「規制と神の見えざる手」
修正削除 移動 傑作(0)2010/5/21(金) 午前 2:14無題その他経済 Yahoo!ブックマークに登録
こういった金融パニック前夜のような状況に立ち会うと、資本主義のどこに欠陥が
あるのか考えてしまう。通貨を媒介とした取引は、市場メカニズムを通じて、自由
に売買されると、資源は、美しく調整・配分され世の中万事うまくいくというのが
本当なのだろうかと疑問に感じるのは已む無いことだろう。
人は楽して儲ける誘惑には勝てないのだろうが、その誘惑に社会が無批判に手を貸
す(制度を整える)ことが、いかに危険なことか、このような状況では、改めて問
われているように感じる。
実体のある市場(需要)という外部環境の変化を怠ることなく見据えながら、設備
投資し、ない知恵を絞りながら、生産性を向上させ、絶えず汗水流して、供給を永
続していく営みがある。
一方で、外部環境を先読みし、前者のパフォーマンスを評価することで利益を生む
営みがある。今日買った資産価値が、明日には、倍になったり半分になったりする
ような中で、行き場の失った大量のマネー(←定常的な金融緩和、リフレ派は、
これを助長しているように思う。)を利用して、自ら大きく外部環境のイメージや
ビジョンを増幅させることで、売買を重ね、利を生み出す仕組み。永続的な社会の
利益は特に顧みず、赤子のように目の前の利益を貪ることのみ特に強く期待・強要
されるシステム。(前者は、配当、後者は、度を越えた含み損益にリンクしている
のだろう。)
また不幸なことに、お金の出し手(人権が確立された民主主義社会の現代において
は、これは資本家というより、本質的には、預金もする納税者・国民全般も含まれ
るのだろう)は、これがどのように使われて、知らないところで社会に大きな影響
を与え、間接的に自らに大きな影響を受けている事実に、基本的に無関心である。
例えば、アメリカの年金基金が、株式のリスク回避からオイルを買うような記事を
過去目にしたが、使いもしないオイルをファンドが買うことで、石油価格の暴騰に
拍車を掛ければ、めぐりめぐって自分らの生活コストが増えてしまう。積み立てた
年金で、日々のガソリン代が上がって、生活費を圧迫する。なんだか非常に滑稽だ。
本質的な問題として、対象にもよるが、自分で費消しないプレーヤーが、売買に加
わり価格に影響を与えることも、ほんらい間違っているように思える。これこそ規
制すべきなのではと感じる。マル経のことばを使えば、投機する自由の名の下に
「使用価値」以上に、物の価値が振幅(インフレーション)しているとも言えるの
かもしれない。ドバイショックのときにTVに映し出された、住人のいない超高級
マンションもそれに類するのだろう。家は住むためにあるのである。
当然ながら人は、より効率的に楽に儲けたいので、後者を正当化することが、即
ち自己責任と自由が尊ばれる資本主義を守ることと、ほぼ同義として、概ね正当化
されるのだろうが、リーマンショックや、今日のヨーロッパの状況のなかではファ
ンドの暴走を規制する名目で、細々と、懐疑的に、パニック時の空売り規制や、
サーキットブレーカーの導入等が叫ばれている。(本質的な解決にはならないが
・・・。)
海外株価の急落の原因として、ドイツでのネイキッド・ショート・セリング(純空?
つなぎはOK?)に対する規制が強化されるということで、
後者の自由が阻まれるという理由の不満の声が上がったり、当事者たちがここまで
強制的な措置の必要性を感じている事実を市場にさらし、またドイツが打ち出した
対策に対して、他のユーロ諸国が異を唱えることでこの危機的な局面で、連携が取
れていないことを露呈することで、市場に更なる危機を連想させ、信用取引以外の
売りまで呼んでいる。ユーロや株式市場から資金の逃避が起こっている。
今聞こえてくる対策だけでは、運が悪いとパニックが起こることが十分予想しう
る中で、ショートポジション(空売り)を取れば容易に莫大な富が得れる。社会
の中で比較的大きな影響力を持つプレイヤーが世界の破滅を期待している(欧米
の悪徳ファンドマネージャーや、処理スピードにまかせて利益を掠め取る自動売買
プログラム(←先日のニューヨークダウの千ドル暴落も、誤発注でなければ、パ
ニックを想定していない単純な関数を持ったプログラムが、暴落を演出したのか
もしれない)のみならず、アンチアメリカ(キリスト)のテロ国家も、もしかし
たら空売りを仕掛けて、何かの引き金を引こうとしているのかもしれない、そう
いった悪魔のインセンティブを、自らの社会装置の内に、暗に許容し、放置して
いることに対する憤りが、信用売りの規制という形で表れたのだろう。
パニックとは、各個(プレーヤー)が、目の前の限られた利を守るために、短期
的に一定の行動を、一斉にはじめることで、かえって個が属する集団(社会全体)
の利も大きく損なう結果にいたる現象を、第三者(非当事者)の視点から客観的に
説明する言葉であるとすれば、もしヨーロッパ経済が市場を通じてメルトダウン
すれば、これがそれにあたるのだろうか。
囚人のジレンマでいえば、同じリスクと情報を共有した二人のプレーヤーは、
お互いを傷つけるであろう一定の行動を踏みとどまり、危機を回避できるので
あろうが、動態的、感情的なシチュエーションにおいては、人は冷静さを欠くし、
特に連合国家という体裁で、船頭も多い状況においては、予断を許さない。
加えて、お互いが傷つけあうことで、嬉々として利を得る第三者の存在を社会
が許容する状況では、悲しい結末の可能性も多いに高まるのであろう。
ぼくらは、ギリシャをはじめとする、先の不況で手に負えないほどの財政赤字を
抱えた民主的な資本主義諸国(含む日本)において、本質的な経済復興につながる
新たな処方箋を、神の手を借りずに、早急に探し当てなければならない。
超収縮時の「金融緩和」や「空売り規制」は、あくまで応急手当でしかない。
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こういった金融パニック前夜のような状況に立ち会うと、資本主義のどこに欠陥が
あるのか考えてしまう。通貨を媒介とした取引は、市場メカニズムを通じて、自由
に売買されると、資源は、美しく調整・配分され世の中万事うまくいくというのが
本当なのだろうかと疑問に感じるのは已む無いことだろう。
人は楽して儲ける誘惑には勝てないのだろうが、その誘惑に社会が無批判に手を貸
す(制度を整える)ことが、いかに危険なことか、このような状況では、改めて問
われているように感じる。
実体のある市場(需要)という外部環境の変化を怠ることなく見据えながら、設備
投資し、ない知恵を絞りながら、生産性を向上させ、絶えず汗水流して、供給を永
続していく営みがある。
一方で、外部環境を先読みし、前者のパフォーマンスを評価することで利益を生む
営みがある。今日買った資産価値が、明日には、倍になったり半分になったりする
ような中で、行き場の失った大量のマネー(←定常的な金融緩和、リフレ派は、
これを助長しているように思う。)を利用して、自ら大きく外部環境のイメージや
ビジョンを増幅させることで、売買を重ね、利を生み出す仕組み。永続的な社会の
利益は特に顧みず、赤子のように目の前の利益を貪ることのみ特に強く期待・強要
されるシステム。(前者は、配当、後者は、度を越えた含み損益にリンクしている
のだろう。)
また不幸なことに、お金の出し手(人権が確立された民主主義社会の現代において
は、これは資本家というより、本質的には、預金もする納税者・国民全般も含まれ
るのだろう)は、これがどのように使われて、知らないところで社会に大きな影響
を与え、間接的に自らに大きな影響を受けている事実に、基本的に無関心である。
例えば、アメリカの年金基金が、株式のリスク回避からオイルを買うような記事を
過去目にしたが、使いもしないオイルをファンドが買うことで、石油価格の暴騰に
拍車を掛ければ、めぐりめぐって自分らの生活コストが増えてしまう。積み立てた
年金で、日々のガソリン代が上がって、生活費を圧迫する。なんだか非常に滑稽だ。
本質的な問題として、対象にもよるが、自分で費消しないプレーヤーが、売買に加
わり価格に影響を与えることも、ほんらい間違っているように思える。これこそ規
制すべきなのではと感じる。マル経のことばを使えば、投機する自由の名の下に
「使用価値」以上に、物の価値が振幅(インフレーション)しているとも言えるの
かもしれない。ドバイショックのときにTVに映し出された、住人のいない超高級
マンションもそれに類するのだろう。家は住むためにあるのである。
当然ながら人は、より効率的に楽に儲けたいので、後者を正当化することが、即
ち自己責任と自由が尊ばれる資本主義を守ることと、ほぼ同義として、概ね正当化
されるのだろうが、リーマンショックや、今日のヨーロッパの状況のなかではファ
ンドの暴走を規制する名目で、細々と、懐疑的に、パニック時の空売り規制や、
サーキットブレーカーの導入等が叫ばれている。(本質的な解決にはならないが
・・・。)
海外株価の急落の原因として、ドイツでのネイキッド・ショート・セリング(純空?
つなぎはOK?)に対する規制が強化されるということで、
後者の自由が阻まれるという理由の不満の声が上がったり、当事者たちがここまで
強制的な措置の必要性を感じている事実を市場にさらし、またドイツが打ち出した
対策に対して、他のユーロ諸国が異を唱えることでこの危機的な局面で、連携が取
れていないことを露呈することで、市場に更なる危機を連想させ、信用取引以外の
売りまで呼んでいる。ユーロや株式市場から資金の逃避が起こっている。
今聞こえてくる対策だけでは、運が悪いとパニックが起こることが十分予想しう
る中で、ショートポジション(空売り)を取れば容易に莫大な富が得れる。社会
の中で比較的大きな影響力を持つプレイヤーが世界の破滅を期待している(欧米
の悪徳ファンドマネージャーや、処理スピードにまかせて利益を掠め取る自動売買
プログラム(←先日のニューヨークダウの千ドル暴落も、誤発注でなければ、パ
ニックを想定していない単純な関数を持ったプログラムが、暴落を演出したのか
もしれない)のみならず、アンチアメリカ(キリスト)のテロ国家も、もしかし
たら空売りを仕掛けて、何かの引き金を引こうとしているのかもしれない、そう
いった悪魔のインセンティブを、自らの社会装置の内に、暗に許容し、放置して
いることに対する憤りが、信用売りの規制という形で表れたのだろう。
パニックとは、各個(プレーヤー)が、目の前の限られた利を守るために、短期
的に一定の行動を、一斉にはじめることで、かえって個が属する集団(社会全体)
の利も大きく損なう結果にいたる現象を、第三者(非当事者)の視点から客観的に
説明する言葉であるとすれば、もしヨーロッパ経済が市場を通じてメルトダウン
すれば、これがそれにあたるのだろうか。
囚人のジレンマでいえば、同じリスクと情報を共有した二人のプレーヤーは、
お互いを傷つけるであろう一定の行動を踏みとどまり、危機を回避できるので
あろうが、動態的、感情的なシチュエーションにおいては、人は冷静さを欠くし、
特に連合国家という体裁で、船頭も多い状況においては、予断を許さない。
加えて、お互いが傷つけあうことで、嬉々として利を得る第三者の存在を社会
が許容する状況では、悲しい結末の可能性も多いに高まるのであろう。
ぼくらは、ギリシャをはじめとする、先の不況で手に負えないほどの財政赤字を
抱えた民主的な資本主義諸国(含む日本)において、本質的な経済復興につながる
新たな処方箋を、神の手を借りずに、早急に探し当てなければならない。
超収縮時の「金融緩和」や「空売り規制」は、あくまで応急手当でしかない。
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