No,30尾瀬晩秋
2020年・令和2年という年は、早々のコロナ騒動から始まり、今もって、その脅威納まらず、収束の見通しすら見えてきません。山では、いや、山に限らず人家の多い農村部や町中でも “クマ” の出没が騒がれ、襲われたニュースが毎日のように報道されています。
10月13日から15日、秋の尾瀬を歩いてきました。不安定な天候の中、雲が低く立ち込めるも比較的明るく、時に太陽が顔を覗かせるまずまずの3日間でした。ここもいたるところに「クマ出没 注意」の表示が掲げられていました。聞くと、至仏山荘など小屋の直ぐそばまで、ためらいもなく寄ってくるそうです。
鈴と、以前スイス・ルツエルンの農機具屋で買った本物のカウベルと、ストラップに付けたホイッスルの三点セット、これが私のクマ対策! 行き交うハイカーがほとんどいない今年の尾瀬、登りで喘いでいるときには意識から離れているクマの幻影も、緩やかな歩きになると幻影があちこちに見え始め、周囲を見渡し、耳をそば立てつつ進むことに! クマか それとも この美しい自然か 結局は、自然に包まれた中に入る自分を選ぶことになるのです。クマとの共存です。
あと何回、この美しい自然に会いに来ることができるのか、
三平峠から大清水に下るなか、
これまで感じたこともなかったことが頭をよぎりました。