今日も、天気は晴れ
この時期にしてはずいぶん穏やかだ
サイクリングにはいい気候のせいか
峠までの道すがらカップルのローディーや別なクラブ練の集団にも出くわす
そう、今日の目的地は吾国山の道祖神峠
ヒルクライム中心のコース
延々と続く坂道をひたすら登る
「わざわざこの坂道をご苦労さん」とでも言っているかのような顔つきでドライバーが窓越しに僕を眺めながら自動車が追い抜いていく
苦しい、心臓に負担がかかる このままお陀仏しちゃうんじゃないかなんて考えが頭をよぎる
でも、坂道は続く、足を止めることはできない ペダルをこぎ続けるしかない
登りながら考え事をしている自分
いったい好き好んでなんでこんなことをやっているんだろう
世の中にはもっと楽しいことがたくさんあるのに・・・・
人生80年だとしたら人生の折り返し地点はとっくに過ぎている自分
地元の進学校を卒業し・・・
サッカーに明け暮れたせいか一浪して東京の私大にすべりこむ
大学卒業時には特にこれといった明確な目的もなくて
給料が高そうだなと思ったぐらいで今の会社に入社
仕事も周囲の人間にも魅力をもてず・・・
気に入らない上司にはたてついた20~30代
革新的な仕事をする必要なんてなくて
上役の目を気にしながら上役の望んでいる仕事をこなし、大過なくすごせば、それが出世の早道と気づいたときにはもう手遅れだった
もし人生がやり直せるなら
あんなに大学を無為にすごさなかっただろうし
別の会社に入ってたらもっと活き活き仕事ができたかな
僕の人生って、節目節目の分かれ道、選択肢で裏目だったよな
あんな痛恨の失敗はしなかったのにとか
いろいろ考えている
でも、坂道は続く、足を止めることはできない ペダルをこぎ続けるしかない
失意のどん底のときに、僕はロードと出会った
失意の僕にロードを乗ることを勧めてくれた知人がいたんだ
彼に会わなかったら僕はロードバイクには乗っていない
彼には今でも感謝している
左遷されてあの職場にいなかったら彼と出会うこともなかった
そう思うと僕をとりまく出会いやら縁やらそれを呼び込んだ自身の失敗やらがいろいろまざりあってのロードバイクとの出会いってことか・・・
そう、この前読んだ小説にもでてたな
人生も自転車もバックギアはないから後戻りできないって
やり直しのできないのが人生だ
進み続けるしかない、辛くても後悔ばかりでも生きていくしかない
坂道は続く、足を止めることはできない ペダルをこぎ続けるしかない
あっ、やっと峠の頂上が見えてきたぞ