのおかげで
最近はほとんど庭に現れなくなりました。)
Gは怖い。あのスピードがなんとも恐怖を増幅する。
自宅では市販の禁忌剤も使用しますが、
サロンではそうもいかない。
で、アロマで対策。

■ ゴキブリが嫌う精油
(G本人に聞いたわけじゃないけど)

代表格が
・ クローブ
・ ベチバー
このふたつが横綱ですかね。香りも横綱級。重く残る香りなので、
お好みでなければごくごく少量にした方がよいかもしれません。

そして、
・ コパイバ
・ ティートリー
・ ひば

次いで
・ ローズマリー
・ タイム
・ ミント系(ペパーミント、スペアミントなど)
・ ラベンダー

このあたりをお好きに組み合わせて、コットンなどに染ませて
部屋の隅や通り道となりそうな所に置いておきましょう。
私はひばの木のチップにたらしてぶら下げてみました。
香りが薄くなったら精油を足してね。
なお、ベチバーはとても粘度が高いので、使いづらい時は
アルコールで少し薄めるのも良いかと思います。

■ 蚊
これに対して、蚊(カ)に対しては有効な精油が異なります。
代表的な所で
・ レモングラス
・ シトロネラ
・ ユーカリ(レモンユーカリならなおよろし)
・ ゼラニウム
・ ラベンダー
などですね。こちらはスプレーを作っておくと便利です。

【材料】
無水アルコール5ml
精製水45ml
精油お好みで10滴
1. アルコールに精油を入れてよく混ぜる
2. そこにお水を入れてよくシェイク
簡単。

刺されてしまった時のアロマ対応についてははまた別の機会に。

さらば「G」。


アクアを作ってます

2010-06-21 10:00:00 | 精油あれこれ
ハーブや生薬の蒸留水を作って化粧水にしてみようと
思い立ちました。
乾燥したハーブ10gと100mlの精製水を容器にいれ、
ゆっくり熱して出てきた蒸気を集めます。
その仕組みがこれ。
Aqua
上蓋には氷が入っています。
蓋に当たった蒸気が冷やされ液体となり、
真ん中に置いたビーカーに溜まります。
だいたい20ml~30mlくらいはできるかな。

小さなティーライトで4~5時間かけて温めるので
気の長い話ですが。
これを大規模にやると売っている精油と芳香蒸留水になるわけです。
今回の簡単な仕掛けでは、精油成分混じりの薄い蒸留水
(これを「アクア」と呼ぶ)がかろうじてできる程度です。

それでも、バラで作ればローズの良い香りがきちんと残りますし、
ハーブティーのように煮だしたものより、
一度蒸溜している分純度があがっています。
化粧水にするには保湿剤としてグリセリンかベタインを加え、
さらにフローラルウォーターや精製水で薄めて使います。

使用感はそれぞれとても心地いいです。
私はグリセリンよりベタインの方がさっぱりして合っているかな。
3つめは精製水でうんと薄めてみました。これでも十分。
保存は冷蔵庫で。1~2週間で使い切ります。

セントジョーンズワートを使用したものは
光毒性の成分が出ている可能性があるので原則夜用です。

こんな感じで色々試してお楽しみ中です。
以下にレシピを。

●ローズの化粧水
ローズのアクア30ml
ラベンダーウォーター70ml
グリセリン5%
精油5滴(0.25%)

●桑白皮の化粧水
桑白皮のアクア30ml
ラベンダーウォーター70ml
グリセリン(植物性)5%
精油5滴(0.25%)

●セントジョーンズワートの化粧水
セントジョーンズワートのアクア15ml
ローズウォーター35ml
精製水50ml
ベタイン2%
精油3滴(0.3%)


精油あれこれ《番外編~アロマで記憶力サポート》

2009-08-18 19:51:10 | 精油あれこれ
「精油あれこれ」シリーズ、本編は大分ご無沙汰していますが、
ちょこっと番外編。

■ ティートリーとアルツハイマー
ティートリーが、アルツハイマー病の治療薬と
似た働き方をすることが報告されています。
アルツハイマー病は記憶・学習にかかわる神経伝達物質である
アセチルコリンが減少した状態なのですが、
ティートリーはこのアセチルコリンを分解する酵素である
コリンエステラーゼの働きを弱める力があるようです。
Teatree

ティートリーのほか、
同じようにコリンエステラーゼを阻害するものとして
以下のようなものがあげられています。
ハッカ、グレープフルーツ、ラベンダー、
ベルガモット、ホースバーム、ローズマリー、
フェンネル、セージ、シダーウッド、
ユーカリ、タイム、クローブ、

など。

また、一方でアセチルコリンそのものの作動性を促進するものとして、
スパイクナード

これら精油の成分というのは、脳が持つ厳重な関門を通過して
脳内に到達する力を持っています。


■ イチョウ葉、当帰芍薬散
さらについでにおまけ情報として、
アセチルコリンをキャッチするレセプター(受容体)を活性化する
ハーブとしてイチョウ葉、漢方ですが当帰芍薬散、ほか。
ちょっと脱線しますが。
当帰芍薬散といえば、女性ホルモンがらみの不調に処方
されることが多いのですが、
エストロゲンの減少とアルツハイマーの発症に関係があり
という研究も最近出てきています。
このあたりも興味深いですね。


■ 最近、物忘れが・・・
例えば、がんばってお勉強をしなくてはならないのに、
どうも最近物忘れが上達しちゃって(まさに今の私)という時に、
上記の精油から気分に合う香りがみつかったら、
積極的に香らせながら勉強してみるとか、
勉強が終わったら首の周りをほぐしつつオイルでマッサージ
してみるとか、よろしいんじゃないでしょうか。
もちろん、いつも申し上げているように、
精油は薬ではないので
やみくもに使うのはお勧めしませんが、
例えば私は、だいぶ老人力を増強しつつある両親の首筋を、
ティートリーでマッサージしてみたりしております。


高齢者に使用する時は、ローズマリーなど血圧にインパクトのある精油や、
タイム、クローブ、フェンネル、セージなど
刺激成分が多く入っているものは特にお気をつけいただくことと、
濃度を通常の1%よりもさらに薄めに使用される方が安全かと思います。



最強ブレンド

2008-10-01 10:00:00 | 精油あれこれ

久しぶりのお休みに実家まで自転車で行ってきました。
世田谷-国立を往復、行き3時間、帰り2時間。
いやあ、こいだこいだ走った走った。
普段運動不足なもので、帰り着いたら早速筋肉痛の気配。
特に膝周辺がヤバい。
で、まずはお風呂にユーカリを入れて入浴。
それからアルニカセントジョーンズワートの浸出油に
ペパーミントゼラニウムを入れたもので
足全体をマッサージマッサージ。
ひまし油も入れたい所だけど、面積が広いのであまりベタベタ
させたくないし今回は見送り。
まだ膝周辺が熱を帯びているようなので、
ゼリー状の冷たいパックでちょっとアイシング。
熱のひいたところで、ぬか袋カイロ(ぬか袋を電子レンジで
チンしたもの。我が家での通称は「ほけ」)で温めながら就寝。

翌朝、「うっそー、どこも痛くない。」
恐れていた筋肉痛もない、膝のがくがく感もない、
違和感全く無し。
すごいぞ最強ブレンド。
数日経過しましたが、遅れての時間差筋肉痛も
もちろんありませんでした。
このブレンドおすすめです。


精油あれこれ 第5回:ユーカリ

2008-03-29 18:21:00 | 精油あれこれ
「精油あれこれ」も、ようやく第5回。
精油の本質を実感にもとづいて捉えたいという思いで
始めたシリーズです。
その精油の「ど真ん中」をぐっと掴むのが目的ですので、
全般的な作用・効能について知りたい方には
あまりお役に立てません。
アロマテラピーの専門書や他サイトの情報をご参照ください。


直接肌につけない、飲用しない等の具体的な使用方法はここでは触れません。
自己責任にてご使用ください。また、治療効果を保証するものでもありません。





■ 水を欲しがる植物
今回はユーカリ(グロブルス)です。
最近は鉢植えでもよく売られています。
緑香庵にもあります。
Eucalyptus
育てていて感じるのは、まぁーよく水を欲しがる植物です。
やればやるだけぐんぐん吸います。
だからといって、少々水切れしてもぜんぜん平気で
元気にしています。
水をたくさん抱え込んでいるにしては
みずみずしさとはちょっと遠いややドライな感じの緑灰色の葉や茎。

そうそう、コアラのご飯でしたね。
あんまり美味しそうには見えないんですが、
コアラはこの刺激の強い乾いた葉を消化し解毒するための
特殊な酵素やバクテリアを持っているとか。よくできてますねー。

■ ユーカリの森
ユーカリが水を吸い上げる性質を利用して、
湿地帯の土壌乾燥に用いられた例もあるといいます。
また、地中深く根を伸ばして水を吸い上げることから、
砂漠の緑化にも使われたり。水が多すぎても少なすぎても、
いずれにしても過酷な環境にとても強い。
どんどん自分の領域を増やしていき、しまいには他の植物を駆逐
してしまうくらいの勢いでユーカリの森ができあがるそうです。
その森には木から揮発する精油成分が満ちて
ぼんやりブルーのもやがかかったように見えるとか。
とてつもないパワーをもつこの植物は、オーストラリアの
原住民アボリジニが解熱や感染症の治療のために大切にしていました。
葉を燃やして吸入するのが主な使い方だったとか。
精油はやはりオーストラリア産が有名ですが、
今では中国産の精油も多いようです。

■ 1.8-シネオールの作用
ユーカリという精油の性格は、何と言ってもその成分の特徴
から語られることが最も多いのではないかと思います。
70~80%を占める1.8-シネオールという成分。
その特徴である、強力な殺菌・消毒、抗ウィルス、去痰・鎮咳、
血流促進
などの効果がユーカリの主な効能と言われます。
主に呼吸器周りのトラブルに最適ということで、
花粉症の症状を緩和する精油としても有名ですね。
こわばった筋肉をほぐす時にもよく使われる成分です。

■ ユーカリの使用実感
この精油は、そんな実利的なお助けアイテムであるのは
もちろんですが、私にとっては、むしろ心の閉塞感を打開したい時に
ピンとくることが多いという点で、特別な精油なのです。
単体でトリートメントに使った時の甘さと幸福感
ちょっと意外なくらいです。
香りを嗅いだ時に日々印象が大きく違うのもこの精油の特徴です。
ちょっとクセのある感じが鼻について不快な日もあれば、
とにかく甘くていい香りに感じる日もあります。
甘い日は脳の深い所でユーカリが必要とされているということでしょう。
そんな実感に基づいてこの精油の本質を捉えてみるならば、
それは、やはりユーカリという植物全体としての性格に
支配されているように思えます。
つまり、どんな水でも吸い込みエネルギーにして、
その場を乾かしていく、
すなわち「乾燥と加温」、さらに
自分の領域をどんどん広げる」という性格です。

■ ユーカリは空間を拡張する
ユーカリのキーワードは「空間の拡張」です。
ユーカリを「胸を開く精油」という人もいます。
鳥かごのような肋骨を広げ、パチンパチンとホックを外すように
胸の中心をも開いて、中におさめられた呼吸器や心臓のための
スペースを拡張し、楽に呼吸ができるようにしていく。

「胸が苦しい」「胸が塞がる」という言葉の通り、
身体症状は精神症状でもあります。
こういった閉塞状況の解消の仕方を他の精油と比べてみると、
オレンジは温め弛めてじんわり振動しながらスペースを作っていく。
ペパーミントはあたかも風穴を開けるがごとく
素早く小さな突破口を開く。
そしてユーカリは枠組みを広げてスペースを確保し、
中を清浄な空気で満たしていく。

さらに、こだわりに支配された頭の中を「楽観・解放・自由
へと導き、のびのびと「今」にフォーカスすることを助けます。
「今、現在」への着地を助けるものとして他の精油と比較すると、
サンダルウッドは「妄想を払拭し今へ」、
サイプレスは「過去と決別し今へ」という似たような働きをします。

■ ユーカリの活用法
さて、こんなことをふまえた上で実生活に役立たせるには、
以下のようなケースにおすすめです。

- 強力な消毒・殺菌作用を利用
    感染症、傷、虫さされなどなんでも
    ハウスキーピングにも

- 温め乾かす性質を利用
    咳(空咳にはサンダルウッドを)にアニスシードとともに
    痰(粘度のある白っぽい痰に)サイプレスとともに
    呼吸器トラブル全般
    尿路感染や生殖器感染に座浴で

- 刺激して排泄を促し、のちに鎮静するという性格から
    炎症全般や筋肉痛、神経痛などに


ポイントは何と言っても胸まわりですね。
楽に呼吸できること、それに伴い血液にたくさんの酸素が
取り込まれ全身を駆け巡る。
これによって良い影響があることであれば何でも、
ユーカリのパワーの恩恵を受けることができるでしょう。

ちなみにリズミカルボディセラピーでは、
月経後から排卵迄の「B期」での使用がおすすめですが、
いつもどおり「気持ちよい」と感じるならば
どのタイミングで使っても差し支えありません。
更年期まっただ中の私は、ちょうどB期の後半で原因不明の
胸苦しさ
に襲われる日が何日かあり、
肋骨の下の方が本当につぶれたように狭く感じるのですが、
ここのところユーカリに随分助けられています。感謝。


<参考>
ユーカリにはたくさんの仲間がいますが、主によく使うのは以下のふたつ。
レモンユーカリ
    冷却効果が高く、消毒殺菌効果もより強い。虫関連やリウマチに。

ユーカリラディアタ
    ユーカリ・グロブルスとほぼ似たような働き。より香りが甘く刺激も優しい。
    抗ウィルス。


特にラディアタは使いやすくおすすめです。