新聞社のアーカイブ
作成者: 京免 史朗さん
“アーカイブ
高山正之 週刊新潮 2月24日号
新聞社には調査部という名のアーカイブがある。
そこには新聞の切り抜きや資料、書籍、縮刷版などが山と保管され、例えば飛行機が落ちたとかの事件が起きると、記者はそこに駆け込んで基礎的な資料を漁り、データを集める。
それを手に現場に行ったり、解説を書いたりする。記事の半分は、このアーカイブでできあがる。
あるいは先達の書いた記事をたどれば、その時代の空気も読め、味わえる。
昔、朝日新聞に、潜行した伊藤律と月下の六甲山だったかで会見したという特ダネ記事が載った。それが今回の「NHKに政治家が圧力」と同じ、まったくのでっち上げだった。
朝日は縮刷版ではその記事の部分を白抜きにしたが、むしろそのまま載せるのが筋ではなかったろうか。
ガセネタを恥じる気持ちは分かるが、これを載せておけば、ああ、あのころの朝日は本気で共産革命を期待し、それが昂じてこんな嘘を書く記者も出たんだなという具合に、時
代を読む材料になっただろう。
時代を映すでっち上げ事件には、八十年代半ばに「これが(日本軍の)毒ガス作戦だ」がある。
実際は中支の渡河作戦で焚かれた煙幕なのに、あの藤原彰一橋大学教授(当時)が「毒ガス」と偽証工作までした。何でもありの自虐史観花盛り時代を象徴していた。
しかしこのときは、産経新聞 が 煙幕の証拠 をつきつけ、嘘がばれてしまった。
ところがその訂正記事がふるっていて「日本軍の化学戦の写真は南昌ではなくカン湘だった」で終わり。
煙幕を毒ガスと偽り「残忍な日本軍」をでっち上げた悪意には一言半句触れないで逃げている。
これでは後世の記者が読んだら、日本軍は毒ガスを使っていた、でもたまたま地名を間違え、それを訂正したとしか思えないだろう。白抜きよりたちが悪い。
朝日のアーカイブはその意味で今ひとつ信用できないところがあり、それで最近の朝日記者はあまり参考にしていない風なのだ。
例えば先日、日韓条約の公文書が解禁され、実は日本は戦争被害者や統治時代の給料未払いなど個人補償もしていた。ただそれを韓国政府が流用していたことが明かにされた。
日本は補償もしていないと韓国人が言い立て、韓国系でもある朝日新聞がもそうだそうだと言ってきた。
ところがそうじゃなったと分かって朝日は解説面(1月24日)で言い訳を書いていた。
この交渉で韓国側は「日本の植民地支配時代の未払い給与や預金、戦争被害の補償を求めた」とあるが、これは大嘘。
アーカイブに行って交渉の当初から見れば、韓国側はまず「起訴状を朗読するようなトーンで」(シーボルトGHQ外交局長)戦時賠償と植民地統治の謝罪を求めた。それは「日
本を破産させてしまうほどの巨額な要求だった」(同)。
これに対して日本側は、朝鮮と戦争もしていないのに何故賠償なのか と抗議する。
さらに日韓併合は国際法に則ったもので何ら不都合はなく、謝罪の必要もない、と突っぱね、だいたい植民地支配と言うが、実際は搾取どころか、逆に日本政府が金を持ち出す
開発型ではないかと反論する。
それが「禿げ山が緑に変わり、鉄道、電気が敷かれ、港湾が築かれた。治水で水田も増えたではないか」という久保田貫一郎代表(外務省参与) の発言だ。
これに韓国が腹を立てて交渉が中断すると、当時の岡崎勝男外相は「当たり前のことを述べただけ」と韓国側を非難する。
今の福島瑞穂の大先輩に当たる鈴木茂三郎、勝間田清一ら社会党の左派の連中まで「李承晩になめられている」と怒る。
そして朝日新聞も「朝鮮統治では日本はいいことをした。マイナス面ばかり言い立てるな」という久保田発言を支持し、韓国側の言う「植民地」という表現も遣っていない。
結局、日韓会談はしばしの中断のあと、日本側の主張どおり韓国側が「賠償」と「謝罪」という表現を引っ込め、個人補償を含めた経済支援の形で決着し、調印している。
この嘘の解説記事を書いた記者は、一度自社のアーカイブに行って切り抜きを読んでみるといい。朝日の記事がまともだった時代があったことに気付くはずだ。”
— 【日韓国交正常化交渉】当時の日本代表が「李承晩政権を打倒する」「韓国人は強者に屈服して弱者に横暴」と妄言[06/13]
作成者: 京免 史朗さん
“アーカイブ
高山正之 週刊新潮 2月24日号
新聞社には調査部という名のアーカイブがある。
そこには新聞の切り抜きや資料、書籍、縮刷版などが山と保管され、例えば飛行機が落ちたとかの事件が起きると、記者はそこに駆け込んで基礎的な資料を漁り、データを集める。
それを手に現場に行ったり、解説を書いたりする。記事の半分は、このアーカイブでできあがる。
あるいは先達の書いた記事をたどれば、その時代の空気も読め、味わえる。
昔、朝日新聞に、潜行した伊藤律と月下の六甲山だったかで会見したという特ダネ記事が載った。それが今回の「NHKに政治家が圧力」と同じ、まったくのでっち上げだった。
朝日は縮刷版ではその記事の部分を白抜きにしたが、むしろそのまま載せるのが筋ではなかったろうか。
ガセネタを恥じる気持ちは分かるが、これを載せておけば、ああ、あのころの朝日は本気で共産革命を期待し、それが昂じてこんな嘘を書く記者も出たんだなという具合に、時
代を読む材料になっただろう。
時代を映すでっち上げ事件には、八十年代半ばに「これが(日本軍の)毒ガス作戦だ」がある。
実際は中支の渡河作戦で焚かれた煙幕なのに、あの藤原彰一橋大学教授(当時)が「毒ガス」と偽証工作までした。何でもありの自虐史観花盛り時代を象徴していた。
しかしこのときは、産経新聞 が 煙幕の証拠 をつきつけ、嘘がばれてしまった。
ところがその訂正記事がふるっていて「日本軍の化学戦の写真は南昌ではなくカン湘だった」で終わり。
煙幕を毒ガスと偽り「残忍な日本軍」をでっち上げた悪意には一言半句触れないで逃げている。
これでは後世の記者が読んだら、日本軍は毒ガスを使っていた、でもたまたま地名を間違え、それを訂正したとしか思えないだろう。白抜きよりたちが悪い。
朝日のアーカイブはその意味で今ひとつ信用できないところがあり、それで最近の朝日記者はあまり参考にしていない風なのだ。
例えば先日、日韓条約の公文書が解禁され、実は日本は戦争被害者や統治時代の給料未払いなど個人補償もしていた。ただそれを韓国政府が流用していたことが明かにされた。
日本は補償もしていないと韓国人が言い立て、韓国系でもある朝日新聞がもそうだそうだと言ってきた。
ところがそうじゃなったと分かって朝日は解説面(1月24日)で言い訳を書いていた。
この交渉で韓国側は「日本の植民地支配時代の未払い給与や預金、戦争被害の補償を求めた」とあるが、これは大嘘。
アーカイブに行って交渉の当初から見れば、韓国側はまず「起訴状を朗読するようなトーンで」(シーボルトGHQ外交局長)戦時賠償と植民地統治の謝罪を求めた。それは「日
本を破産させてしまうほどの巨額な要求だった」(同)。
これに対して日本側は、朝鮮と戦争もしていないのに何故賠償なのか と抗議する。
さらに日韓併合は国際法に則ったもので何ら不都合はなく、謝罪の必要もない、と突っぱね、だいたい植民地支配と言うが、実際は搾取どころか、逆に日本政府が金を持ち出す
開発型ではないかと反論する。
それが「禿げ山が緑に変わり、鉄道、電気が敷かれ、港湾が築かれた。治水で水田も増えたではないか」という久保田貫一郎代表(外務省参与) の発言だ。
これに韓国が腹を立てて交渉が中断すると、当時の岡崎勝男外相は「当たり前のことを述べただけ」と韓国側を非難する。
今の福島瑞穂の大先輩に当たる鈴木茂三郎、勝間田清一ら社会党の左派の連中まで「李承晩になめられている」と怒る。
そして朝日新聞も「朝鮮統治では日本はいいことをした。マイナス面ばかり言い立てるな」という久保田発言を支持し、韓国側の言う「植民地」という表現も遣っていない。
結局、日韓会談はしばしの中断のあと、日本側の主張どおり韓国側が「賠償」と「謝罪」という表現を引っ込め、個人補償を含めた経済支援の形で決着し、調印している。
この嘘の解説記事を書いた記者は、一度自社のアーカイブに行って切り抜きを読んでみるといい。朝日の記事がまともだった時代があったことに気付くはずだ。”
— 【日韓国交正常化交渉】当時の日本代表が「李承晩政権を打倒する」「韓国人は強者に屈服して弱者に横暴」と妄言[06/13]