経営コンサルタントの知見

経営に役立つ知見をgoo blogで

「私の本棚2019.1.22」

2019-05-06 18:42:02 | 経営コンサルタント

 

■         今日のおすすめ

 『「7つの習慣」会社、家庭、個人、人生のすべて・・・成功には原則があった!』

(スティーブン・R・コヴィー著 ジェームス・スキナー 川西茂 訳 キング・ベアー出版)

 

■         名著「7つの習慣」との出会い(はじめに)

 明けましておめでとうございます。新しい年の準備はできましたか。私は、2019年を迎えるに当たり、毎年使っている片面1週間計画のリファイル(refill;バインダー式差し替え手帳)に加え、何か面白い年間手帳は無いかと思い探していると、「7つの習慣入門手帳2019」に出会いました。その手帳のPR文言に、『全世界1,500万人が選んだ「人生を変える手帳」』『全世界3,000万部のベストセラー「7つの習慣」を実践できる手帳』と記されていました。

 実は、「7つの習慣」の上記(今日のおすすめ)初版本(1996年)が新品のまま私の本棚に積読で置いてあるのです。“7つの習慣”なんて、松下幸之助の‟感謝があれば10ヶ条”を実践しているので、読まなくてもいいなと思い、積読にしてしまったのです。

 しかし、全世界で3,000万部も読まれている、日本でも200万部読まれているそんな名著を積読にしておいたのは、コンサルタントとして恥ずかしいと思い、読むことにしました。もう皆さんは読んでおられるので、ご紹介するのは如何かと思いましたが、もしかしたら私と同じように読んでない方がおられるかもしれないと思い、紹介本として採り上げることにしました。尚2013年に『完訳 「7つの習慣」 人格主義の回復』(フランクリン・コビー・ジャパン翻訳、キング・ベアー出版)が出版されています。内容的にはほとんど変わりませんが、より著者の意図に忠実に翻訳をしようとの意図で、若干の修正が加えられています。

 話は少し飛びますが、改訂版の翻訳者のフランクリン・コビー・ジャパンの社名は、アメリカの建国の父と言われているベンジャミン・フランクリン関連の出版を手掛ける「フランクリン・クエスト社」とコヴィー博士が率いる「コヴィーリーダーシップセンター」が1997年に合併し、「フランクリン・コビー社」となったことに由来します。

 それでは本論に戻り、企業経営に、組織運営に、チームマネジメント等人生のあらゆる場面に有益な原則「7つの習慣」を次項でご紹介します。

 

■         知って得する「7つの習慣」

【「7つの習慣」を読み終えて深く印象に残ったこと】

 紹介本を読み終えて先ず感じたのは、マネジメントに係るノウハウやツールと言った知識・経験はそれなりに積み上げて来たという自負はありましたが、しかしそれらの土台となる「自己の確立(紹介本では“自立”)」という点に目が向いていなかったことです。「自己の確立」とは普遍的・永続的な価値を持つ原則(正義、公正、誠実、正直、人間の尊厳、忍耐、犠牲、勇気、思いやり、隣人愛等)に基づいた「ミッションステートメント(目的)」を持ち、その上で「反応的(主体的の対極にあるもの。アウトサイド・インに影響を受けて行動すること。)」ではなく「主体的(インサイド・アウトに良い影響を周囲に及ぼしていく事)」に行動できるパラダイムが身に付いていることです。

 更には、「リーダーシップとマネジメント」の意味を間違えていたことです。著者はピーター・ドラッカーの「マネジメントは物事を正しく行うことであり、リーダーシップは正しい事をすることである」を引用し、『「リーダーシップ」は何を達成したいのかという問いに答えようとするもの(目標を探求すること)であり、「マネジメント」はどうすれば目標を能率よく達成できるかという手段に集中することである』と説き、「リーダーシップ」の重要性を強調します。昨年の11月に発覚した日産のゴーン会長の不正事件も、『リーダーシップ(永続的な価値を持つ原則による「自己の確立」)』のパラダイムがどこかで崩れ、「マネジメント」もそれに伴い迷走して行ったのでしょう。「7つの習慣」の大切さを、改めて痛感する事件でした。

 この他にも紹介本を読み終え、ショックを受けた事は多くあります。しかしこの強烈なショックにより、私自身の考えを改め、或いは、新しくパラダイムを作り替えることを始める事が出来たのも、この強烈なショックのおかげと思い、紹介本「7つの習慣」との出会いを感謝しています。この様に、新たな経験を変革・実践に移していく事こそ『「第7の習慣」“刃を研ぐ(再新再生;定期的に、賢明に、バランスよく磨き、そして、向上させること)”』に該当することなのだと気付いているところです。

【自己を確立する3つの習慣「主体性を発揮する」「目的をもって始める」「重要事項を優先する】

 『第一の習慣「主体性を発揮する」』『第二の習慣「目的を持って始める」』については、上述の私の“ショック”経験談から理解していただけると思います。勿論、色々な新たな発見が他にもあると思います。詳細は紹介本を手に取ってみてください。『第三の習慣「重要事項を優先する」』にも新たな発見が多くあります。私が実践を始めた事をお話ししましょう。紹介本には、「何をするにも健康が基本である」という前提で、一日30分の運動を、「重要優先事項」に入れることを勧めています。今日は時間がないから等の理由で意外と後回しにすることが多いのではないでしょうか。『1年8,765時間の内183時間を運動に投入することで、残りの8,577時間の健康が守られるのだから「重要優先事項」入れるのが合理的だ』と説くのです。これを読んだ時から、私は、1日30分のノルディック・ウォーキング実践をしています。

【人間関係の信頼とシナジーを高める3つの習慣「WinWinを考える」「理解してから理解する」「相乗効果を発揮する」】

 ここからは「相互依存関係」の習慣に入って行きます。『第4の習慣「WinWinを考える」』『第5の習慣「理解してから理解する」』『第6の習慣「相乗効果を発揮する」』の後半3つの習慣については、第4、第5の習慣を実践することで、シナジー効果が生まれてくる事は、皆様の頭にすんなりと落ちていく事でしょう。只、ここで紹介本は、生ずるシナジーの効果性は、「自己の確立」の良否によって大きく異なってくることを指摘しています。これは紹介本の重要な部分です。

【第7の習慣は、既述の6つの習慣に磨きをかける「刃を研ぐ」】

 この部分は、上述の私の“ショック”経験談から推測していただけることですので省略します。詳細は紹介本を手に取ってみてください。

 

■         新たな創造的な展開を可能にする「7つの習慣」(むすび)

 紹介本を読んで痛感したのは、経営者・経営に係る私たちの多くが学んでいることの多くは、“ツール”と言われる類なのかと思ってしまうぐらい、リーダーシップとマネジメントに於いて、人の心の内面の重要性を教えられました。

 紹介本「7つの習慣」を是非読んでください。そこには新しい発見があり、それを実践に移すことで、今まで上手くいかなかったことに、新しい道が開けてきます。又、今まで実現できなかった創造的なビジネスが生まれてきます。

 紹介本「7つの習慣」との「良い出会い」を見出す事が出来るでしょう。

 

【酒井 闊プロフィール】

 

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。 

https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

http://sakai-gm.jp/index.html

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「私の本棚2018.12.25」

2019-05-06 18:39:32 | 経営コンサルタント

 

■         今日のおすすめ

 『「ITロードマップ2018年版」情報通信技術は5年後こう変わる!』

       (野村総合研究所 NRIセキュアテクノロジーズ著 東洋経済新聞社)

 

■         ITの動向に関心を持とう(はじめに)

 私事で恐縮ですが、最近、新聞・テレビ等を見て感じているのは、IT(情報技術)の進化に伴い、数年後には、ビジネス環境・生活環境が今より大きく変わっているのではとの思いです。過去の身近な例として、嘗ての固定電話の時代から、PHS、ガラ携帯、更にはスマートフォンへと世界的に変化していった事を挙げることができます。このような過去の変化は数え上げれば、きりが有りません。それと同じような変化がこれから起こってくるとの思いを強く持っています。

 そんな思いで、その変化を先読みし、対応していく必要が有るのではと思いの中で、紹介本に出合いました。紹介本は、2006年の初版から、毎年1冊、世界的なITの進化の状況と5年後の方向性を纏め、「ITロードマップ」として発刊しています。2019年版もあと数か月以内に発行されます(2018年版は3月22日に発行されています)。

 私はIT分野については余り得意ではありません。紹介本には専門用語が多く出てきて、読み進むには、理解できない専門用語を都度調べながらでしたので、苦労しました。しかし、そんな苦労をしながらでも、ITの進化に伴う世界的な社会の変化についての知見を持たなければ、これからの事業経営に係わっていく事は出来ない、との思いで完読しました。

紹介本を読み終えた効果もあってか、最近のITに係る新聞記事が掲載されていても

その背景を読み取ることが出来るようになりました。

 先日、「米国セールスフォースがアップルと提携」という記事が出ていました。(2018.10.4 日経朝刊。)セールスフォースは、世界で最初のエンタープライズ・チャットプラットホーム(次項で詳細を説明)「Chatter」を世に出した会社です。そこがアップルと提携する意味は、アップルの携帯端末(iOS端末)・チャット(Siri:Speech Interpretation and Recognition Interface。発話解析・認識インターフェース。)等との連携をすることで、セールスフォースのエンタープライズ・チャットプラットホーム・CRM(顧客情報管理)サービスの向上を図り、更にはセールスフォースの開発したAIアシスタンス「Salesforce Einstein」を活用した新たなサービスを提供できると考え、提携したことが理解できます。

 この様に、紹介本を読むことで、世界のIT状況が見えてきます。紹介本の内容は広く、全てをご紹介できませんが、次項で「5年後のIT関連の重要技術」をご紹介したいと思います。特に、経営に係る重要技術に重点を置いて、ご紹介します。

 

■         5年後のIT関連の重要技術

 紹介本で解説している「5年後の重要技術」は、『「人工知能(AI)」ディープラーニングによる自然言語処理の進化』『「AIアシスタントデバイス」普及が始まる音声対話型デバイスが実現する世界』『「エンタープライズ・チャットプラットホーム」ビジネスプラットフォームとしての可能性』『「VR(Virtual Reality:仮想現実)、AR(Augmented Reality:拡張現実) 』『「量子コンピューター」未知なる発見を実現する新型計算機の登場』の5つです。

 5つの分野は何らかの形で、企業経営に関係してきますが、それぞれをご説明するには字数の関係などもあり、詳細をご紹介するのは難しいので、ご興味をお持ちの方は、本書を手に取ってお読み頂ければと思います。本項では、前項でも挙げました「エンタープライズ・チャットプラットホーム」について記述してみたいと思います。

【今後の企業経営に関係の深い「エンタープライズ・チャットプラットフォーム」】

 「エンタープライズ・チャットプラットフォーム」の一番の特徴は、Eメールからチャットサービスへの変換により、社内コミュニュケーションの刷新と業務システムの向上による生産性の向上を狙っています。これが普及期に入るのは、2021年以降とされていますので、なかなかピンと来ないかもしれませんが、内容を簡単に追ってみましょう。

 Eメールによるコミュニュケーションは、個人の端末に頼る結果、情報共有が個人任せになり、加えて、共有(Cc)メールが情報の氾濫を起こし、連絡の見落としをカバーするため、貴重な時間を会議に使うことになります。これに対し、エンタープライズ・チャットプラットフォーム(社内でのEメールは廃止)の場合は、メッセージがサーバー上に集約されるため、過去のやり取りが履歴として残るほか、検索もできます。又プロジェクトメンバー間で会話するための「場」をチャットに設ければ、途中から参加したメンバーであっても必要な情報を自ら探し出すことが可能なのです。社内のコミュニュケーションにおいては、Eメールと比較して多くのメリットを有しています。

 次に、業務システムの向上による生産性の向上について見てみたいと思います。ベンダーによって、差はありますが、数年先に実現する姿を見てみたいと思います。複数の業務システムが、チャットプラットホームをユーザーインターフェースとして統合され、画面を切り替えることなくシームレスに作業できる、多くの他社のアプリケーションと連携しアプリストアから利用できる、カスタマイズは必要であるが業務プロセスの自動化が出来る、WEB会議機能は 自動録画機能・音声のテキスト化機能・議事録作成機能・ホワイトボード機能などが付いている、等々を上げる事が出来ます。まだ本格的に実用化していない(開発・改良)段階であり、今後の本格的な実用化をフォローしていく必要が有ろうかと思います。

 本格的に実用化された場合は、まずは、大企業が対象となると思いますが、費用対効果を考えた場合、中小企業でも導入できるシステムもあると思います。この点もフォローしていかねばならない大切なポイントと思います。

 十分な説明にはなりませんでしたが、大きな変化が、この先起こってくることは、ご理解いただけたのではないかと思います。

 

■         ITの進化の動向を知ろう(むすび)

 チャット(テキストチャット、ボイスチャット、ビデオチャット:SiriやCortanaやSkype等)を使っていますか。私はあまり使っていません。しかし、チャットプラットホームがユーザーインターフェースになって、エンタープライズ・チャットプラットフォームを作り上げていく世界、そんな時代が来るのです。

 ITによりビジネスの世界が大きく変わろうとしている今、時代に遅れないように、懸命にフォローして行かないといけませんね。

 

【酒井 闊プロフィール】

 

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。 

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「私の本棚2018.11.27」

2019-05-06 18:37:24 | 経営コンサルタント

 

■         今日のおすすめ

 『「はじめての人工知能」Excelで体験しながら学ぶAI』(浅井 登著 翔泳社)

 

■         「AI」を体験してみたいと思った背景(はじめに)

 本題に入る前に、「AI(Artificial Intelligence)」について、簡単にその概念と歴史を考えてみたいと思います。人工知能学会や総務省の情報通信白書では、「AI」を「『知的な機械、特に、知的なコンピュータープログラムを作る科学と技術』と一般的な説明にとどめる」と説明しており、明確な定義はないとしており、ある意味では、「AI」は幅広い分野で活用されるものと言って良いと思います。

 また歴史的に見ると、「AI」の最初のブームは1950年代後半から1970年代前半にかけてでした。しかし当時のコンピューターの性能が低く、下火になってしまいました。2回目のブームは1980年代と言われています。エキスパートシステム(特定の分野に限った問題解決を図ろうとするもの)が世界中の企業で流行しました。しかし必要な情報は人間が入力する必要があり、1995年頃には下火になってしまいました。3回目のブームは、2012年6月にグーグルが発表した、深層学習(機械学習の一つ)による猫認識(深層学習によって抽出された特徴要因に猫という概念を与え、次に新しい猫の画像を、You Tubeのビデオにより、1週間与えたところ、猫の特殊要因を自動で抽出して、猫と判別した)をきっかけとして、ブームが訪れたと言われています。日本でも2016年頃から、企業でのAIの導入が進み始めたとされています。

 さて、本題に入ります。私が、「AI」の技術的な仕組みを体験してみたいと思ったのは、或る刺激的なニュースがきっかけでした。それは、JALが「レベニューマネジメントシステム(予約状況などに応じてチケットの価格を変えるシステム)」を、50年使い続けた、社員の経験に頼る、旧システムから、スペインに本社を置きヨーロッパを主に世界中に拠点を持つ旅行・観光業向けIT企業アマデウス社製のAIシステム「アルデア」の導入に踏み切り(2017年11月)、大幅な収益改善を図ったことです。800億円の投資でしたが、2019年3月期には減価償却費(5年)を差し引いても利益が増加する状況、つまり、年間160億円以上の利益の増強が図れたことになります。(国際線の輸送能力+7%に対し、座席利用数は+9%、単価上昇は+2%という成果を2018年4-6月期決算〈前年比〉で出したのです。)(2018年9月1日 日本経済新聞朝刊より)

 このニュースは象徴的な事柄として理解すべきではないかというのが私の考えです。日本経済新聞(2018年7月16日 朝刊)「経営の視点」欄で、「AI時代の事業変革」と題して編集委員の関口氏がこう語っています。「経営におけるAIの活用とは情報システム部門の問題ではなく、経営者自らが過去の作法を改めタブーに挑戦することから始まる」と。

 これから、「AIは未だ勃興期」の時代から「AIによる事業変革期」に向かっていくのではないかとの時代背景が、私をして、「AIの技術・仕組みを知りたい」「AIを体験してみたい」との思いに至らせたのでした。

 こうして見つけ出したのが紹介本です。次項で紹介本の内容を簡単にご説明します。

 

■         紹介本により「AI」を体験する

 AIについて、私達(除く専門家)は、AI機器に入力(AI機器に向かって一定の動作をする)し、AI機器から出力(入力に対応する結果)をAI機器から得ている事象については、展示場(東京ビッグサイト等)やテレビや新聞を通じて多くの情報を得ています。

 しかし、入力と出力の間の技術的プロセス・仕組み(専門用語では「想起」という)については全く理解できていないのではないでしょうか。

 この「想起」について「体験」させてくれるのが紹介本です。紹介本で体験できるのは、AI全体の中で考えれば、入り口の入り口です。「体験」できるレベルも、紹介本を読む人の高等数学(微分・積分、関数、行列、ベクトルなど)やExcelおよびVBA(Visual Basic for Application)言語によるプログラミング等の習熟度によって、様々と思います。しかし確実に言えることは、「暗闇に光がさす」ことは間違いないでしょう。

 紹介本によれば、AIの研究テーマは、人工知能学会の学会誌に発表されたテーマでは42テーマ有り(2001年~2015年の15年間)、紹介本に記載されています。

 紹介本で「体験」できるのは、次の、42テーマの中の7テーマと42テーマには含まれていない2テーマです。42テーマに含まれる、「ニューラルネットワーク」「ファジィ」「遺伝的アルゴリズム」「探索法」「ゲーム理論」「機械学習」「エージェント」の7つと、それ以外の、「問題解決」「エキスパートシステム」の2つです。各々のテーマの内容については、字数の関係などもあり、省略させて頂きます。

 話は前後しますが、紹介本で「想起」を「体験」できるという事はどういう事かと言いますと、それぞれのテーマについて、「入力」「想起」「出力」を、読者のPC上で実習できる「Excelサンプル・プログラム」を、紹介本指定のURLからダウンロードし、読者のPC上で「Excelサンプル・プログラム」動かしながら、併行的に紹介本を読み、入門的なAIの知識を「体験」することができるのです。

 ご興味のある方は、是非、紹介本とダウンロードした「Excelサンプル・プログラム」と向かい合って下さい。

 

■         「AI」を「体験」する意義(むすび)

 前項で申し上げましたが、AIを「体験」することは、「暗闇に光がさす」という表現を使わせて頂きましたが、AIがこれからの事業変革の一つのテーマとなっていく時代において、経営者、あるいは経営に係る人々にとって必要なことと思います。「体験」「暗闇に光がさす」ことで、自社或いは外部のAIのSE等の専門家とコミュニケーションをとれるようになります。この事は、自社のAIによる事業変革を成功に導く大きな要因になるのではないでしょうか。

 

【酒井 闊プロフィール】

 

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。 

https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

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「私の本棚2018.10.23」

2019-05-06 18:34:39 | 経営コンサルタント

 

■         今日のおすすめ

 『7つの基本で身に付く「エクセル時短術」』

                (一木 伸夫著 日本経済新聞出版社 日経文庫ビジュアル)

 

■         「Excelの基本」を学ぶ意義はここにある(はじめに)

 著者は紹介本の「まえがき」で次のように語っています。『OECDの調査によると、ビジネスパーソンに求められる能力は、「読解力」「数的思考力」「ITを活用した問題解決能力」の3つです。日本は「読解力」「数的思考力」はトップという調査結果が出ています。しかし「ITを活用した問題解決能力」は調査対象国の中で中位です。

 つまりIT教育だけを見ると日本は確実に世界の三流国です。IT教育というと「プログラミング」を連想する人が多いと思いますが、教室で特定のプログラミング言語だけを習っても、「ITを活用した問題解決能力」が身に付くとは限りません。むしろ日常的に使っているエクセルをきちっと学び、ビジネスの現場で、自分の頭で考えて活用することが近道です。加えて独学で学んだ曖昧な理解ではなく、基本の「型」を身に付け、その上で自分なりの展開をしていく事が大切です。「形なし」ではなく「型破り」が大切です。「子供たちがこの国に生まれ教育を受けたことを誇れる国にする」そんな思いでこの本を執筆しました』と。

 20年近く公認会計士として、監査、会計プログラミング、業務改善コンサルタントに関わってきた著者の思いを重く受け止め、改めてExcelを学ぶことの大切さを痛感した次第です。

 そんな思いで、本著を紹介することにしました。9月に続き、又Excelかと思われる方もおられると思いますが、今月の紹介本は、著者が“これを知らない人は『「型」なし』と思ってください”という厳しい指摘をしている著書です。『「型」なし』ではなく『「型」破り(「型」を身に付け更にその上を行く)』になるスタート台として、紹介本を是非読んで頂きたいと思います。

 『「型」破り』のスタート台となれる幾つかのExcelの基本を、次項でご紹介したいと思います。

 

■         これだけは知っておきたいExcelの基本

【仕事でPCを使うときはマウスを使わない】

(覚えるえるべきショートカットキー)

 紹介本には33個の「覚えるべきショートカットキー」が掲載されています。「Alt+Enter」はご存知ですよね。「セル内改行」ですね。「Ctrl+A」は「全て選択」です。この操作をして「Delete」キーを押すとすべて削除されます。マウスを使う場合は、右クリックでスライドし「範囲を選ぶ」⇒「Delete」キーを押すで、同様の機能を果たせますが、範囲が広かったりすると、ショートカットキーが便利ですね。Excelから離れますが、ノートPCを数日間使わないで、1,000個ぐらい貯まったOutlookの不要メール(デスクトップPCとダブる)もこの「Ctrl+A」を使うと、一発ですべてを削除できます。話はExcelに戻りますが、この後に出てくるExcelで重要な機能をもつ「絶対参照・複合参照・相対参照」の切り替えは、「F4」キーを操作して行います。絶対参照記号の「$」を都度入力していると時間が掛ります。「習って慣れる」しかありませんが、時短術の一環として是非覚えて下さい。

【絶対参照と相対参照】

 Excelでたった一つの数式で九九の表を作ってみましょう。A列のA2セル~A10セルに数字の1~9を入力してください。1行のB1セル~J1セルに数字の1~9を入力してください。B2からJ10までの範囲が九九表になります。B2セルに数式を入れ、コピペすれば出来上がります。どんな数式を入れたら良いでしょう。「=A2*B1」「=$A2*B$1」どちらが正解ですか。「=$A2*B$1」が正解です。$A2の意味は、「1~9の数字が入っているA列は固定したいが、行は固定したくない」を表します。B$1の意味は、「1~9の数字が入っている1行目は固定したいが、列は固定したくない」を表します。$が付いたものを絶対参照と言います。列だけの絶対参照と行だけの絶対参照を組み合わせると、一つの数式で九九表が出来上がります。

 先に記した「F4」キーを押しますと、都度「$A$2」「A$2」「$A2」「A2」と変わっていきます。それぞれを「絶対参照」「複合参照」「複合参照」「相対参照」と呼びます。九九表の場合と多少違った言葉使いをしています。適宜・臨機応変に解釈する必要があります。

 いずれにしても、「絶対参照」「相対参照」の概念は、正確な作表をする上で重要な概念です。紹介本などを使い、自ら演習して使い慣れましょう。

【非常に強力な集計ツール「ピポットテーブルの基本」】

 「ピポットテーブル」は知らない人が結構いますが、とても便利な集計機能ですので、初めての人は是非覚えて下さい。

 紹介本の例は、「3か月間の年月日別・支店別・担当者別の売上集計データー」があり、これで、「縦軸に支店・横軸に月」の合計表を作成します。

 簡単な手順で出来上がります。①集計データーの範囲選択をする⇒②挿入タブを開き「ピポットテーブル」クリックする⇒③「ピポットテーブルの作成」作業シートが出てくる⇒④範囲選択を確認し、ピポットテーブルを作成するシートの場所(同一シート上か、新たなシート上か)を選択し「OK」をクリック⇒⑤「ピポットテーブルのフィールド」画面が出てくる。画面にタイトル(年月日、担当者、支店、売上)が出てくるので、作成する合計表に合せ、担当者を除く3つにチェックを入れ、その上で、タイトルを、行、列、Σ値欄にドラッグ&ドロップを行います。これで基本表が出来上がりました。後は、年月日を月別にグループ化するなどの作業をして完成です。詳細は紹介本をお読みください。

 以上「7つの基本」のうち、3つをご紹介しました。残りの4つの基本も大切な基本ですので、紹介本を手に取って、「時短術」を身に付けてください。

 

■         Excel時短術が生み出すもの(むすび)

 スプレッドシート(表計算ソフト)の代表格であるExcelは、表計算ソフトとしては、一番多く使われているのではないでしょうか。Excelを自分で使う場合、或いは、クライアントの使っている現場を見て、「時間のムダ」を、紹介本により身につけた「型」を活用して、解消する事が出来るのではないでしょうか。

最近では、WEBを使った「資料を共有して同時作業を可能にする」メリットを生かそうと、Googleスプレッドシートも良く使われるようになりました。そんな時も、紹介本の「型」を身に付けておけば、Googleスプレッドシートの関数の応用・活用に繋がり、「時間のムダ」を解消することが出来るのではないでしょうか。

 

【酒井 闊プロフィール】

 

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

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「私の本棚2018.9.25」

2019-05-06 18:26:26 | 経営コンサルタント

 

■         今日のおすすめ

 『ビジネスExcel完全版』(日経PC21総力編集 日経BP社)

 

■         ビジネスに必要なExcel(はじめに)

 皆様は、Excelは得意ですか。私はどちらかというと当面の必要な知識は持っているものの、深い知識は不十分です。いつもExcel知識の必要性を感じていました。「これは身に着けよう」と思い十数冊の雑誌や単行本を買いましたが、目の前の仕事に追われ積読の状態です。

 しかしそうも言っておれなくなって来ました。AIを理解するにはExcelのイメージが必要と言われていますし、働き方改革ではありませんが、仕事の生産性を上げるには、Excelによる作業効率の向上が必要と言われています。

 そんな中で、紹介本と出合いました。紹介本は皆様もご存知の日経BP社が発行している雑誌「日経PC21」の過去に発行したものを総まとめにして、単行本にしたものです。「日経PC21」は創刊してから35年余りになります。その間に積み上げた情報・知見を纏めて一つにした紹介本は、それなりに価値があると思い皆様にご紹介することにしました。勿論これで十分とは言えません。足りない部分を他の本でカバーして行こうと思っています。

 紹介本は、「入門Excel」「操作」「関数」「文書・作図」「プログラミング(マクロ、VBA)」の5つの分野に分けて編纂されています。また、演習用のサンプルファイルがダウンロードできますので体で覚えることができます。更には180度開きの本で、ブックホルダーで押さえておく必要もなく読みやすく、演習し易い特徴を持っています。

 それでは「入門Excel」「操作」「関数」「文書・作図」「プログラミング(マクロ、VBA)」の分野別に分けて、“知って得する”情報を記してみたいと思います。 

 

■         Excelのこんな機能知っていますか

【知って得する「入門Excel」】

 知恵はあちこちに転がっています。「入門」と言って馬鹿にすると、せっかく取得できた知恵が通り過ぎていきます。Excelを開くと、画面の右上に「クイックアクセスツールバー」が有ります。▾の上に▬のあるマークが出てきます。これをクリックすると「ツールバー設定画面」(作業シート)が出てきます。この中から必要な機能をチェックすると「クイックアクセスツールバー」に表示されます。更に「ツールバー画面」の〈その他のコマンド〉を選び「セルの書式設定」も表示できます。この部分はマウスを使って、「ファイル」タブ⇒「オプション」⇒「リボンのユーザー設定」⇒「セルの書式設定」でも出来ます。こうして「クイックアクセスツールバー」に表示された機能を使うと、マウスでやる場合に比し作業量は二分の一になります。積み重ねると大きいですよ。

【正確に「操作」を知って正確性・生産性を上げよう(習って慣れる)】

≪「今日の日付」の入力≫

 今日の日付は、『「Ctrl」+「;」キー』でセルに今日の日付が入ります。「数式バー」に、関数の「=TODAY()」を入れても今日の日付は入りますが、この場合は画面を開く都度開いた日の日付に更新されますから、用途によって使い分けが必要なことを頭に入れて、使い分ける必要があります。手入力する場合と比べてどうでしょう。2018/9/25と比べると三分の一で済みますね。 

≪登録した「リスト」から選んで「セル」に入力≫

ワークシート上の「入力する列をドラッグ」⇒「データ」タブ⇒リボンから「データ入力規制」をクリック⇒「データ入力規制画面」を開く⇒「入力値の種類(A):」から「リスト」を選択⇒同画面の「元の値(S):」欄に入力したい文字群を半角カンマで区切って入力する(例;初級,中級,上級)⇒ワークシートのドラッグした列の中の入力セルをクリック⇒入力セルの右にマーク(の中に)が表示されます。そのマークをクリックすると、先に登録した、「入力したい文字群」が表示され、入力したい値を選んでクリックすると、クリックした値がセルに入力されます。

 このようにすると、セルに手入力する場合と比べ、上記のステップを最初に設定・登録しておくと作業量は大きく減少します。生産性が大きく上がります。

 上述したような、生産性向上ツールが紹介本には多く記載されています。経営者・管理者の皆さん、貴社のExcelの作業は効率的ですか。「現場」「現実」を検証しましょう。

【作業の効率化に使える「Excel関数」】

 紹介本では、約480ある関数から、「上位2割の関数で8割の仕事がこなせる」というパレートの法則の考えで、60個を厳選し、機能・使い方等実際に演習できる形で説明しています。専門的な関数(標準偏差、相関関数等)は『「Excel関数」プロ技セレクション(井上 香緒里著 技術評論社)』等をExcel関数の辞書代わりに使い乍ら必要の都度、目的から関数を探し、「習い慣れていく」と良いと思います。

 著者は、紹介本に出ている、業務と関連性の高い60個の厳選関数を使っただけで、作業量は十分の一に減ると記しています。紹介本に目を通して頂き、社内の業務の生産性向上のきっかけを探しませんか。

【知っておくと綺麗にできる「文書・作図」】

 同じグラフなら、綺麗で見栄えのする円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフが良いですよね。そんなグラフの作り方、調整の仕方が書かれています。こんなに多くのリボンや書式設定が有るのを知りませんでした。「宝の持ち腐れ」でした。

【初めて知るExcelの「プログラミング」機能】              

 ExcelにはVBA(Visual Basic for Application)というプログラミング言語を使い、Excelでプログラミングができる機能を持っています。VBE(Visual Basic Editor)という画面にプログラムを記述していきます。主にはExcelをコントロールするのに使います。これも覚えておくと作業の効率化を図れます。一例として『Excelの「請求先一覧」を1枚ごとの「請求書」に作り一括印刷する、差し込み印刷プログラム』が記述されています。とても便利な機能です。この様なプログラミング関数は、現在発行されている『Excel VBA ハンドブック(「似た題名」で各社から発行されている)』には、600~700個のプログラミング関数が紹介されています。目的に応じて『ハンドブック』から逆引きして使用することで、簡単に使えます。日常的作業を効率化できるツールです。

 

■         ビジネスにおけるExcelの価値を見直そう(むすび)

 紹介本を読んで痛感しているのは、Excelの機能の深さです。一気にマスターするのは難しいですが、「習い慣れて」行きたいと思っています。

 Excelに関する知見は、最初に述べましたように、その必要性は無視できない環境になって来ていることは間違いありません。

 経営に係る皆様に同じ認識を持って頂けたらと思っています。

 

【酒井 闊プロフィール】

 

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

http://sakai-gm.jp/index.html

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