SARS-CoV-2のSpikeタンパク部分(S-2P)を標的にしたmRNAワクチンmRNA-1273(Moderna社)についてのPhase 1 trialの結果が報告されました。18歳から55歳の健常成人45人(大部分白人)に対して25, 100, 250 μgのワクチンを投与したところ、2度の投与で全例にウイルスの中和活性が認められた。一方で何らかの副作用も全例に見られたが全体としてはmild(とはいえ1例は39.7度の発熱あり。mRNAを投与することによる自然免疫反応でしょうか?)だったとのことで、全体としては期待が持てる結果かと思います。現在600人を対象としたPhase 2 trial(50 μg, 100 μg投与)が進行しており(ClinicalTrials.gov number, NCT04405076)、Phase 3 trial(100 μg投与)は今夏には開始できるのでは、とのことでワクチン開発としては異例ともいえるスピードです。ただしワクチン開発が失敗する一番の原因は適切な効果・安全性バランスを示す用量設定の失敗であり、まだまだ今後の道のりは長そうです(とはいえ私自身はmRNAとかDNAワクチンにはあまり期待していないのですが)。
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