今日は新国立のフィレンツェの悲劇&ジャンニ・スキッキの千秋楽。前半は濃密なサスペンス、後半は心地良い喜劇、ともに始めて観るオペラでした。ヴェルディやプッチーニのドロドロドラマを観てきたぼくには、新鮮で、眠くなることもなく、ドラマの展開に引き込まれました。
有名なわたしのお父さん。こういう場面で歌われるものなのですね。許してくれなければ川に身を投げる、と。町イタ歌劇の柴田GMが、結婚式で歌うべき歌ではないんですよ、と言っていたことを思い出しました。砂川涼子さんが歌い終えると大歓声。
我らが村上俊明さんはヒゲを剃り、軽快に動き回って若いリヌッチョになりきってました。
終盤に2人で歌った二重唱は素晴らしく、劇場が湧きました。
タイトルロールのカルロス・アルバレスは日本でもお馴染みなのででしょう、一番の喝采で。
フィレンツェの悲劇は登場人物3人。朗々たるアリアがないのでか、ヴゼヴォロド・グリヴノフもセルゲイ・レイフェルクスも正直あまり印象は深まらず。しかし斎藤純子さんの美しい声、妖艶な姿と演技には魅せられました。
双方ともすごいアリアや大重唱に酔うっていうより、演劇を楽しむような感じもあり、十分楽しめました。
沼尻マエストロ率いる東フィルはドラマティックな演奏で素晴らしく。舞台装置、舞台美術は雰囲気あり。
日本のオペラってホントに素晴らしい。そう思えた一日でした。