BBCでイギリス議会の模様を見ました。キャメロン首相は、自分の考えとは異なったが国民投票の結果は当然尊重するし、政府はその前提でEUとの関係が最良となるよう全力で取り組むという趣旨の答弁をしていました。たいへん立派な答弁でしたし、質疑模様を見て、質問する側の議員も含めた政治家の実力、見識の高さを痛感しました。しかしジョンソン議員とゴーブ司法相が欠席したのはいかがなものでしょう。
EUではメルケル、オランド、レンツィの三首脳が集まり意見調整をしたようですが、ニュースで見た記者会見では、オランドがイギリスにできるだけ早く離脱の交渉に入ることを求めると敢えて発言していたのが印象的でした。別のニュースでは、メルケルの方からキャメロンに電話をして話したこと、その際に離脱の通知までには諸々の検討が必要だというキャメロンの考えに理解を示したことが報じられていました。なぜオランドは急かしたいのでしょうか。ブレキジットを受け、ルペン党首率いる国民戦線が同じような国民投票の実施を要求したので、これを封じ込めるために、早く交渉を始めて交渉の場でイギリスを苦境に追い込もうとでも思っているのだとしたら感心できません。
一方でEU議長国オランダのルッテ首相は、イギリスには猶予を与えるのが賢明で、イギリスが金融面の立場を損えば、欧州全体に深刻な影響がでかねないとオランダ議会で述べたそうです。今はこういう見識ある発言が必要です。