予定通り7時半にホテルを出てバルセロナに向かいました。天気はよく、陽射しが強い。車窓から見えるのは、ひたすらオリーブの木と葡萄の木と、小麦や向日葵の畑地です。走り始めて一時間もしたころ、今日は日曜日で道路が空いている、お昼前にバルセロナに入れそうだ、と添乗員さんがほっとしたように言いました。いよいよ最後のバルセロナ観光なので、かなり時間を気にしていたようです。こちらは気をもむこともなく窓外の風景を楽しんでいればいいのですから、ほんとツアーは楽です。それにしても今回の旅は連日好天気に恵まれありがたかった。
海辺のレストランに十二時前に着きました。地中海沿岸リゾート地は陽射しが強く、暑い。でも湿気がないのでカラッとしています。お店のウェイターはみんな服装が洒落ていて、仕草も垢抜けて見えます。田舎町からやってきた御上りさんのように、ぼくの視線に入ってくる風景はすべて眩しかった。
ワインが注がれてほどなくタパス料理がでてきます。どのタパスもとても美味しい。ムール貝までありました。あとで添乗員さんから聞いたところでは、ムール貝まででるのは珍しいそうです。
ランチのあとはコロニア・グエルの観光です。ガウディの造った有名な聖堂があるのです。何も事前知識はなかったのですが、「ガウディの生涯と建築作品」http://gaudi-architectural-work.com/という素晴らしいサイトを見つけて少し理解が深まりました。ここはエウセビ・グエルという実業家が繊維業を営む労働者たちのために造ったコロニー(共同体の意)なのです。グレルは1890年、サンツに所在していた繊維工場をここに移転します。当時バルセロナで勃発していた社会紛争から隔離するためでした。そして労働者が文化的に暮らせるように、教会、学校、医療機関など必要な施設を整備していきました。その一方でモダニズムを取り入れた建物も建築しようとし、1898年、聖堂建築をガウディに依頼したのです。
ガウディは意気に感じて早々に設計にとりかかったようです。しかし完璧なアーチ型を築くための模型実験を果てしなく続けたので着工までに10年を要し、また1914年にはサグラダ・ファミリア以外の仕事を全て断ったので、結局この聖堂は未完成でした。戦時中に破壊されたので、これらはその後に復元されたものです。