緑香庵通信

三軒茶屋から世田谷線で6分・松陰神社前のアロマテラピーサロン。

びっくりした

2009-05-29 18:13:41 | 「緑香庵」的なもの


■ 考えていたことが書いてあった
「現代語訳 般若心経」 (玄侑宗久・著 ちくま新書)を読んでいたら、
今考えていたことがそのまま書いてあった。
って、芥川賞作家にして現役のお坊様である著者に対して
失礼も甚だしいですが、まさにどんぴしゃでした。
不思議ねえ。

お経の表層の意味を理知として捉えるのではなく、
意味もわからず唱えるお経の音声の中に身を投じることで、
世界の実相に
触れる。
と、こう読みましたがどうでしょう。

まさに私が音楽としての般若心経に期待するものがそれです。
こうなるともう、宗教における信心とはまったく別の境地
のような気が致しますが、
ある意味それこそが宗教が担ってきたことだとも
言える気がします。

■ タイミング
こんなふうに、知りたいことがあって、それに最もふさわしい
タイミングで出会うというのは、実はよくあること。
神の采配というと大げさですが、
似たようなことがもっと日常のレベルでも結構あります。

訳あってここのところ緑香庵を留守にせざるを得ない日が
少なからずありました。
しかしながらそのせいで予約をお断りしなければならなかった
ことはほとんどありませんでした。
(もともとそんなに混んでませんが)。
それにしても、実にウマい具合に、
急にサロンを空けなきゃならない時はたまたま予約は入ってないし、
反対に急にサロンに居られるようになると、
ひょっこり予約が入るといった具合。
お客様はみんな天使ですかい?
と思いたくなるような案配でした。
(予約が重なったせいでお断りした方は申し訳ありませんでした。)

■ 宗教ではないのですが
私は何の宗教も持っておりませんが
「神様見てるよね~」と思った次第です。
「あー、ちょっと疲れてきたな。
緑香庵にいってリラックスしよっかな」と思ったあなた。
あなたこそが緑香庵にとっての天使です。

世の中不況不況と、ほんとうに残念な雰囲気が蔓延しておりますが、
こうして助けられているのです。
ありがとうございます。

少年少女聖歌隊ならぬ「じじばば声明(しょうみょう)隊」作るか。
恩返しに。
般若心経を唱えるのぢゃ。うふふ。


Mix or Single(つづき)

2009-05-16 18:13:00 | アロマテラピーとは
精油をミックスせずに単体で用いる場合、
有効か有害かは関係なく、その植物の持つ完成されたバランスのまま
それを身体に取り込むことになり、
これはこれで大変大きなパワーを発揮してくれます。
精油はただ単に植物から香りの成分を抽出しただけのもので、
特に人の手で特殊な操作を加えてはいないので、
それ自体で「あるバランスのとれたもの」だということができます。
人はその中から自分の身体に必要なものを利用しているだけのこと。
「有効」成分も「有害」成分も、
利用するこちら側の都合でしかありません。
当の植物にとってはいずれも必要だからこそ持っており、
持っていたからこそ進化の過程で生き残ってきた大切な一部です。
それを横からちょいと拝借しているのがアロマテラピーというものです。

■ 精油はメッセージ。治癒するのは自分
例えば身体のある場所に血流の滞りがあったとしましょう。
この「滞り」も身体にとってもとは必要あってのことだったのでしょう。
しかし、その必要な事態は去り、
むしろ今や血流を回復し修復に当たるべき時期が来ているのに
血流が回復しない。
それは「凝り」として認識され、
痛みは苦痛へとなっていきます。
本来ならば自力で勝手に血流の回復へとチェンジされるべき身体が
何らかの理由でそうならないとき、
人は自分を健康ではないと感じます。
治癒力が阻害された状態ですね。
そこで何らかの刺激(メッセージ)で
自然に備わった治癒力を取り戻そうとするのが、
精油の、そしてトリートメントの目的です。
そう考えると、ある種の有害成分を取り除いてしまった精油というのは、
確かに安全性は高まるけれども、メッセージ性はどうなのかしら
という疑問が残ります。
自己治癒力の引きがねをひくメッセージを保っているのでしょうか。

■ 例えばベルガプテン
例えば有名な、ベルガプテン。
光と反応して皮膚症状をおこすといわれており、
主にグレープフルーツやベルガモット、レモンなどに多く含まれます。
(ちなみにアロマテラピーの資格試験では必須の知識)。
これを取り除いてベルガプテン・フリーに加工した精油があります
これなら安心して昼間から使用することができますが、
私はどうも使う気になれません。
ベルガプテンを「太陽のエネルギーをチャージする物質」と表現
した人がいました。
とても共感を覚える言葉でした。
これがメッセージでしょう。
柑橘類のはじけるような明るさ、喜びに満ちた生命力、
それらを担う重要な一部であるはずのベルガプテンを、
皮膚に有害だからと除いてしまった精油は、
魅力が半減してしまうような気がしてなりません。
太陽光と反応して皮膚障害を起こす可能性があるのなら、
昼間は肌につけなければ良いだけのこと。
香りを嗅ぐ分には全く問題がありません。
鬱々とした気分に光が射すような素晴らしい香りです。

■ 全体の調整力を
ホリスティック(全体性)という言葉がとても重要なキーワード
とされるアロマ業界ですが、
実際はどんどん分析的な、薬の代用物としての使い方に
陥っていきそうな気がしています。
真面目に勉強すればするほど、そうなりがちなのかもしれません。
でも人の身体はこっちを押せばあっちがでっぱり、
あらゆるものが複雑に絡み合って機能しているので、
ある特定の成分で特定の部分をコントロールすることを期待するよりも、
全体の調整力をアップする方が実は合理的だと思うのですが。
もちろん医療ではなく、あくまでもセルフケアのレベルの話ですが。

混ぜて使うも、単体で使うもどちらも良さがあり弱点があります。
決定的な指標があるわけではないんです。
どちらにしても精油と身体との関係性の中で何かが起こっていくということ。
その「何か」を注意深く見守るまなざしが必要なのでしょう。


Mix, or Single?

2009-05-13 17:55:14 | アロマテラピーとは
緑香庵ではトリートメントの際、おおよそ3種類ぐらいの
精油をブレンドして使うのが常です。
違う種類の精油を混ぜ合わせることによって、
おのおのの有効成分が生み出す相乗効果が期待できることと、
また、精油がごくわずかに持っている刺激性の強い成分が
抑制されることがその理由です。
より安全性が高まり、薬理効果も高まるということですね。

お客様にその日の体調気分にあった香りを選んでいただきながら、
様々なブレンドのマジックをともに体験するのは、
本当に楽しい作業です
また、実はこうして香り選びをする過程で、
お客様が抱えていらした、脳の混乱は
ほとんど収まってしまうような気さえしています。
それほどに、このミックス作業というのは
欠くことのできない、大事なトリートメントの一環でもあります。

一方で、精油を単体で使用することもあります。
例えば、疲労感が強くもうヨレヨレといった感じのお客様には
単体での使用の方が有効な場合がままあります。
これはどちらかというと
精油の持つメッセージの力を期待した使い方です。
こういう使い方の時、精油は、よく言われている効能とは
違った働き方を、その人の身体の中でおこすような気がします。
例えばユーカリ
これは一般的に呼吸器の不調や筋肉疲労などによく使われる精油で、
どちらかというとリフレッシュ的な傾向が主ですが、
この精油を「気持ちよい」と感じる時に、
単体で用いてトリートメントすると、
そのリラックスの深さたるや半端じゃなかったりするのが
非常に面白いところです。

こういう使い方の時は、
「ある精油の◯◯という成分が△△に効く」という
分析的あるいは物質的な精油の役割よりも、
その人の身体へ直接、例えば
「もしもーし、ここの血行滞ってまっせー。
もう血ぃを流してもええんちゃいますかぁ。」
というようなメッセージを届ける役割がより明確になる気がします。

(この話、次回へ続きます。たぶん。)