“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

民進党の存在価値が問われる党首辞任

2016年08月03日 08時30分27秒 | 臼蔵の呟き

どこまでも内向きで、自らの存在価値がどこにあるかをあいまいにした党首、党内議員の発言、行動にはびっくりします。そもそも、現在の低投票率と政治不信を大きく増幅したことの要因、責任をまったく議論、総括できない政党の存在自体が問われているのだと考えるべきです。自民党型政治を行いたいのであれば、自民党一党で十分なはずです。また、そのような考えの議員は、自民党復党、入党すればよいはずです。また、自民党の一派閥であれば、国民を愚弄するような主張、行動を止めるべきです。

今回の参議院選挙、東京都知事選で民進党がとった他の3野党との選挙協力は公党としての公約であり、当選議員はその選挙民、国民への約束です。そのことも簡単に反故にするのであれば、このような政党は存在すること自身が、国民を愚弄し、選挙そのものを冒涜するものです。民主党政権時代に公約を簡単に反故にし、国民から厳しく糾弾されたことの意味が本当にわかっていない政党、議員集団です。

<東京新聞社説>岡田氏退任へ 「党再生」競う代表選に

 民進党の岡田克也代表が九月の代表選に立候補せず、退任する意向を表明した。後継代表にとっては政権を再び担い得る態勢づくりが急務となる。代表選では党の再生策を堂々と競い合ってほしい。

 九月二日告示、十五日投開票の日程で行われる民進党代表選。三月の結党後初めて、党員・サポーターも参加する本格的な代表選だが、岡田氏が記者会見で、立候補しない意向を明らかにした。

 二〇一四年衆院選での敗北を受けて民主党代表に再び就いた岡田氏は「安倍一強」に対抗するため野党勢力の結集に力を注いだ。維新の党と合流して民進党に改名したり、七月の参院選で野党共闘を進めたのは、その一環だ。

 しかし、参院選で民進党は改選議席を下回る三十二議席にとどまった。前回三年前の十七議席からは持ち直してはいるが、岡田氏が目標としていた「改憲勢力三分の二」阻止は達成できなかった。

 不出馬表明で責任を明確にせざるを得なかったのだろう。事実上の引責辞任である。

 代表選候補者には、蓮舫代表代行や前原誠司元外相、細野豪志元環境相らが浮上している。

 次の国政選挙は衆院選だ。一八年十二月までには必ずある。代表選は「選挙の顔」選びであると同時に、民進党が政権を再び担い得る政党に再生できるか否かも懸かる。各候補は党立て直しの具体策を競い合ってほしい。

 とりわけ、どんな政策の実現を目指すのかが最も重要だ。

 〇九年衆院選で有権者が民主党政権を誕生させたのは、当時の自民党への嫌悪感だけでなく、政権公約で掲げた政策に、現状打破への期待が集まったからだろう。

 民主党を継いだ民進党がいまだに有権者の信頼を回復できていないのは、政権担当能力の未熟さに加え、公約違反の消費税率引き上げに突き進んだ当時の印象が強く残っているからにほかならない。

 信頼回復には問題解決に寄与する、実現可能で財源の裏付けもある具体的な政策体系を再び有権者に問い掛けるしかあるまい。そのためには政策論争をまじめに積み重ねることが大切だ。代表選をその第一歩とすべきである。

 後継代表は衆院選での野党共闘や、安倍晋三首相が目指す憲法改正にどう臨むのかも厳しく問われる。野党共闘には党内になお賛否があるが、参院選では安倍政権下での改憲に反対する有権者の受け皿となった。後継代表もそのことを忘れるべきではあるまい。


中国電力上関原発、埋め立て許可の愚

2016年08月03日 07時34分48秒 | 臼蔵の呟き

原子力発電所の再稼働が、福井県で地裁判決で、稼働停止に追い込まれる状況の中、新たな原子力発電所建設を容認する路線に進む。安倍政権の地元自治体としての判断は愚かとしか言いようがありません。

原子力発電所事故の原因特定すらできない状況で、新設を認める。あまりにも政治(安倍、自公政権と山口県知事)の無責任さには驚きです。このような自治体首長の愚挙と暴走を県民が責任を問わなければなりません。国民、県民、選挙民を愚弄しきった安倍、首長を断罪し、政治の暴走を1つ1つ止めなければなりません。

節電意識の高まりと、節電技術・製品の開発で、電力をがぶ飲みする社会構造は変化しました。夏場、冬場の電力制限もほとんど必要がないくらい、国民の節約意識は定着しました。そのうえ、再生可能エネルギー開発、投資も大きく促進されました。大手電力会社以外は節電、再生可能エネルギー開発に前向きに意識も前進しています。

何よりも原発の問題は、使用済み核燃料の処理方法がない。このような無責任な施設、技術を野放しにすること自身が安倍、山口自公政権の無責任さ、国民愚弄を証明しています。既存原発の廃炉を進め、使用済み核燃料の最終処理方法を模索、解決することそこが政治の責任です。安倍、大手電量会社の愚かさには驚くばかりです。

<東京新聞>上関原発、近く埋め立て許可へ 山口県、中国電力に条件付きで

 山口県が、中国電力(広島市)が申請している上関原発(同県上関町)の建設予定地の公有水面を埋め立てるのに必要な免許の延長に関し、近く条件付きで許可する方針を固めたことが2日、関係者への取材で分かった。

 山口県は中国電が免許の延長を申請した2012年10月以降、延長の可否判断を先送りしていたが、延長を許可した場合、中国電が建設に向けた動きを本格化させる可能性もある。

 中国電は08年10月に免許を取得。09年10月に着工したが、反対派住民の抗議活動で工事は進まず、東京電力福島第1原発事故を受けて工事は中断した。


「軍学共同」の危うさ 一線画す決意あらためて

2016年08月02日 08時00分22秒 | 臼蔵の呟き

〈科学動員は国民精神動員と並んで国家総動員の核心〉であり「背景に「軍学共同」の動きがなし崩しに進む現状がある。科学者を軍事研究に取り込む政策的な誘導や働きかけは、安倍晋三政権下で目に見えて強まっている。」

「民生用に使える基礎研究が対象で、成果は公開が原則とする防衛省の説明は、研究者の抵抗感を減らす誘い水でしかない。防衛装備に役立てる以上、軍事目的であることは変わらない。」「軍事と一線を画す決意は、科学界の戦後の出発点となった。現状を追認して、歴史の教訓をゆるがせにしてはならない。」

科学技術を、戦争に動員する。安倍、山口自公政権の戦争できる国づくりはあらゆる分野で巧妙に仕掛けられ、続いています。気が付いた時には後戻りできない。再び、日本が戦争する国、他国を軍事力で威圧、侵略する国となってよいかどうかが問われています。

長いものに巻かれ、現状を追認し、歴史の教訓をゆるがせにしてはならない。〈科学動員は国民精神動員と並んで国家総動員の核心〉である。

<信濃毎日社説>「軍学共同」の危うさ 一線画す決意あらためて

 せきを切るように軍事研究への関与が進むことにならないか。軍事に傾く“国策”に再び科学が動員されかねない危うさを感じる。

 日本学術会議が、戦後の発足当初、軍事目的の研究を拒否した声明を見直す議論を始めた。検討委員会で来春までに見解をまとめ、総会に諮るという。背景に「軍学共同」の動きがなし崩しに進む現状がある。科学者を軍事研究に取り込む政策的な誘導や働きかけは、安倍晋三政権下で目に見えて強まっている。

 防衛計画大綱は「防衛にも応用可能な民生技術の積極的な活用」を明記。科学技術基本計画は「国家安全保障上の諸課題への対応」を重点的な政策課題に挙げる。

 安全保障技術研究推進制度―。防衛省が始めた研究公募は初年の昨年度、100件を超す応募があった。水中での光通信技術、無人飛行機搭載の高性能レーダーなど9件が採択されている。

 同省は、大学や研究機関と技術情報を交換する「国内技術交流」を2004年度から進めてきた。研究資金を配分する制度によって、軍学共同はより具体的な段階に踏み込んだと言える。

 宇宙開発も、平和利用の方針が転換され、軍事化が加速している。宇宙基本計画は情報収集衛星の大幅な増強を掲げた。

   <研究資金の不足>

 武器禁輸原則の撤廃、集団的自衛権の行使容認…。戦後の歩みを大きく変えた安倍政権の軍事重視の姿勢は鮮明だ。科学界はそれに引きずられてはいけない。

 学術会議は国内の科学者を代表する機関である。1949年の発足時、「これまで科学者がとりきたった態度について強く反省し」の文言を声明に記した。

 日本の科学技術は明治以来、「富国強兵」の国策の下で振興が図られてきた。戦時下、科学者は徹底した「科学動員」により、戦時研究体制に組み込まれた。

 〈科学動員は国民精神動員と並んで国家総動員の核心〉…。科学界が自ら戦争協力の声を上げ、すすんで軍と関わりを持ったことを科学史家の山本義隆さんは著書で指摘している。

 50年の学術会議の声明は「戦争を目的とする研究には絶対に従わない固い決意」を表明した。警察予備隊が創設され、「再軍備」の足音が高まる時期だ。

 ベトナム戦争当時の67年には、研究者らへの米軍の資金援助が発覚。再度、軍事目的の研究を行わない声明を出している。

 半世紀近くを経て、その決意が揺らいでいる。構造的な研究資金不足から、研究者の多くが“背に腹は代えられない”状況に置かれていることが背景にある。

 国立大への運営費交付金は、国の財政悪化を理由に、ここ10年余で1割以上減額された。審査を経て配分される科学研究費補助金(科研費)も頭打ちだ。

 防衛省の研究公募に応じた大学は初年度、少なくとも16校。件数では60件近い。2000年以降、12の大学・研究機関が米軍から総額2億円を超す資金の提供を受けていたことも分かっている。

 ロボットや情報通信技術をはじめ、科学技術は民生にも軍事にも利用できる両面性を持つ。軍事研究かどうかの線引きは難しさを増してもいる。だからといって、軍事目的の研究に手を出していいことにはならない。

   <加担しない責任>

 民生用に使える基礎研究が対象で、成果は公開が原則とする防衛省の説明は、研究者の抵抗感を減らす誘い水でしかない。防衛装備に役立てる以上、軍事目的であることは変わらない。

 深入りして防衛上の秘密に関われば、成果の公開は妨げられる。軍事研究への関与は、大学の自治や学問の自由という研究者のよって立つ土台を崩す。

 デュアルユース(軍民両用)の技術が軍事利用されても研究者に責任はない―。そうやって思考停止することが科学の動員に道を開くと、ノーベル賞科学者の益川敏英さんは著書で述べている。

 軍事と一線を画す決意は、科学界の戦後の出発点となった。現状を追認して、歴史の教訓をゆるがせにしてはならない。

 信州大は昨年改定した行動規範に、平和への貢献や責任を明記した。新潟大も研究指針に軍事研究拒否の方針を掲げた。

 科学技術が軍事利用される可能性が高まっているからこそ、研究の現場で議論を広げ、加担しない責任を再確認し、共有したい。そのためにも学術会議は明確な姿勢をあらためて打ち出すべきだ。

 科学技術のあり方は、社会や暮らしに深く関わる。軍事への誘導が進む現状を主権者としてどう考えるかも問われる。議論を閉じたものにしないために、市民の側からも声を上げたい。 


韓国での東京都知事選挙結果の報道

2016年08月02日 05時30分35秒 | 臼蔵の呟き

女性知事かどうかは大きな価値はありません。問題は、政策です。日本社会と自民党型政治の中での男尊女卑は、あらゆる政治課題で欠陥として指摘されています。社会進出の差別、戦時性暴力の肯定、ほかで指摘されている通りです。小池候補は、改憲、靖国参拝、核武装を唱える極右人物です。また、戦争できる国づくりと一体となっている人種差別、排外主義もこの韓国紙が指摘する通りです。

隣国、北東アジア諸国と良好な関係を築くことこそが政治に求められる課題ですが。

<朝鮮日報>東京都知事選挙「韓国人学校白紙化」小池百合子氏が当選、初の女性知事に

 31日に行われた東京都知事選挙で、小池百合子・元防衛相(64)が当選を果たした。

 開票率が84%に達した午後11時30分現在、小池氏は45.6%の票を獲得し、連立与党の自民・公明両党が推薦した増田寛也・元総務相(64)、民進党など野党4党の統一候補として出馬したジャーナリスト鳥越俊太郎氏(76)に17-24%の差をつけ、当選が確定した。

 小池氏は東京都知事が民選で選出されるようになった1947年以降、初の女性知事となった。過去2年間、世界ではフランス・パリ、イタリア・ローマ、スペイン・バルセロナなど、主な大都市の首長に女性が当選しており、その追い風に乗った形となった。東京都知事は人口1300万人の首都・東京の行政トップであり、年間13兆3000億円もの予算を執行する。任期は4年。

 小池氏は兵庫県出身で、地元の高校から関西学院大学に進学したが、中退してエジプトに留学し、カイロ・アメリカン大学でアラビア語を学んだ後、国立カイロ大学を卒業した。その後、アラビア語通訳として活動する中で、パレスチナ解放機構(PLO)のヤセル・アラファト元議長やリビアの元最高指導者カダフィへのインタビューで名声を馳せた。1979年からは日本テレビとテレビ東京でニュースキャスターとして活躍した。

 92年の参議院議員選挙で、新たに結成された日本新党の比例代表候補として当選し、女性政治家として華やかな道を歩んだ。参議院議員を1期(任期途中で辞任)、衆議院議員を8期務め、環境相や内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策担当)、内閣総理大臣補佐官(国家安全保障問題担当)などを務めた。小泉純一郎首相の下で環境相を務めていたときには、夏季の服装を簡素化する「クールビズ」を主導し話題となった。一方、有力な政治家の後を追い、現在の自民党まで五つの政党を渡り歩き、「政界渡り鳥」として批判された。

 第1次安倍政権下の2007年には、女性として初の防衛相を務めた。だが、12年の自民党総裁選挙では、安倍首相ではなく石破茂・地方創生担当相を指示し、安倍首相の再登板後は自民党内で非主流派となっていた。

 今回の東京都知事選で小池氏は、自民党に推薦を依頼したが断られ、独自に出馬して選挙戦に臨んだ。ニュースキャスター出身らしさを発揮した演説のうまさと大衆的な人気により、政党の支援がなくても選挙期間中の世論調査では支持率がトップとなった。

 一方、小池氏の当選で、東京の韓国人学校増設計画がどうなるのかが関心事となる。舛添要一前知事が新宿区の都立高校跡地を第2韓国人学校の用地として有償で貸与することを決めたのに対し、小池氏は選挙運動の中で「白紙化すべきだ」と主張していた。  東京=崔仁準(チェ・インジュン)特派員    朝鮮日報


「ファシズムに向かう日本」

2016年08月01日 12時00分00秒 | 臼蔵の呟き

参議院選挙結果は、「そもそもそれ自体が不条理な話なのだが、にもかかわらず日本の有権者は自民党と改憲勢力に両院の3分の2を与えたのである。」????

安倍、山口自公政権と憲法改正勢力が議会の三分の二を握ったからと言って、改憲が確実にできるわけではありません。できるのであれば、彼らは国政選挙で憲法改正を争点にしたはずです。しかし、しなかった。それは憲法改正を掲げて選挙をやり、国民に経験を問えば、多数派にはなりえないと知っているからこそです。イギリスのEU離脱を問う国民投票のように、国民投票まで安倍、山口自公政権が持ち込めば、あらゆる手段を使って、マスコミを恫喝し、従わせる。そして息をつくようにうそをつき、低投票率の国民投票で過半数をかすめ取ることもありうる。そこが、安倍、山口自公政権の戦術なのでしょう。

現在の政治状況は、改憲勢力に改憲発議を許さない、徹底した国民運動を求めているのだと思います。

<内田樹教授の文書>

National Review の記事から「ファシズムに向かう日本」

JOSH GELERNTER July 16
日本の政治に津波
今週、日本の自民党とその連立パートナーは参議院で3分の2を制した。衆議院ではすでに3分の2の議席を擁している。国会両院の3分の2は日本国憲法の改定プロセスを開始するのに必要とされる議席数である。改憲は自民党綱領の中心的項目の一つである。
憲法は第二次世界大戦後にアメリカによって日本に押しつけられ、以後一度も改定されたことがない。なぜ、今改憲されなければならないのか?ブルームバーグによれば、自民党は「現行憲法条項のいくつかは自然権としての人権についての西欧的な理論に基づいているので、これらの条項は改定が必要だ」と指摘してきた。
自民党が反対している「自然権としての人権についての西欧的理論」とは何のことかと読者は当然疑問に思うだろう。お教えしよう。自民党の議員たち、大臣たち-安倍晋三総理大臣を含む-は日本会議と呼ばれるラディカルなナショナリスト組織のメンバーである。この組織は(最近まで文科相であった下村博文によれば)日本は第二次世界大戦中に犯した戦争犯罪を認めるという「自虐史観」を捨てなければならないと考えている。
日本会議の見解では、日本は戦争について不当な扱いを受けている。
米議会のリサーチサービスによれば、日本会議は第二次世界大戦中に「日本は東アジア諸国を解放したことについて称賛されるべき」であり、「東京裁判は違法」であり、南京虐殺は「誇張され捏造された」ものであると信じている。日本会議は帝国陸軍による中国人朝鮮人“慰安婦”の強制的売春も否定している。そして、日本は現行憲法では憲法違反とされている軍隊を再び有すべきであり、天皇崇拝体制に戻すべきだと考えている。

ナチに類する非道な戦争犯罪に対する憤りゆえにアメリカは日本がリベラル・デモクラシーの政体になることを強要し、あわせて日本の天皇に自己の神格を否定する以下のような宣言をなさせた。「私と国民との間のむすびつきは、専ら相互の信頼と敬愛とによるものであって、単なる神話と伝説によって生まれたものではない。天皇は神であり、かつ日本国民は他民族に優越した民族であり、世界を支配すべき運命を有するとの架空なる観念に基づくものではない」。

だが、日本会議のメンバーの暴走は続いている。2013年、安倍晋三の新内閣の閣僚18人のうち15人が日本会議関係者であったことを祝うパーティではかつての「日章旗」が振られ、「戦後レジームからの脱却」が誓言され、国歌(たいへん短いものであるが、これまで論議の的になってきた)が斉唱された。日本の国歌は天皇に捧げられたものである。「あなたの治世が千年、八千年も続きますように。小石が苔の生す巨岩となるまで」。

自民党の改憲草案は政教分離原則を排除して、国家神道と天皇崇拝に戻る道をめざしている。
改憲草案はまた「日本国民は国権の発動たる戦争と武力による威嚇または武力の行使は国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という条項と、「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」という条項も廃棄する。日本はこれまでのところこの特異なルールに従ってきたが、クレディ・スイスの戦力インデックスによれば、日本は現在世界第四位の軍事力を有している。これはアメリカ、ロシア、中国に次ぐものである)

新憲法はまた政府は「公益及び公の秩序に違背する場合は」言論や表現を規制しうるとして、言論の自由も廃している(実際に、日本政府は過去何年か言論の自由には圧力を加えて続けている)。
『ジャパンタイムズ』によれば、2014年に総務大臣は、放送局に対して政府が「政治的に中立性を欠く」と判断した番組については放送中止を命じることができると警告した。日本の公共放送の会長-安倍総理の友人である-はNHK(日本におけるBBCに当たる)は「報道において政府の立場から離れるべきではない」というのが彼の立場であると公言した。
この五年間で日本の報道の自由ランキングは-国境なきレポーターが格付けするものだが-は世界11位から72位にまで転落した。

新憲法草案は「自由と権利の代償として責任と義務を負うことを自覚しなければならない」としている。この「義務」の中には新憲法の遵守義務と国歌尊重義務も含まれている。また、「国民は公益と公の秩序に従わなければならない」「非常事態」において「国民は政府の指示に従わなければならない」とも定められている。
しかし、すべての国民がこの義務を課せられているわけではない。天皇だけは憲法遵守義務を免ぜられる。天皇は新憲法下では内閣からの「助言」を求めることになっている。現行憲法では「内閣の助言と承認」である。
もし新憲法が国会の3分の2の賛成を得た場合、その採否は国民投票での単純過半数で決される。51%の日本の有権者が自分たち自身の市民権を制約する憲法に投票するというようなことを誰が予測ができるだろうか。そもそもそれ自体が不条理な話なのだが、にもかかわらず日本の有権者は自民党と改憲勢力に両院の3分の2を与えたのである。
五年前にオバマ大統領は「アジア旋回」政策を掲げた。中国が南シナ海を支配し、軍事化しており、北朝鮮は新たな核兵器のために運搬システムを実験しているおり、かつわれわれの最も重要なアジアにおける同盟国でありかつ自由世界で二番目に富裕な国がファシズムに方向転換しようとしている以上、アメリカが拱手傍観しているわけにはゆかないだろう。