高価な料理だと思って食べていたが、食材の産地、原料は全く違った。笑い話のような話ですが、高級ホテルで実際にあった。そして、そのような偽装事件が他のレストランでも発覚したことにはびっくりです。料理人が勝手にやったというには大規模であり、企業ぐるみであったというのが真相ではないかと思います。
経営責任者が知らなかったと言うのであれば、そのこと自身が問題と指摘されるような事件です。赤福、ミートホープ事件、関西老舗料亭などの事件が過去にあり、1つの偽装事件を契機に芋づる式に他の同種の偽装事件があきらかになる構図も似ています。過去にあった偽装事件、不正事件を教訓にすることが出来ない企業であり、自分たちは大丈夫だとおごっていたからかもしれません。また、現場で働いている職員は詐称、偽装表示していることを知っていたはずです。しかし、その現場で働いている職員が不正を告発できない職場環境も問題です。低賃金、長時間労働、家父長的な職場環境、企業内で社会的な常識が通用しないなどが底流にあったのでは思われます。
企業人である前に、人間としての社会的常識、倫理観、法に基づく正義などが欠如していたといわざるを得ません。北海道ではJR北海道の多発する事故、社内モラルの低下、国道交通省からの度重なる勧告などがされました。そして、次々と安全安心を軽視する経営姿勢、経営者のモラル崩壊、現場労働者の士気低下現象などが顕在化しています。食と公共交通機関との違いはありますが、企業経営者の効率、利益優先主義、法律の無視、社会的常識の欠如、職員のモラル低下、内部告発ができない職場風土と環境などは共通しているように感じます。
<阪神阪急ホテルの食材偽装>
メニューと異なる食材を使い問題になった阪急阪神ホテルズは29日、大阪市内で取締役会を開き、辞任する出崎弘社長の後任に、藤本和秀取締役常務執行役員を充てる人事を決めた。親会社の阪急阪神ホールディングスの野崎光男取締役が阪急阪神ホテルズの非常勤の会長に就任する。いずれも11月1日付。出崎社長は28日の記者会見でメニューの一部が偽装だったことを認め、その責任を取って辞任すると表明していた。阪急電鉄出身の出崎氏から、ホテル生え抜きの藤本氏にバトンタッチし、管理体制の強化などに取り組む。
<北海道札幌での偽装表示>
関西や札幌のホテルなどでメニュー表示と異なる食材が使われていた問題で30日、新たに札幌の飲食店とホテルの計2施設で、エビを使った料理のメニューに誤表示があったことが分かった。JR札幌駅直結の商業施設「エスタ」を運営する札幌駅総合開発(札幌市中央区)は同日、エスタ内の中華料理店「札幌四川飯店」で「シバエビチリソース」(小1300円)など「シバエビ」と表示していた3品で、実際にはバナメイエビを使っていたと発表した。
同社は店側に聞き取りした結果として「小さいエビをシバエビと呼ぶ習慣により生じた誤表示で、偽装ではない」と説明。誤表示は2006年ごろからとみられている。店側は「仕入れ値に応じた安い価格で提供してきた」として返金には応じない方針を示している。
ホテル札幌ガーデンパレス(同)でも05年から宴会コースで、実際にはバナメイエビを使っていたのに「シバエビのチリソース」などとホームページに表示していたことが同日、分かった。