TOKYOオリンピック物語
野地秩嘉著 小学館文庫
読了
現在の日本人のイメージができたのは1964年東京オリンピック以降だという。
団体行動が得意で勤勉で緻密で没個性。
オリンピックを開催するのあたり集まった男達は個性的で個人活動が得意でムラっ気のある職人気質。
それが”ゴール”に向かって活動するためにグループワークを覚え、それを後の世代に広げていった。
またそうするために個性の強い連中をリーダーに立てて突き進んだ。
そういう人達の記録が本書である。
現在では想像できない身勝手さと大胆さで成功に導いていく姿は、日本が失った国際競争基準で働く姿で、そうしなかった事で受けた敗戦という現実を身にしみて生きた世代が学んだ「個性」なのだろう。
そういった「個性」もオリンピック後の高度成長に伴い逆に没個性、国内基準に回帰し、現在へと続いている。
そしてどこへ向かえばいいのかわからない社会になって、頼りになるはずの自分で決めるという意志がない事に気づいた人は、海外の人達の「個性」を横目に、更にまとまった団体行動で時代を乗り切ろうとしている。
しかし、誰もその行き先を知らないし、決めることもできないのだ。
そこで迎えようとした2020年東京オリンピックであったが、なんらかの興味を持たなければならないとするならば、1964年とどのような相違があるかを比べることぐらいしか私にはなかった。
野地秩嘉著 小学館文庫
読了
現在の日本人のイメージができたのは1964年東京オリンピック以降だという。
団体行動が得意で勤勉で緻密で没個性。
オリンピックを開催するのあたり集まった男達は個性的で個人活動が得意でムラっ気のある職人気質。
それが”ゴール”に向かって活動するためにグループワークを覚え、それを後の世代に広げていった。
またそうするために個性の強い連中をリーダーに立てて突き進んだ。
そういう人達の記録が本書である。
現在では想像できない身勝手さと大胆さで成功に導いていく姿は、日本が失った国際競争基準で働く姿で、そうしなかった事で受けた敗戦という現実を身にしみて生きた世代が学んだ「個性」なのだろう。
そういった「個性」もオリンピック後の高度成長に伴い逆に没個性、国内基準に回帰し、現在へと続いている。
そしてどこへ向かえばいいのかわからない社会になって、頼りになるはずの自分で決めるという意志がない事に気づいた人は、海外の人達の「個性」を横目に、更にまとまった団体行動で時代を乗り切ろうとしている。
しかし、誰もその行き先を知らないし、決めることもできないのだ。
そこで迎えようとした2020年東京オリンピックであったが、なんらかの興味を持たなければならないとするならば、1964年とどのような相違があるかを比べることぐらいしか私にはなかった。