No.23「上高地 2019年の秋」
頭のなかでは、いつも山に行くことを考えているのですが、日常にかまけてこれがなかなか実行できないのです。山の映像を頭の中に描くことで半ば満足していて、それだけでその先の行動になかなか移れない。気が付けば「あれっ、もう秋か」といった具合。
やっとの思いで腰を上げたのは10月に入ってから。この時期になると決まって思い浮かべるのは、北アルプスに入れ込むきっかけとなった、若かりし頃の、明神岳の目を疑うばかりの急峻な岩場の紅葉。写真雑誌で見ていたアルプスの秋とはこのことかと、感動しきりだったことを今でも鮮明に思い出します。
10月5日、背中にはカメラ、レンズなどごく限られたものだけ詰めて、あずさ号そして松電、アルピコバスと乗り継いで上高地入り。今日から1週間滞在のキャンプです。実はテントや食料、自宅菜園でとれた野菜など、生活必需品はすでに上高地入りしているのです。どういうことかというと、これは私のキャンプスタイルなのでして、あらかじめ、現地あるいは現地に一番近いある場所に必要な荷物一切を送り届けてしまう。きわめて空身で移動して現地で引き取る。そして帰りはその逆パターン、撤収した荷物を自宅宛て送り届けるという、怠けものの発想なのです。
滞在期間中、快晴もあれば雨の日もあり、大雨だったその日はバスで安房峠の立派なトンネルを抜けて平湯温泉まで約25分。どっぷりと奥飛騨の湯に浸かり好物の天ざるを奮発、幸せな気分になりました。ここまでくると、道路標識に「神岡」の文字がでてきます。神岡=ニュートリノ実験室、昨日か今日かKAGRAという実験装置のお披露目式典をやっているはずです。
快晴の日は、徳沢、新村橋を渡って奥又白沢出合、ニホンカモシカ、慶応尾根、梓川、🐵 良いに決まっています!
台風19号接近の情報。これはやばいと決断し、日程を繰り上げ10日の早朝に撤収、荷物を送りだしてそうそうに帰宅しました。
台風19号の仕業はTVの報道どおり,我が町水戸市内でも那珂川というアユの棲息する清流も濁流と化しました。仙台の南、我が旧友である山越君の住む丸森町も大変なことに。埼玉では、「フォト俳句」仲間の通称笑子さんの実家が床上浸水したと!
このブログを書いている今、上高地・アルプス山行がもうずっと前のことように思えてしまいます。
そして、心の中では次の山行のイメージがふつふつと湧いてきています。晩秋の一の倉沢、初冬の尾瀬が原、それとも
どこか陽だまりの低山を歩くかな...
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます