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今日は読響の「究極の協奏曲コンサート」で府中の森芸術劇場。
辻井伸行さんのチャイコフスキーと佐藤晴真さんのドヴォルザーク。指揮は秋山和慶マエストロ。
前半はドヴォコン。第1楽章がはじまってもこの作品はなかなかチェロ独奏が始まらない。
クラリネットもホルンもいい音を出してると思っていると、佐藤さんの弓がうねりはじめる。
チェロはCDでさえあまり聴いていないけど、中低音から高音までの幅広い音域と音色にはヴァイオリンでは得られない魅力がある。
YouTube で見たヨヨマは高音ポジションでの指さばきがすごいと思ったが、佐藤さんも難なくポジションどりをしているようにぼくには見えた。ミュンヘンで優勝したのだから技術力は相当なものなのだろう。
たがどうだろう。中低音の音色にもっと深みや厚み、色濃さがほしいと思ったのはぼくだけだったろうか。
この作品には、新世界や西部劇映画で聴いたような、馴染みのある旋律が何度も出てきて、郷愁とともに未来に向かう希望の光のようなものをぼくは感じる。
そうかと思うと、ダイナミックなリズムに変わり、躍動感に気が昂る。
高低や強弱やスピードの変化に引き込まれてのドラマティックなエンディング。素晴らしい。
後半のチャイコは何度となく、いろんなピアニストのCDを聴いてきた作品。生でも何十年も前に中村紘子さんを聴いた。そのコンチェルトで、初生となった辻井さんの印象。タッチが強い、音が大きい。すごい速弾きの技術。
CDではアルゲリッチとリヒテルが好きだったけどこの生演奏とは比べようがない。同じ作品とも思えない。
ぼくには技術的にあれこれ語ることはできないけど。
中低音部でのダイナミックな速弾きが何度もあったけど、追い詰められるようで。
かと思うと、一瞬にして柔らかで繊細な旋律に変わり、胸が締め付けられ。
今、ここで、聴いて受けているインパクトはリヒテルやアルゲリッチのCDを何度聴きかえしても得られない、と思った。
今日のこの2人の演奏は、ぼくの中にいつまで、どんなふうに残るのだろう。
そしてこの先も、2人の演奏をぼくは何度も聴くだろうが、どんなふうに印象が変わっていくのだろう。
そういう楽しみもできた日になった。
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