写真の街角

随分久しぶりに東京・銀座に行った。
加納満さんの写真展「La500 : piccola grandiosa 」を拝見するため。
イタリアの小型車フィアット500のある風景。
思わずどうしてこれまで”隠して”きたんですか！と感想。
イタリアの街角を走る、停まるチンクエチェント。
この街にこの車。
車の写真でありながら街の写真。
いいなぁと思わずため息。
会場に入る前に銀座を少し歩いてみたのだけど、日本を代表するおしゃれな街である銀座が随分ダサくてつまらない街に変わってしまったことにガッカリしてしまったのだ。
モボでもない田舎のおっさんが歩く銀座というのは、お高くとまっている場違いなところであったのだが、それが随分成金趣味的な店と人に変わってしまい、日本の衰退がカタチに表されていた。
そんな街角に停まる高級外車を見てもちっとも写真にならないし楽しくもない。
それに比べてイタリアの狭い道路を駆け抜けるフィアット500は、そして街並みはなんて楽しいげなんだろう。
そんな感想を抱いた写真展だった。
もちろん「写真になる」風景を切り取っているのだけれど、ではそれが銀座でできるのかと考えると暗い気持ちになってしまう。
車をテーマにしていることで興味を持たない人もいるだろうが、車に興味がない人にも、そして写真に興味がない人にも、むしろ楽しむことができるイタリアの街角の風景ではないかと思った。
イタリア人はまだまだ人生を楽しんでいる。



滝の入の街並み
宮城県気仙沼市古町1丁目,滝の入
撮影 2017年9月22日 金曜日 13時40分