Sing Listen Travel 〜歌って、聴いて、旅をして〜

リタイアしてから鬱憤を晴らすようにできなかったことをやってきた。でもマンネリ化してる。まだやり残してることをやろう。

今日は新国立オペラ。名将ベリーニの素晴らしいトスカだ。

2024-07-06 20:23:00 | 新国立劇場オペラ
今日は新国立オペラ「トスカ」初日でオペラパレス。
2021年と同じ演出アントネッロ・マダウ=ディアツのプロダクション。
指揮は名将マウリツィオ・ベニーニ。

名将ベリーニの素晴らしいトスカだった。
序曲出だしから東フィルはすごい音を出し。ドラマチックで、切なく、情感豊かだった。
2021年は、信じられないことにフランチェスコ・メーリが来てカヴァラドッシを演じた素晴らしい公演だったので、あれ以上のトスカを観れるのだろうか、という思いが実は開演前からあったのだが。
1幕二重唱「その瞳を開けて」の頃には、そのことは忘れていた。

タイトルのジョイス・エル=コーリー。声質声色はそんなに好みじゃないが声量豊かで情感たっぷり。何より美人で演技力があって素晴らしいトスカ。
テオドール・イリンカイはそれ以上で、アリアも重唱もすべて素晴らしく、なかでも3幕「星は光り」は最高。

青山貴さんは歌も演技も良かった。が、
正直いえば悪党感が足らない。“やらせろ、おれの女になれ“って迫るMETのギャグニッザなんかのスカルピアを見てるわたしには、もの足らなかった。

実演も、METやスカラ座の放送なども、幾つも観ていてるから、ストーリーも全部わかっているけど。
スカルピアを殺したトスカとカヴァラドッシが再会するシーンでは感極まった。そして処刑と自殺のクライマックス。胸が締めつられる。
ベリーニの音楽がこれでもかとわたしたちを追いつめての劇的なフィナーレ。

名将ベリーニがエンディング直後、そしてカーテンコールで、オーケストラ、歌手たち、合唱の三澤洋史さん、演出の田口道子さんを、何度も何度も讃えていたのが印象的だった。
名将にとっても満足いく内容だったに違いない。

このプロダクションは素晴らしい。豪華な舞台美術、スピーディかつ劇的な演出、最高の合唱団。世界最高レベルのオペラハウス。
こんなトスカは、ヨーロッパでもそうは観れないだろう。
新国立オペラ、やめられない。





















































コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。