音楽評論館

音楽評論やコラムなどを執筆してます。

2019.9.10 tue MUZAナイトコンサート60

2019-09-11 23:34:55 | コンサートレポート
2019.9.10 tue MUZAナイトコンサート60

カウンターテナー:藤木大地
ルネサンスハープ、チェンバロ:西山まりえ

夜の部のお二人は、アンコールの2曲(ルネサンスハープ)を除いて、プログラムに書かれた全ての曲を、チェンバロとカウンターテナーで聴かせてくれた。
ランチタイムでは、哀愁を帯びたどこか懐かしい日本の民謡を中心とした選曲だったが、ナイトコンサートは、ルネッサンス~バロック時代を中心とした西洋音楽(クラシック)中心の選曲だったので、少し敷居が高いと感じた人もいたかもしれない。
少しでも西洋音楽を意識した作曲を勉強したことがある人も、そこまではしたことがない人も、一筋縄ではいかない難曲ばかりだったと感じ取れたと思うが、西山まりえさんの弾き方は、優しさが感じられるタッチで、とても聴きやすかった。
なるべく難曲を難曲と思わせないように意識して弾いていたのかもしれない。
西山まりえさんがステージで弾いていたチェンバロは、前日の夜のうちに、本人所有の楽器を自宅から運んできたチェンバロで、フランス製の二段鍵盤で、上段と下段は音色が異なり、組み合わせや、弾き方によって、様々な音色を奏でることができるそうだ。


煌びやかで、輝かしい音色を持った楽器のように感じたが、極端にそれらをアピールしていくような弾き方というよりも、確かなテクニックによって、楽器本来の響きを、優しく大きく丸め込み、よりフランスらしい上品な音色を奏でていく。
そんな弾き方に感じたが、如何に。


ちなみに、演奏曲目の作曲家には、フランス出身はいなかった模様。


・カッチーニ(イタリア)
・ヴィヴァルディ(イタリア)
・ヘンデル(ドイツ)
・J.S.バッハ(ドイツ)
・ファゾーロ(イタリア)
・グルック(ドイツ)
・ジョルダーニ(イタリア)
・マンシーニ(アメリカ)


カウンターテナーの藤木大地さんの声は、お昼の時よりも、さらに高音域が響いていて、素敵な演奏を満喫できました。

アンコールは、聴く機会が多い、お馴染みの曲で、選曲はよかった。



終演後には再びサイン会があり、昨年リリースした2枚組のアルバムとサイン色紙にサインをもらってきた。



お昼にもサイン会に並んでいたことを覚えてくれていた。その時に教えてくれた、本人の推薦盤(最新録音盤)を買い忘れたので、10月9日の王子ホール公演のときに・・・
チケットは7月に既に発券済み。

2019.9.10 tue MUZAランチタイムコンサート カウンターテナー 藤木大地 いにしえの音 あたらしき声 いとうれし

2019-09-10 13:45:58 | コンサートレポート
2019.9.10 tue MUZAランチタイムコンサート カウンターテナー 藤木大地 いにしえの音 あたらしき声 いとうれし


カウンターテナー:藤木大地
ルネサンスハープ、チェンバロ:西山まりえ

MUZAのランチタイムとナイトコンサートには何度か来るようになったが、普段の選曲は1〜2曲しか変わらないのに、今日は全く違うプログラムらしい。ランチタイムは、アンコールのチェンバロ演奏を除き、通常の予定プログラムは全てルネサンスハープとカウンターテナーで、綺麗な高音域を聴かせてくれた。


ルネサンスハープの音色を聴いたのは、今日が初めてだった。15世紀に存在したオリジナル楽器の寸法を正確に測って作られた複製のようですが。
いにしえのイタリアの哀愁を漂わせながらも儚く消えていくハープの綺麗な音色は、日本の民謡を歌うカウンターテナーとよくあっていたのでは。



終演後のサイン会では、2枚のCDとパンフレットにサインを頂いてきた。自分もチェンバロを教わっていることを伝えたら、J.S.バッハの新録も聴いてみてねと推奨盤を教えてくれた。



ランチタイムコンサートでは、アンコールのみ、チェンバロを演奏していた。


ナイトコンサートも楽しみだ。

2019.6.29 sat リキ・フィルハーモニッシェス・オーケストラ 第8回 定期演奏会@杉並公会堂

2019-06-29 21:40:28 | コンサートレポート
2019.6.29 sat リキ・フィルハーモニッシェス・オーケストラ 第8回 定期演奏会@杉並公会堂



バイオリン教室の先生の姉がチェロで出演するということで、今回もチケットを頂き、聴きに行ってきた。通常なら料金がかかるところ、少し多めにチケットを頂くことも可能。
多分、今回で4回目か、5回目くらい。
会場のロビーでは、同じ教室に通うバイオリン仲間の1人と出会う。
ほぼ、毎回、偶然、出会うので、不思議。



◯ダンベール:歌劇「低地」交響的前奏曲
オペラのイメージから交響楽用の小品として作曲したようで、作品全体を壮大なスケールや世界観で聴かせるというよりも、衝撃的な劇中のワンシーンを思い浮かばせるような、一瞬の出来事を表現しているようだった。
人間の内面に潜む感情的なものを、わずか10分弱の中の、音の積み重ねの中に、潜ませて、短編ながらも、劇的にクライマックスへと、突き進んでいく、疾走感があった。

◯ブルックナー交響曲 第8番 ハ短調
これまでのリキフィルはブルックナーの第1番から順番に演奏を続けて、第8回目の定期演奏会で、ブルックナーが生前に楽曲の最後まで関わったとされる第8番の演奏にたどり着いた。今回も激しく荒っぽい演奏には驚いたが、全体的には、パンフレットの解説でも書かれているように、天体に誘われるような感覚、不思議な浮遊感に満ちており、そこから広がっていく音、内面に響き、果てしなく広がりのある音で、ブルックナー交響曲 第8番を演奏していたように思える。
激しく荒っぽい演奏でも、楽団全体の足並みは揃っていて、整然とした音として聴こえ、過去3回か4回、来た中でも、今日の演奏は最も聴きやすかった。
過去の、力技で薙ぎ倒して聴かせるような楽団から、全体を通して、広がりのある音で包み込むような技量を見につけて、とても成長を感じたのは、昔の知人の演奏を知っている者としては、感動的だったと言える。
(これが聴いていて退屈な方向に思えたら、必ずしも感動的ではないので恐ろしい。)



帰りには、バイオリンの先生の旦那が早足で帰っていくのを一瞬見た。
声をかけようとしたが、まあいいや(笑)

2019.6.3 mon 雄大と行く 昼の音楽さんぽ 第17回 上野由恵&曽根麻矢子 フルート&チェンバロ・デュオ @第一生命ホール

2019-06-03 19:08:35 | コンサートレポート
2019.6.3 mon
雄大と行く 昼の音楽さんぽ
第17回
上野由恵&曽根麻矢子
フルート&チェンバロ・デュオ
@第一生命ホール



前回、お二人のデュオコンサートで聴かせていただいたチェンバロの音色よりも、滑らかさ、円やかな感じのある、上品な音色で、午前中のコンサートで聴くには、穏やかに、落ち着いた感じにまとまっていて、素晴らしい演奏でした。
(前回のデュオコンサートで聴いたときの方が、派手やかで、抑揚のある響きを楽しめた記憶がある。どちらの音色も、それぞれのよさがあり、素晴らしい。)



曽根麻矢子さんのチェンバロ・ソロでは、『ジュ・レーム 〜 チェンバロに恋して』収録の、ロワイエ作曲のスキタイ人の行進を、生演奏で聴かせてくれた。
作曲家が意図した作風をよく捉えているのが感じられるような演奏で、楽しめました。
音源記載の使用楽器には、吉田令設計 クラヴサン・ビヤン・タンペレ社製/調律:安達正浩、と書かれているが、そもそもの話、音源と生演奏のどちらも素晴らしいので、比較することはあまり意味がないような。
この音源のジャケットにサインをいただきたかったが、本日はサイン会は開催されず、残念。

作曲者不詳のグリーンスリーブス変奏曲は、よく馴染みのある曲だけど、今回の楽器編成では、初めて聴く曲という、斬新な試みをしていて、是非これからも、こういった、セットリストを考えて、いつかお二人のデュオ名義による、録音リリースを検討して欲しい。

途中のMCは、確かこんな会話だったか?
チェンバロは弦を弾いて音を出す。フルートは空気の振動で音を出す。全く音を出す仕組みは違うのに。
チェンバロは弦を弾いて響板を振動させて音を出しているから似ているよ。
そしたら、上野由恵さんが『曽根麻矢子さんは若いときから神童でしたよね。』

親父ギャグ炸裂か?

‪演奏中に録音していないから、細かな会話の内容まで覚えていないけど、絶対に親父ギャグが炸裂していた。‬曽根麻矢子さんは憧れの演奏家らしいから、かなり気を使いながらの、ハイレベルな親父ギャグだと見た。

チェンバロの通奏低音に関することや、ピアノと違って、音の強弱ではなく、音を重ねて表現していく、チェンバロの楽器の構造の仕組みなども、分かりやすく説明していた。


2019.3.23 sat リコーダーとチェンバロの合同リサイタル@東京オペラシティ3F 近江楽堂

2019-03-26 17:51:45 | コンサートレポート



チェンバロの先生が、通奏低音奏者として出演するというので、聴いて来ました。



前半にフランス、後半にイタリアのリコーダー作品。それぞれの独奏に加え、二重奏や三重奏のアンサンブルも聴くことが出来た。
フランスの作品は、全体的にしっとり感があり、フランス伝統の情景が優雅に目に浮かんでくるような演奏は、あまりに気持ちよく、途中で睡魔に襲われそうになることが多かった。
イタリアの作品は、前半とは、少し対照的で、明るく陽気な演奏でした。イタリア特有の情熱的な躍動感が、演奏の中に満ち溢れてて、軽快なリズム感が、程よい心地よさを誘っていた。
最後の曲、ヴィヴァルディのソナタ4番 へ長調 作品1は、元々のヴァイオリンの旋律を、リコーダーで吹いていた模様。この曲が一番良かった。

私は、フルートやリコーダーをメインで吹くことはなくなったが、全く関わりがなくなった訳ではなさそうだ。
まだ、日本フルートクラブ出版の会員にはなっていて、以前に、比田井リコーダー教室の発表会を聴きにいったことがある。
出演者のプロフィール欄を見ると、比田井裕さんを師と仰ぐリコーダー奏者がいた。
聴き終わったあとに、なんとなく、リコーダーを吹いている時の姿勢や雰囲気が似ていたような気がした。終演後に話しかければよかった。
誰かと、繋がりがあったかもしれない。