「傷つけ合うばかりの恋に
区切りをつけた帰り道
雨上がりの遊歩道に秋桜が
揺れていた
優しく可憐に でもしたた
かに
わたしも強くなれるだろうか
大事なものを抱きしめすぎな
い
強さを心に もてるだろうか」
【和名は可憐な「秋桜」】
校庭で、近所の公園で、空き地や
川原で、多少荒れた土地でも丈夫
に育つため、よく植えられている
のがコスモス。
田舎道を歩いていると、コスモス
が風に揺れて、なんともいえない
日本の旅情を感じるものです。
ただし、日本での歴史は浅く、
明治時代に日本に渡ってきた
メキシコ生まれの花です。
秋になると咲き乱れるほのかな
ピンクや白い可憐な花に、明治
時代の人々は心を奪われ
“秋桜”という名前をつけました。
心中をせんと泣けるや雨の日の
白きこすもす紅きこすもす
与謝野晶子
コスモスは雨に打たれると濡れ
そぼってうなだれるようになり
ます。
心中をしようと思いつめ泣き
じゃくる人の心に寄り添って
ともに泣き濡れているような
雨のコスモスです。