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Archaic Smile

私的な備忘録です。

世界規模のボックス相場?!大恐慌再来?

2012-06-22 02:16:49 | Weblog
先日のギリシャの選挙が財政緊縮派が過半数を取り、首の皮一枚でつながったことは喜ぶべきことだろうけど、何一つ問題は解決されていない。信用不安は本格的にスペインに転移してしまっている。イタリアも大地震で大変なニュースやバチカンの不正のニュースは気になるが、信用不安はじわじわと連鎖しつつある。
信用不安はギリシャ一国、欧州共同体にとどまらず、貿易・投資と経済的に関係の深い中国・アメリカへとどんどん広がりつつある。

ここ最近のマーケットの動きは、目の前に危機的な政治イベント(スケジュールは予想しやすい?)が出るたびに暴落し、不安の連鎖が止まらないと恐怖すると各国協調で金融緩和のモルヒネ注射をするしか手がなくなっているように見える。

市場参加者の一喜一憂は、まるで躁鬱病(最近は双極性障害と呼ぶらしい)患者のような有様だ。中期的には実体経済は緩やかな下降カーブを描きながらワールドクラスのボックス相場を形成しているのかもしれない。抜本的な手術(不良債権処理、構造改革、成長戦略)が行われないまま、麻酔薬で問題先送りにしているうちに、どんどん実体経済の体力は失われ、中毒患者は更に危機的な状況に追い込まれていく。2年前にわかりきっていた状況からどんどん国民経済は崩壊の一途を辿っている。

2年前の記事:http://blog.goo.ne.jp/satoshi_0527/e/f6e6d9e8224a35e50ff0e5f878f085d4

~2年が過ぎて預金の引き出しが止まらず、内政不安、治安の悪化で観光収入も最近のニュースで今年度15%減るような見通しも聞こえてくる。欧州経済の停滞→中国の輸出減、バブル崩壊とだいたい予想通りの展開といえばそうなのだけど2年も経て何一つまともな問題解決方法が示されていないというのもお粗末な限りだ。

欧州が崩壊に向かう力学は、会議は踊るされど進まず、船頭多くして船山をものぼるという喩がふさわしいのだろう。利害のバックグラウンドの異なる同格の決定権者が複数いる場合は、欧州共同体を形成することによってもたらされたバブルがしぼむ(パイがシュリンクする)過程においては自分のことで精いっぱいで已む無いことなのかもしれない。アリとキリギリス、プロテスタントとカトリックはなかなか相容れないのだろう。

囚人のジレンマは、二人のプレイヤーが、対等で同じ情報を共有できればお互いに悲惨な選択はしない(協力関係を壊さない)のだろうけど、欧州共同体のプレーヤーは、プレーヤーは決定権者としては対等かもしれないけどプレーヤーの実力に差がありすぎるし、利害関係に差がありすぎた。
そして共同体という協力関係を崩壊させるデメリットに彼らは盲目的でもある。情報の非対称性という状況を、衆愚政治とよばれる利己的な個人感覚が崩壊に拍車をかけているとも言えるのだろう。各国の指導者は共同体を崩壊させるデメリットを自国民にしっかり説明、理解させる努力が必要なのだろう。

そういう意味では、一昨日のギリシャの選択はギリシャ国民の半数はユーロから離脱することで失う損失について、遅まきながら幾ばくか冷静な判断をし始めたのかもしれない。

とは言うものの遅すぎるような気もするがスペイン、イタリアは大きすぎて潰せない(ユーロ離脱は無理)と思うけど、ギリシャの規模なら出来るだけ速やかに自国通貨を復活させて計画的に切り離すのが正解だと思う。

つづく
コメント
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