【アメリカの対中強硬路線転換の背景に、安倍総理の毅然たる姿勢!】
(「日本外交は孤立化しているのか?」のつづき)
赤峰 前節で、日本外交は東南アジア諸国に受け入れられているということが明らかにされたのですが、それでは現在の日米関係はどのように評価すべきなのでしょうか?
ピーターさんは「アジア太平洋地域での安定政策のシナリオは、アメリカの主導のように見えて、実は日本主導で進められようとしています」と述べています、また、先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)では、「(安倍総理が)オバマ米大統領からは初めてハグ(抱擁)された」というお話もありました。こうした事例をどう捉えるべきか・・・。
横井 ピーターさんのお話は、おそらくその通りだと思いますね。アメリカの対中政策は以前と様変わりしていますからね。アメリカと中国の関係は、ニクソン大統領と毛沢東主席時代の米中国交正常化以来、軍事面での相克と経済面での友好といういわば矛盾したものでした。とくに、アメリカが民主党政権下にあるときは、対中関係は弱腰で、融和主義の傾向が顕著だった記憶があります。
藤原 なるほど、その延長線上にある民主党・オバマ政権も当初、対中政策は弱腰だったとわけですね。かつて、オバマ大統領は「米中関係は21世紀の運命を決める世界で最も重要な二国間関係である。我々は真の協力関係を支持しなければならない。」と述べていたくらいでしたから。
横井 それが、最近のオバマ政権は、米中関係において、中国の覇権主義的発言をピシャリとはねのけていますね。数年前には考えられないことでした。
藤原 習主席などは未だに「広大な太平洋には中米両大国を受け入れる十分な余地がある」からと太平洋を東西で二分して、米中で分け合おうなどという覇権主義丸出しの主張を言い続けていますね。そのたびにアメリカから厳しくはねつけられています。
赤峰 この記事をみると、アメリカの対中政策が変わったのがよくわかります。
融和策限界「中国やはり敵」 ワシントン駐在客員特派員・古森義久 2014.5.25
「中国はいまや全世界の平和と安定と繁栄への主要な脅威となった!」
《途中から》いまやワシントンの国政の場では中国への姿勢が超党派で劇的に硬化した。オバマ政権の誕生以来5年半近く、ついに米中新冷戦が本格的に始まったようなのである。《中略》「中国に対し米側には伝統的に『敵扱いすれば、本当に敵になってしまう』という自粛が強く、中国を『友好国』『戦略的パートナー』『責任ある利害保有者』『核拡散防止の協力国』などとして扱ってきた。だが40年ものその融和にもかかわらず、中国はやはり敵になってしまった」(元国防総省中国担当ジョー・ボスコ氏) オバマ政権の対中融和政策は実にけなげだった。中国を既存の国際社会に普通の一員として迎え入れ、既存のルールを守らせようと努力した。日本国憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」という表現をも思わせるナイーブな姿勢だった。《以下略》
横井 ほう、アメリカも40年目にしてやっと本気で対中政策を変更してきたのですね。アメリカもついに中国の貪欲な覇権主義に匙を投げた感があります。アメリカも口には出さないが中国を「無法者国家」として考えているような雰囲気ですね。
藤原 これは、米国議会下院外交委員会の公聴会での発言ですね。この公聴会では誰も異議を挟まなかったそうですから、アメリカの政治家にとっての共通認識であるととらえていいのではないでしょうか。また、この中には、おそらくは対中弱腰だったオバマ大統領への苛立ちも入っているように思います。
赤峰 ちょっと視点を変えて、今年に入ってからの安倍総理の外国訪問または海外要人との会合を確認してみました。そうすることで何か見えてくるかもしれません。
1月はインド訪問、ダボス会議出席や会合が12回(米国2回)。2月はソチ訪問や会合が14回(米国2回)。3月は日米韓首脳会談、ハーグ会合出席や会合14回(米国2回)。4月は日米首脳会談や会合20回(米国4回)。5月はドイツ・英国・ポルトガル・スペイン・フランス及びベルギー訪問、シンガポール訪問、アジア安全保障会議出席や会合25回。6月は、ベルギー及びイタリア訪問、G7出席、日・フィリピン首脳会談、日・ブータン首脳会談や会合12回。
極めて精力的に活動していますね。いままでの総理大臣でこれほどまでに八面六臂とも言えるほどの外交攻勢をかけた総理大臣はいなかったのではないでしょうか。
藤原 そうですよね。テレビを見ていても安倍総理のにこやかな笑顔と海外首脳の安倍総理に対する親近感がにじみ出た様子の映像は、歴代総理の露出の何倍もありました。集団的自衛権がまだ確立していない状態の日本では、この安外交の力で、日本を守ってもらったのではないかと思えますね。価値観外交で次々と日本の味方を増やしていく。そして、それが世界平和に貢献する。大変素晴らしいことだと思いますね。
横井 とくに、安倍総理への世界の信頼が確固たるものにしたのが、日米韓の首脳会談、日米首脳会談、アジア安全保障会議だと思います。それがG7首脳会議での絶大なる信用に結びついたのでしょうね。また、安倍総理が、オバマ大統領からの信頼を勝ち得たのは、日米韓の首脳会談と日米首脳会談の二つでしょうね。
赤峰 日米韓首脳会談後に頂いた情報筋からのお話はつぎのようでした。
「安倍首相の基本姿勢は政治的な対立を超えた高度な理念を前面に押し出しているので、共感され抗しがたさを感じさせるものがあると思われます。要は高い大義名分、高い精神性を崩さずに政治に取り組んでいるということだと思います。」
オバマ大統領をも精神的に感化したようです。また、日米首脳会談後の情報筋はこう評価しています。
「オバマ大統領は、首相就任以来の安倍総理の発言や動きを見て日本に対する評価をだいぶ変えています。ケネディー駐日大使からの報告もあり、現在では日本をもっとも信頼する国と見ているようです。また、軍事面でも『中国に対するけん制を担える国家』として日本に強く期待しているようです。」
「その意味では、早く《集団的自衛権に関する》法案を通して日本の防衛力を強化してほしいと考えているようです。はっきり言えば、『オバマ大統領は日本を頼りにしている』と言っても過言ではなさそうです。」
「安倍総理は集団的自衛権の成立は、日米安保には欠かせない条件だと考えています。また、中国などの外敵から国家を守ろうとする熱意は本心からのもので、政治の駆け引きや個人の利得のためとは違うようです。今回の日米首脳会談ではこのあたりのことが忌憚無く話され、オバマ、安倍両氏とも相互理解を深めると同時に緊密な関係を作り直したようです。(時間の経過とともにはっきりしてきます)」
藤原 いま改めて情報筋のお話を読むと驚いてしまいますね。的確に状況を捉えています。あの日米首脳会談の時点では、オバマ大統領は安倍総理を「評価していない」などのネガティブな話ばかりばら撒かれていましたが、現実は赤峰さんところに寄せられた情報筋の話どおりの展開になっていますからね。この話とピーターさんの話は、まさに整合性がとれますね。
横井 この際ですから、G7首脳会議後の情報筋のお話を再録して下さい。
赤峰 このときも驚くべき内容が情報筋から伝えられました。
「G7に参加した安倍首相は、参加各国の意見のイニシアティブを取り始めたようです。各国首脳が、ロシア、ウクライナ問題で行き詰まっている中で、『あくまでも対話による解決』の流れを強く提案したようです。最終的な声明では、アメリカやイギリス、ドイツの首脳ではなく安倍首相の考えが色濃く反映されたようです。」
「それに対しいち早く反応したのが中国政府です。声明の中に安倍首相の意図が入っていることに気づき猛反発しています。ますます中国は孤立していくようです。」
(追加配信)「アジア諸国はもちろんですが、先進国首脳は安倍首相と日本の存在感を再認識するだけではなく、世界が抱える問題の解決の糸口を安倍首相の言葉に頼ろうとする傾向も出てき始めています。」
「安倍首相の精神性の高さも各国首脳が注目しているところです。オバマ大統領も安倍首相を急速に信頼しているとのことです。」
藤原 だからなんですね。報道にあったように「首相はロシア制裁に慎重な立場のイタリアのレンツィ首相からハイタッチを求められ、制裁積極派のオバマ米大統領からは初めてハグ(抱擁)されたという」ということなんですね。恐れ入りました。
横井 確かに状況は変わってきているのがわかります。アメリカが対中政策で融和姿勢を排除し、安倍総理を見習って毅然とした態度をとるようになってきましたね。
集団的自衛権の閣議決定に際しても、米統合参謀本部のマーティン・デンプシー議長も「日本による安全保障上の貢献を歓迎する」、「日本の安全保障に関する立場を、われわれは支持している」と日米結束を強調喜んでいます。
赤峰 最近でも、ヘーゲル国防長官が中国を激しくけん制しています。重要なところは太字にしています。
日米防衛相会談、指針に集団的自衛権反映 ヘーゲル長官「同盟は新レベルへ」 2014.7.13
【ワシントン=加納宏幸】小野寺五典(いつのり)防衛相は11日、ヘーゲル米国防長官と国防総省で会談し、集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更の閣議決定について説明した。ヘーゲル氏は会談後の共同記者会見で閣議決定を「強く支持する」と述べた。《中略》ヘーゲル氏は記者会見で「関連法案が成立すれば、地域や世界の安全に対する日本の貢献を高める、歴史的で画期的な決定となる」と述べた。日本の閣僚が閣議決定を米閣僚に直接説明するのは初めて。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での中国の挑発行為に関連し、ヘーゲル氏は尖閣諸島が日米安全保障条約の適用対象だと重ねて強調。北京での「米中戦略・経済対話」で、米政府が中国側に適用に関して通告したことを明らかにした。
藤原 やはり、安倍総理の毅然とした態度がアメリカをも突き動かしたんですね。すごい政治家だと思います。朝日新聞などの雑音に惑わされず、安倍総理の政治活動を正当に評価することが、日本国民のあるべき態度だということを痛感しました。
赤峰 それでは、最後に、当ブログが最も信頼する情報筋からのお話をいただきます。
・朝日に代表されるようなブラックジャーナリズムは、日本や日本国民にとって優れた活動をしている政治家を認めようとせず、瑣末な問題でのアラ探しばかりしています。
・自国の総理が世界の国々から正当な評価を受けていることは、国民にとっても喜ばしいことだと思います。
・朝日新聞社は、政治家を褒めることを悪いことのように錯覚をしています。
・悪口を書きならべ、人を貶めてほくそ笑む朝日の精神態度は、人間としては最も醜い姿です。
・しかし、朝日が何を書こうが、国民は確実に、真実を選択する視点を持ち始めています。
・その真実を見抜く目を養いながら、政治の趨勢をしっかりと眺めていただきたいと思います。
・今後も、マスコミの歪んだ報道に惑わされず、安倍総理の真価を見ていくことが大切だと思います。