Sing Listen Travel 〜歌って、聴いて、旅をして〜

リタイアしてから鬱憤を晴らすようにできなかったことをやってきた。でもマンネリ化してる。まだやり残してることをやろう。

新国立オペラ・フィガロの結婚 熱いものが込み上げてきた

2021-02-07 22:02:00 | 新国立劇場オペラ
今日は新国立オペラ・フィガロの結婚でオペラパレス。
なんでかなぁ。
泣くような芝居じゃないのに、幕が降りるまえのフィナーレの重唱で熱いものが込み上げてきた。
その重唱にいく前。
フィガロはスザンナに、声でわかる、間違うわけないよ、って。
夫人は許してくれという伯爵に、わたしは素直だから許してあげますわ、って。その辺りから、感情が昂っていた。

ソラーリはスコルピオよりずっと良かった。カッコいいからあんな悪役はあんまり向かない。
プリアンテは好色さもだしながら、品の良さを失わず、フィナーレの感動をよびこんだ。
2人とも歌も演技も文句なかったけど。
でもフィガロって公爵夫人とスザンナが主役なんだと思うようなパフォーマンスだった。
大隈さんの美しく響き渡る、情感あふれるアリアにぼくは身動ぎもできず。
様々な表情を見せるスザンナを臼木さんはイキイキと演じてぼくは目が離せなかった。

大好きな脇園さん。当たり役ロジーナとはまるで別人。牛若丸のような身のこなし、見事な歌と演技。カーテンコールでの拍手が一段と大きかったのはぼくと同じように感じたひとからだろう。

妻屋さんは堂々たるバルトロで存在感たっぷり。糸賀さんは素晴らしいテノールの声を楽しませてくれ。青地さんのバジリオも目を引いた。
新国立自慢の合唱団も含め、総じて日本勢のパフォーマンスが素晴らしく。
沼尻マエストロ率いる東京交響楽団はモーツァルトを堪能させてくれ。

それで、話を冒頭のところに戻す。
フィガロは艶話やコンゲームの面白いストーリー、聴きどころ満載のアリアと重唱で、終演後はとても幸せな気分になったものだ。
でも今日はちょっと違って、熱いものが込み上げてきた。
なんでかな。
いま、このコロナ禍で、こんな素晴らしいフィガロを観ていることに感動したのか。
カーテンコールで、歌手たちが、やったという喜びを溢れさせていたからか。
スザンナや伯爵夫人の愛に、グッときたからか。

























コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。