GW真っ只中ですね~
僕は風邪+頭痛で、のども鼻も壊れて、咳は止まらず・・・
それでも、健気に原稿を書きつつ、ロッテの応援をしつつ・・・
さて、久々に最新VISUAL系論をば。。。
ここ2,3年、ヴィジュアル系は再び停滞期に入っている。いわゆる「ネオ・ヴィジュアル系ブーム」の後、新たなバンドが出にくい状況が続いている。具体的に言えば、00年代初期のムック、メリー、ナイトメア系のカタカナバンド、中期のロリータ系バンドや、ディルアングレイインスパイア系バンド、それからシドやアリスナインといったラルク系バンドのブレイクの後、停滞が続いている。
00年代後半は、90年代のバンドの復活ブームが起こった。X JAPANの復活には誰もが度肝を抜かれたのではないか。僕的には、D'ERLANGERがまさか復活するとは思わなかった。が、既に3作のアルバムをリリースしていて、活動も順調だ。44マグナムも復活したし、あのBILLY & THE SLUTSもまでも、、、さらに、THE SLUT BANKSも復活してるし、SHOW-YA、バービーボーイズまでもが・・・ いわゆる音楽業界全体が復活ブームだった。
ただ、肝心の若手から、新しいアプローチが出てこない。とはいえ、ヴィジュアル系バンドマンが減ってるわけではないと思う。ただ、現在の若者の間では、「ヴィジュアル系って、顔が良くて、演奏もうまくないとやれないよね」って言われているのも事実。ヴィジュアル系は今の時代、あらゆる面で突出してないとやれない、そんな領域だと思われているのだ。
Galneryus - DESTINY (MV MIX)
(新ボーカル、小野さんですよ。you're the onlyの!)
00年代後半のヴィジュアル系の動きを見てると、一つ気になる傾向がある。そのきっかけは恐らくガルネリウスだと思うのだが、めちゃめちゃ技巧派のプレイヤーがヴィジュアル系の中で活躍し始めたのだ。Dとヴェルサイユの存在も大きい。この三バンドは世界的に見ても、かなり突出して演奏力がめちゃめちゃ高い。しかも、Dもヴェルサイユも、ヴィジュアル的にも他を遥かに凌駕しちゃっている。
D / Tightrope
若手だと、摩天楼オペラとDELUHIが突出している。彼らも抜群の演奏力と、派手なパフォーマンスをウリとしている若手ヴィジュアル系バンドだ。こうしたバンドは、ある種、全部X JAPANインスパイア系という感じもしなくもなく、本家本流なのだ。特にヴェルサイユは、全ての面で他を凌駕してしまっている。演奏力も世界観もルックスも全部ブチ切れてる。(この点に気づいて、オールメンバーチェンジしたのがLuLuだった。今のLuLuはかつてのLuLuとは比較にならないほどに技巧的だ) またEVER-LASTもこの系統に入りそうだ。
DELUHI - REVOLVER BLAST pv edit ver.
ただ、そこに落とし穴もあって、これだけ凄いバンドであるにもかかわらず、イマイチ売上的にぱっとしない。一般人にヴェルサイユの名をあげても、ほとんど知らないのだ。これだけ凄いバンドなのに、メディアに取り上げられず、ブレイクもしない。その理由は、結構シンプルで、巧すぎるのだ。巧すぎるせいで、一般の人が入り込めない。世界観も強すぎるので、一般の人からの共感も買わない。Xは、ある種、庶民の共感を得るような独特な庶民性があった。
かくして、2010年のヴィジュアル系シーンは、こうした一部の超技巧派のHM系、シンフォニックメタル系、X JAPANインスパイア系のスーパーバンドが圧倒している。が、その背後で、色んなバンドがしのぎを削っているのもまた事実だ。もうすぐHeidi.がメジャーデビューする。ディスパースレイも新たな試みを見せているし、Sadieもまだまだ攻撃の手を緩めていない。アンドやゾロ、lynch、OZ、Vistlip、キャンゼル、HERO、花少年バディーズといった若手がどのようなアプローチで来るのか、この辺も見どころだと思う。
ただ、今のV系シーンは00年代初期に似た向かい風の中にある。この中で、ネオ・ヴィジュアル系を超える新しいバンドの流れの萌芽、糸口が生まれてくる。今こそ、ヴィジュアル系は、自由に表現できる状況下にあるのだ。おそらく、ここ数年はヴェルサイユやDを超える技巧派バンドは出てこないだろうし、技術至上主義はもうそろそろ通用しなくなる。技術の限界は意外とすぐにやってくるものだ。
了
やっぱ、V系の原点はこのバンドでしょうね☆
D'ERLANGER/デラシネ(2009Live)