今夜は二期会「R.シュトラウス 『平和の日』<日本初演/セミ・ステージ形式上演>」でオーチャードホール。
今朝まで何も知らなかったが二期会サイトにマエストロメルクルや小森輝彦さんの解説・トーク動画などがたくさんアップされていて、このオペラの辿った興味深い運命を知ることができた。
ある町が敵軍に包囲され、市民たちは殺人、飢え、略奪に苦しんでいる。市長は降伏を嘆願するが司令官は玉砕覚悟で戦うと拒否。結末は終戦の条約が結ばれて平和の日が来るというものだが。
そう私たちが今まさにウクライナで見ている現実がモチーフなのだ。
二期会が今シーズンのラインナップにこのようなプロジェクションを加えたことは驚きだが、そのことについてここでは語らない。
さて作品だが1幕80分と短くセミステージ形式で十分な気がした。
メインキャスト4人にはたっぷり聴かせどころもあり、とりわけフィナーレの重唱はすごかった。
清水さんも中村さんも良かったし、河野さんはさすがだったが、伊藤さんが一番よかった。
でも今夜の主役はマエストロメルクルの東フィルが奏でた全編80分の美しく官能的なR.シュトラウスの音楽だったろう。
交響曲2曲分の素晴らしいオーケストラ演奏だった。