ぼやきくっくり | グアムの交番にハングル表記(撤去済み)
WiLL2014年7月号(今月号)に、グアムのハングル看板(表示板)をテーマにした記事がありました。
筆者は、ケン芳賀さんという東京都出身の日本人男性です。...
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芳賀さんのオフィスの真向かいの交差点の交番壁面いっぱいに、突如として「タモン交番」と書かれた大きなハングル文字の看板が掲げられたそうです。
念のため私のほうでもネットを調べてみましたら、グアム在住の個人ブログさんのほか、K-POPグループのグアム・ロケの動画でも、その存在が確認できました。
星条旗の下にハングルって、すごい違和感…(T_T)
芳賀さんは初めは韓国の観光客向けかと思いましたが、それでは来島者数が圧倒的に多い日本人用の日本語表記がないのはおかしい。
芳賀さんが調べてみると、地元韓国人が取り付けたことが分かりました。
地元でレンタカーを経営している韓国人オーナーが寄贈したものでした。
憤慨した在留邦人が交番に問い合わせたら、「金を出せば日本語も表記してやる」との返事。
米国領内の彼らには、国際間のやりとりも銭金の問題でしかないのです。
これがそのまま放置されてクレームがつかないと、違和感がなくなり定着してしまいます。
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そこで、芳賀さんはハングル看板の証拠写真を持って、レイ・テノリオ副知事に抗議してみました。
主に応対をしたのは、副知事の秘書である韓国系の男性。
その秘書は、開口一番、こう言ったそうです。
「日本企業が喜捨(寄附)すればもっと大きな文字を表示できますよ」
いわば『金が物を言う』ことを暗に提案してきたのです。
「そう言うが、貴方はあの交番もあのパトカーも誰が寄贈したか知っていますか?日本企業ですよ」
と芳賀さんが返すと、その韓国系の秘書は意外な顔をしたそうです。
これは私も、今これをお読みの多くの読者様も初耳だと思いますが、これまで在グアム島日本企業は、観光客で賑わうタムニング地区に交番を3つ、それからパトカーも数台、寄贈しているそうです。
ただ、交番には寄贈者の名を記したものはありません。
日本人は公共への奉仕を露骨に表に出さない美質があるからです。
「そういう事情も知らずにあれだけ大きな表示をしたので、不愉快で仕方ない。なぜそれを許すのか、その理由を知りたい」
と芳賀さんが質すと、韓国系の秘書は、「韓国のツーリストを意識して」だと答えました。
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そして同行していた地元のチャモロ人が、クラスメイトだったというレイ・テノリオ副知事にこう言いました。
「あれだけ大きなコーリアンサインを出すから、日本人ツーリストがみな嫌な顔をしている。正直、我々グアム人にとって日本のツーリストはもっとも大切な国の友人であり、彼らのマナーは我々にいい意味で影響を与えている。あの表示板はそういう彼らを深く傷つけていることになるのだが、貴方にはそれがわからないのか」
現地人のほうが厳しいのです。
ハングル看板を即座に外してほしいという芳賀さんらの要望に対し、副知事は、「数日の猶予をくれ。関係機関と相談してみる」と答えました。
そのまま芳賀さんが仕事場に戻ると、何と、ものの1時間も経たない間に副知事から電話が来ました。
そして、「交番を見てご覧」と言う。
見ると、すでにハングルの表示板はきれいに取り払われていたそうです。
なぜこんなにスピーディな対応が取られたのか?
「副知事は日本人の人柄をよく知る人だったから、英断できたのかもしれない」と、芳賀さんは推察しています。
ちなみにレイ・テノリオ副知事は、2011年10月に来日、岩手県・宮城県を表敬訪問し、日本人会が中心となりグアムで集めた東日本大震災の義援金を贈呈しています。
もちろん、これをもって彼を親日家であると判断することはできないでしょうが…。
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この話には後日談があります。
ハングル表示が消えて一安心した芳賀さんに対し、親しい韓国人が、こんなゾッとすることを言ったそうです。
「あれをあのまま放置していたら慰安婦の碑が建っていただろう。(地元日本人の)反応を見るために、あんな大きなハングル文字を表示したのだからね」