桜子でーす

日々の感想や思いついた事柄を写真や文章に表しました。ビジュアルに表現出来ると嬉しいな!

鍋奉行

2015年11月04日 | 日記・エッセイ・コラム
11月4日(水)

抜けるような真っ青な空だ。
我が家の庭には、姿が見えず、名前のわからない鳥が、機嫌良く鳴いている。
それも2種類ぐらいはいるらしいのだが……

少しばかり赤くなった庭樹もあるが、まだまだ、東京では紅葉は早い。
それでも、庭の隅にあるススキの穂は、既に綿毛になって傾き加減。
こうした僅かな季節の便りでも、自然の少ない街に住む人達にとっては、結構な安らぎになるらしい。
結局、庭の持ち主だけが「後始末をどうしようかしら?」と悩んでいる。


ところで、昨夜は『すき焼き』を食べた。
鍋から溢れるぐらいに、いろいろな野菜やキノコやその他の具を入れた。
何よりも、牛肉を何時もより沢山入れたので、二階の踊り場では、アマ~イ香りがかすかに匂っている。
大分、換気扇を動かしたのだけどな……
まあ、良いや!

『すき焼き』と言えば、思い出す。
私は自称『鍋奉行』だ。

若い頃から、食べるより、鍋の世話焼きの方が好きだった。
当時の職場では、グループに分かれてすき焼きを囲むのが、忘年会の年中行事の一つだった。
「食べなさいよ」
「いいの、こうして食べてもらうのが楽しいの」
「わるいね~~」

味をつけるのが楽しみ。
そして「美味しい!」と言われるのが嬉しい。
隣のグループのすき焼きの味を見て「やっぱり、こっちの方が美味しいよ!」と仲間が言うのを聞いて満足する。


食事が終わると、泉岳寺の義士祭へ必ず出掛けたものだ。
懐かしい!良い時代だったなぁ!
線香の香りを浴びて帰宅する。

一緒に食べた、あの人達は、まだ、元気かな?
良い時代だった。

『鍋奉行』と言えば、すき焼専門の店へ行ってさえ、店の人のサービスを断ったものだ。
「私の方が美味しいよ!」と、余程、自信があったのか?
兎に角、その習慣は、今も変わらず懐かしいものになっている。