今日は歌舞伎座。七月大歌舞伎は市川團十郎が13役を早替りする「星合世十三團」があるから当然昼の部。なにしろ團十郎5月の「極付幡随長兵衛」は素晴らしかったから。
この演目は市川海老蔵時代(2019年)に初演。今回5年ぶり、改装後の歌舞伎座では初の再演。
いやすごかった。
11時開演で15時30分終演。ワーグナーオペラなみの4時間半の壮大な物語。
オペラほどには歌舞伎を観ていないわたしが語るのはおこがましいが、歌舞伎の常識をを超えた歌舞伎だ。といってもけっして伝統芸能から逸脱した、奇をてらうようなものではない。
源平の時代に生きた人間たちの運命と修羅を描いた壮大な物語で。
最高傑作「義経千本桜」の見どころを凝縮しながら、その上で團十郎が13人を演じわけ、スーパー歌舞伎のような2度の宙乗り、大立ち回りなどダイナミックでモダンな演出なのだ。
13役とは、中納言の知盛、武蔵坊弁慶、悪党の主馬小金吾、鮨屋のいがみの権太、
狐の忠信などで多彩なキャラ。これを見事に演じ分ける素晴らしい技術、演技力。
衣装替え39回。舞台の至るところから姿を現し、鮮やかに演じた。演出もすごいが演じるのは神業だ。誰にでもできることではない。アスリート級のフィジカルをもつ13代目團十郎だからこそできるのだ。
これ以上いくら書いても今日の公演の素晴らしさは表現できないな。
とにかくすごい、素晴らしい、13代目市川團十郎❗️