聖金曜日はバッハコレギウムジャパン「マタイ受難曲」でオペラシティ。
2019年からBCJマタイを聴きはじめて5年目だが、最高に素晴らしかった。
これまでで最も演奏を楽しめた、マタイの世界に入りこめたという気がする。
昨年から連投のエヴァンゲリスト・トマス・ホッブスをはじめ、マーティン・ヘスラー、久保法之さん、松井亜希さん、加耒徹さんらのソロがみごとで聴かせてたし、児童合唱を加えた合唱も、いつもより大きな編成のオーケストラも最高のパフォーマンスだった。
私たちは熱狂していた。
それは間違いないのだが、今日のこの感動、高揚感には聴き手の私が5年目で成熟したこともあるだろう。
そして彼ら演奏者と私たち聴衆がともにコロナの恐怖から解放され、芸術への情熱、渇望を格段に高めていたこともあるに違いない。
マエストロの全身に迸る熱量はすごかった。だが私たち観客の熱気も負けていなかった。私たちの熱狂は彼らに影響を与え、それらが一体となって今日の熱い空間を形成したのだ。
世界最高峰のバッハ演奏団体によるこんなマタイを、私たちはまいとし聖金曜日に聴ける。なんて幸せなんだろう。