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「私の本棚2018.12.25」

2019-05-06 18:39:32 | 経営コンサルタント

 

■         今日のおすすめ

 『「ITロードマップ2018年版」情報通信技術は5年後こう変わる!』

       (野村総合研究所 NRIセキュアテクノロジーズ著 東洋経済新聞社)

 

■         ITの動向に関心を持とう(はじめに)

 私事で恐縮ですが、最近、新聞・テレビ等を見て感じているのは、IT(情報技術)の進化に伴い、数年後には、ビジネス環境・生活環境が今より大きく変わっているのではとの思いです。過去の身近な例として、嘗ての固定電話の時代から、PHS、ガラ携帯、更にはスマートフォンへと世界的に変化していった事を挙げることができます。このような過去の変化は数え上げれば、きりが有りません。それと同じような変化がこれから起こってくるとの思いを強く持っています。

 そんな思いで、その変化を先読みし、対応していく必要が有るのではと思いの中で、紹介本に出合いました。紹介本は、2006年の初版から、毎年1冊、世界的なITの進化の状況と5年後の方向性を纏め、「ITロードマップ」として発刊しています。2019年版もあと数か月以内に発行されます(2018年版は3月22日に発行されています)。

 私はIT分野については余り得意ではありません。紹介本には専門用語が多く出てきて、読み進むには、理解できない専門用語を都度調べながらでしたので、苦労しました。しかし、そんな苦労をしながらでも、ITの進化に伴う世界的な社会の変化についての知見を持たなければ、これからの事業経営に係わっていく事は出来ない、との思いで完読しました。

紹介本を読み終えた効果もあってか、最近のITに係る新聞記事が掲載されていても

その背景を読み取ることが出来るようになりました。

 先日、「米国セールスフォースがアップルと提携」という記事が出ていました。(2018.10.4 日経朝刊。)セールスフォースは、世界で最初のエンタープライズ・チャットプラットホーム(次項で詳細を説明)「Chatter」を世に出した会社です。そこがアップルと提携する意味は、アップルの携帯端末(iOS端末)・チャット(Siri:Speech Interpretation and Recognition Interface。発話解析・認識インターフェース。)等との連携をすることで、セールスフォースのエンタープライズ・チャットプラットホーム・CRM(顧客情報管理)サービスの向上を図り、更にはセールスフォースの開発したAIアシスタンス「Salesforce Einstein」を活用した新たなサービスを提供できると考え、提携したことが理解できます。

 この様に、紹介本を読むことで、世界のIT状況が見えてきます。紹介本の内容は広く、全てをご紹介できませんが、次項で「5年後のIT関連の重要技術」をご紹介したいと思います。特に、経営に係る重要技術に重点を置いて、ご紹介します。

 

■         5年後のIT関連の重要技術

 紹介本で解説している「5年後の重要技術」は、『「人工知能(AI)」ディープラーニングによる自然言語処理の進化』『「AIアシスタントデバイス」普及が始まる音声対話型デバイスが実現する世界』『「エンタープライズ・チャットプラットホーム」ビジネスプラットフォームとしての可能性』『「VR(Virtual Reality:仮想現実)、AR(Augmented Reality:拡張現実) 』『「量子コンピューター」未知なる発見を実現する新型計算機の登場』の5つです。

 5つの分野は何らかの形で、企業経営に関係してきますが、それぞれをご説明するには字数の関係などもあり、詳細をご紹介するのは難しいので、ご興味をお持ちの方は、本書を手に取ってお読み頂ければと思います。本項では、前項でも挙げました「エンタープライズ・チャットプラットホーム」について記述してみたいと思います。

【今後の企業経営に関係の深い「エンタープライズ・チャットプラットフォーム」】

 「エンタープライズ・チャットプラットフォーム」の一番の特徴は、Eメールからチャットサービスへの変換により、社内コミュニュケーションの刷新と業務システムの向上による生産性の向上を狙っています。これが普及期に入るのは、2021年以降とされていますので、なかなかピンと来ないかもしれませんが、内容を簡単に追ってみましょう。

 Eメールによるコミュニュケーションは、個人の端末に頼る結果、情報共有が個人任せになり、加えて、共有(Cc)メールが情報の氾濫を起こし、連絡の見落としをカバーするため、貴重な時間を会議に使うことになります。これに対し、エンタープライズ・チャットプラットフォーム(社内でのEメールは廃止)の場合は、メッセージがサーバー上に集約されるため、過去のやり取りが履歴として残るほか、検索もできます。又プロジェクトメンバー間で会話するための「場」をチャットに設ければ、途中から参加したメンバーであっても必要な情報を自ら探し出すことが可能なのです。社内のコミュニュケーションにおいては、Eメールと比較して多くのメリットを有しています。

 次に、業務システムの向上による生産性の向上について見てみたいと思います。ベンダーによって、差はありますが、数年先に実現する姿を見てみたいと思います。複数の業務システムが、チャットプラットホームをユーザーインターフェースとして統合され、画面を切り替えることなくシームレスに作業できる、多くの他社のアプリケーションと連携しアプリストアから利用できる、カスタマイズは必要であるが業務プロセスの自動化が出来る、WEB会議機能は 自動録画機能・音声のテキスト化機能・議事録作成機能・ホワイトボード機能などが付いている、等々を上げる事が出来ます。まだ本格的に実用化していない(開発・改良)段階であり、今後の本格的な実用化をフォローしていく必要が有ろうかと思います。

 本格的に実用化された場合は、まずは、大企業が対象となると思いますが、費用対効果を考えた場合、中小企業でも導入できるシステムもあると思います。この点もフォローしていかねばならない大切なポイントと思います。

 十分な説明にはなりませんでしたが、大きな変化が、この先起こってくることは、ご理解いただけたのではないかと思います。

 

■         ITの進化の動向を知ろう(むすび)

 チャット(テキストチャット、ボイスチャット、ビデオチャット:SiriやCortanaやSkype等)を使っていますか。私はあまり使っていません。しかし、チャットプラットホームがユーザーインターフェースになって、エンタープライズ・チャットプラットフォームを作り上げていく世界、そんな時代が来るのです。

 ITによりビジネスの世界が大きく変わろうとしている今、時代に遅れないように、懸命にフォローして行かないといけませんね。

 

【酒井 闊プロフィール】

 

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。 

https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

http://sakai-gm.jp/index.html


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