私とは何か?と問うことに気付いている「私」とは何か?

私とは何か?意識の起源とは何か?悟りとは何か?般若心経とは何か?これらの問いの答えを考える。

読書20 『クオリアと人工意識 茂木健一郎』 その2

2020年11月23日 | 意識と悟りの構造

こんにちは、領です。

やっと地域の役員の1番大きな仕事が終わって、ほっとしています。人に指示したり、人前に出ることが大の苦手な私ですがなんとかなりました。前は、人の中に所属しなければならないとき、10分に1回は心臓がギュッとしていました。今は少し慣れました。
やっと本を読んだり好きなことができる

この本を読んで思ったことを書きます。先ずは、引用です。
P44 「クオリアは、議論することが難しい概念である。しばしば、意識についての意見のやりとりの中で、「クオリア」を定義することを求められることがある。どんな定義を与えたとしても、その問いを発した人が満足することは少ない。
 なぜならば、クオリアは、それについての認知的な理解、すなわち「メタ認知」(metacognition)を持つ人にとっては、これ以上ないというくらいに「自明」なことだからだ。一方、クオリアについてのメタ認知をまだ持たない人は、それをいくら説明されてもわからない。
 茂木健一郎による2013年の論文によって、クオリアの理解については、個人差が大きいことがわかっている。また、年齢を重ねるとともに、徐々にメタ認知が増大する傾向にあることもわかっている。」

確かに、メタ認識の度合いは個人差が大きいと思います。私は、「人は、私が思っているほど人ではない」と思ったことがあります。前後三日の認識範囲で生きてる人もいる。自己の抱える矛盾にまったく関心が無い。あまり人生を操作しようとしていない。思考の両極を見てどんな思考を持つか選ぶことをしない。そんなことを思いつつも私は私でダメダメ人間です。
結局、縁起縁滅とは振動することが存在の条件で、思考を操作することは限界があり、操作を強めるほどその思考を反転させる作用が厳しく作用します。自然に思うままに生きるのが安全です。「自然に思うままに生きるのが安全」この思考にも留まれないように思考は展開します。
縁起縁滅とは万物の理論のことで、どんな思考も数式に従って展開しているので、メタ認知の能力に、本質的に自己責任は存在しません。自己責任という思考は存在します。

メタ認識について考えたとき、レオナルド・ダ・ヴィンチと太田光さんのことが思考に浮かびました。

レオナルド・ダ・ヴィンチは、「大衆は飯食う袋だ」と、このようなことを書き残しています。これを読んだとき、なんてことを言う人なんだとドン引きです。
ところで、私がこの世で一番好きな絵は、ヴェロッキオ工房〈レオナルド・ダ・ヴィンチ?〉《キリストの洗礼》の天使の習作です。2012年のレオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想という展覧会で見ました。もちろん画集も買いました。P39に載っています。宝物です。レオナルド・ダ・ヴィンチの線画が好きです。



太田光さんは、テレビでの発言で2回ドン引きしたことがあります。なんてことを言うんだ!です。でも太田さんの著作から見える思考の型は興味深いです。
『三三七拍子』P70、以下引用・中略有り
「見慣れている顔のハズなのに、「誰だコイツ」という感じになる。不思議な感じだ。鏡を見ながら「何でコイツはここにいて、こっちを見ているんだろう」と思ったりする。
その時に「誰だコイツ」と感じているのは、実は本当に、私ではない”誰か”で、私自身は、その”誰か”の仮の姿であるとか。
 あるいは、私は、もっと大きい”何か”の一部で、「誰だコイツ」と感じているのは、その、もっと大きい”何か”であるとか。
 何が解るのか解らないが、何かが解るような気がする。
 何が解るのか、解らないが、そのヒントによって、もう少しで、何かが解るような気になる事がある。そのときの感覚は、もう少しで、夢から覚めるときの感覚に近い。
引用終わり

太田さんの本にどうやって出会ったかは、忘れてしまいました。『パラレルな世紀への飛躍』の表紙がかわいかったからかもしれません。自分の出会ったことのない思考がいっぱい書かれていました。

 

 


メタ認知能力についてですが、能力の高い低いで、優劣を決めるのはちょっと違うなと思います。富士山の山頂の砂粒が裾野の砂粒を低いと思うのって目茶苦茶です。裾野があって山頂が存在します。次の噴火で裾野に飛ばされるのは山頂の砂粒です。メタ認知の能力の高い低いは循環振動しています。全ての存在は相依祖関して存在し、閾値でやりとりしています。メタ認知の低い部分が存在し高い部分が存在します。これも縁起縁滅の法の性質です。
メタ認知の極限が悟りです。全知の状態ですが全てが打ち消し合って何も存在しないので無次元の点です。無次元の点には、最上位の概念の「私」が割り当てられているので、メタ認知の極限では、むき出しの「私」しか存在しません。

最上位の概念の「私」は時空に遍在し、全ての存在に共有されています。この構造は、全ての人が同一人物ということです。
無次元の点に割り当てられた「私」という情報が、意識の起源です。『「私とは何か?」と問うことに気付いている私とは何か?』という問いの答えです。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます

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日記

2020年11月08日 | 意識と悟りの構造

こんにちは、領です。

私の相棒です。枝の先端を狙っているところです。もうこの世にはいませんが、私と共に存在していると思っています。


昨日は、この雑誌を買いました!



ゼロとか無限大とか、とても興味津々です。
特にディラックのデルタ関数が気になります。
ワックワクで読みたいけれど今月の21日までは、余裕がなさそうです。



『変な数式美術館 世界を表すミョーな数式の数々 竹内 薫』
この本を読んでいたときP68に、デルタ関数の解説があり、ひときわ輝いて見えました。


ここのブログを見に来てくれて、ありがとうございます

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読書20 『クオリアと人工意識 茂木健一郎』その1

2020年11月01日 | 意識と悟りの構造

こんにちは、領です。

『クオリアと人工知能 茂木健一郎』


「私にとっては、このテーマで本当に久しぶりに書下ろす本である。筆をとることをためらっているうちに、この分野の本の最後の出版からいつの間にか十数年という驚くべき時間がたってしまった。」と書かれています。16年の沈黙と帯に書かれています!

「一人ひとりの人間が、「私」という意識を持って、この宇宙の歴史の中でたった一回だけ生まれて、それから死んでいくというのは、おそらく勘違いだ。
それどころか、「私」の意識が唯一のものだということも、きっと間違っている。
サユリの意識と、タケシの意識は、実は同じだ。
この世界には、たった一つの意識しかない。」

科学者の茂木先生が、この文章を書くなんて・・・。

『意識は科学で解き明かせるか』という本で、天外さんが語る唯心論に対して、「おそらくふつうの科学者が天外さんの話を聞いたら、「何言ってるんだ、このやろう」と思うと思うんですよ。(笑)」と言っていました。私は、これって茂木先生の本音では?と思っていました。(笑)に隠れて(怒)だと感じましたが、違ったようです。唯心論の話が出たとき、「たった一つの意識しか存在しない」という考えは話されいません。

『人は死ぬから生きられる 脳科学者と禅僧の問答』という、茂木さんと南直哉さんの対談の本があります以下引用

茂木 今から約十年前、研究所からの帰り道です。ちょうど電車の車両をつなぐ連結器の上に立っていてノートに何やら一生懸命書きつけていたら、突然ガタンゴトンという音が生々しい質感として聞こえてきたんです。それまでは、まさに周波数を測定して、スペクトラムを見れば、音なんてわかると思っていたのが、その生々しいガタンゴトンという音の質感自体はそういうアプローチをいくら積み重ねても到達できないということが、なぜかそのときサッとわかってしまって、とにかく自分でもびっくりしたんです。生涯最大の驚異というか。
南 ははあ。悟ったのかもしれませんな。
引用終わり

ここで南さんが使う「悟り」という言葉は、「座禅をしていると音を聞いた瞬間に、自分の存在の全領域がぱっとわかってしまうときがある。」「自己と他者というフレームはつくりものだということが一遍にわかっちゃう。」という意味です。
私としては、これこそ「悟り」だと思います。この世に本当に顔を出す体験です。音を聞いている自分を「観る」経験です。「自己を観る」を積み重ねると五蘊皆空に至ります。それは究極の悟りです。夢の中で夢と気付く明晰夢の30倍ぐらいの衝撃があります。100倍かも・・・。

『生きて死ぬ私』には、「私は、少し顔が青ざめた」とガタンゴトンという電車の音について書かれているところにありました。意識の構造を認識するとき人は青ざめるのかもしれません。

本の帯に書いてある「「私」という「意識」は、この宇宙の全歴史の中で一回だけのものであり、一度死んでしまえば二度と戻らないという「セントラルドグマ」は正しいのか?」が重要な問いとして扱われていると思いました。

また続きを書きます。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます

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