私とは何か?と問うことに気付いている「私」とは何か?

私とは何か?意識の起源とは何か?悟りとは何か?般若心経とは何か?これらの問いの答えを考える。

縁起縁滅の法をふまえて悟りの境地を考察する

2019年02月17日 | 意識と悟りの構造

こんにちは、領です。

縁起縁滅の法の理解を深めて生きたいと思います。四つほどポイントとなると思います。
一つ目は、「悟りは人間の求めるべき究極の目的である」という思考は、絶対の思考ではないことです。
二つ目は、悟りの境地に「誰が、いつ」という思考は持ち込めないと言うことです。
三つ目は、悟りは、業の解消の一点であって、悟ったままの人間として存在することはできません。
四つ目は、解脱という救いは存在しないということです。

縁起縁滅とは、物理学が扱う「万物の方程式」そのもののことです。
縁起縁滅とは、現在過去未来、存在する全時空が相依相関して存在するということです。ある地点の状態が、全時空の成立に関係しているということです。無次元の点から方程式に従って全時空が「今」存在します。
この世は、方程式に従って「点」の関係性の可能性が尽くされて存在します。

これは、自由意志が存在しないということです。自由意志が存在するという思考と自己責任という思考は存在します。全てが相依相関して存在するということは、単純に人間の思考は閾値をやりとりする関係と考えることができます。「神は存在する/神は存在しない」これらの神の概念の場においてどのように思考するかは方程式に従います。人間が何を思考するのかは、全時空の人間の思考と相依相関して存在するということです。
生まれてから、出会った他者に影響されて個人の考えができるというレベルだけではなく物理的に全時空が、個人の考えに関係しています。
独立自存の、絶対に正しい思考は存在しません。

波と波が干渉して高さゼロの位置が決まっているように悟りという事態は、時空上に法則性を持って存在するだけということになります。

縁起縁滅の観点から悟りの境地を考えると、個人の努力によって悟るわけではないということです。五蘊が展開している位置が存在し、五蘊が滅する位置が存在します。
「悟りは人間の求めるべき究極の境地」と他者に言うことは、顛倒した思考になります。
しかし、何らかの思考に「顛倒した思考」と投げかけること自体が顛倒した思考になります。
「悟りの概念の場」において「悟るべき」という思考が存在しそれを離れる思考が存在し片方だけでは、存在できない構造になります。縁起縁滅する思考に優劣真偽は、確定しません。
「悟りは人間の究極の目的であり、絶対の真理に達する」という思考も、仏教で言うところの虚妄の一つとなります。
悟った記憶を持った存在状態であって、仮我を用い煩悩を持ち、縁起縁起縁滅の法のシステムの外にはいません。「悟った」人が語る話においても、絶対の真理は存在しません。

悟りは個人のものとしていた仮我が消滅し、対峙する世界も消滅する、業の解消の一点です。そこに時空は存在しません。つまり、この世の一切の消滅とは無次元の点の状態です。
「私が存在し観ている」という自己感は、最高次の概念であるため、無次元の点に割り当てられています。悟りは、自己感そのものになる体験です。映像を圧縮するイメージと同じで、自己感が割り当てられた唯一の「点」が時空の背景を成立させます。「私が存在し観ている」という情報が遍在する時空上を五蘊が展開します。自己感は、ここからそこへと移動するものではなく、不生不滅不動です。
唯一の「私が存在し観ている」という情報が全ての人において意識の起源であり、全ての人間は同一人物ということになります。「自分」は「今」しか認識できませんが、過去も未来も「可能な限り存在しえた世界」も目の前の他人も、「今」、唯一の自己感が付与されて存在します。「今」は「今」すべて存在します。

ここから思考できることは、悟りに「いつ、誰が」は存在しないということです。悟りにかぎらず、「誰が、誰の」という構造に、根本的になっていません。無限一人芝居です。

悟りが業の解消の一点ということは、悟ったままという状態は存在しません。
業の解消の一点は、無限と反無限を認識している状態と同等であるので、全知ですが打ち消しあって潜在し無です。無という概念も存在しません。そこを大日如来、絶対者としてしまうと神秘になってしまいますが意識の起源そのものになるだけです。

縁起縁滅して存在していること、意識の起源は唯一として存在することから、解脱する特定の個人は存在せず、解脱という救いはないです。
普通に生きていれば、無常、無我、縁起縁滅、空、涅槃、解脱という思考は全く必要ありません。

ここまで書いてきた記事も縁起縁滅の法に従って存在するだけです。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます




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