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エマニュエル・トッドの言う保護主義への移行

2016-07-01 10:54:54 | World politics

 ヨーロッパを中心に起こっている様々な事象や問題から、世界経済、現代という時代、この先の日本や自分たちのことなどについて考えるようになっています。
 こういう思考のきかっけは昨年のギリシャ危機からでした。昨年のあの頃、私にはよくわかっていませんでしたが、問題の本質は今般のブレキジット「Brexit」と同じです。すなわちグローバリズムが先進諸国の経済や社会を破壊しつつあるという問題です。
 この問題意識から私はエマニュエル・トッドの「ドイツ帝国が世界を破滅させる」を手に取り、それを機にトッドの代表的な著作を読んでいます。
 その中の2008年に書いた「デモクラシー以後」で、トッドはヨーロッパは保護主義に移行しなければならないと書いています。要所をついているのでメモしておきます。

・ヨーロッパは保護主義に移行しなければならない。
・国境を開いている限り、給与は下がり、内需は縮小せざるをえない。
・非先進諸国の低賃金の圧力がとまれば、個人所得は上がり、国家の所得も増大する。
・それによりヨーロッパ規模で内需拡大が可能になる。
・これにより自由貿易のもたらした現在の悪夢、すなわち、外需の追求であり、際限のない給与の縮小、それらによる生産コストの低下、などから逃れることができきる。
・フランスがドイツを説得すれば、ヨーロッパを保護主義に移行させることができる。
・それができなければ、やがてフランスもイタリアもスペインもユーロ圏内に留まることができなくなり、ユーロ圏は崩壊するだろう。


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