Kαinの初のフルアルバムがリリースされた。
わんこさんの前情報だと結構まったり系だということだが・・・本当にまったりしたアルバムだった(苦笑)
僕的には、この方向転換は大歓迎だ。というのも、kαinはどちらかというとイギリスを中心とする欧州のダーク系バンドによりいっそう近いからだ。サウンド的には僕が大好きなthe 69 eye’sなんかに通じるなぁと思い、ニヤリとしてしまった。
とにかくkαinは暗い。。暗すぎるくらいに暗い。これが僕にはたまらないのだ。全曲気に入るアルバムってそうそうないけど、このアルバムは全曲よかった。しかも、全曲シングル!っていうんじゃなくて、いわゆる「捨て曲」も、いや捨て曲がいいのだ。どちらかというと、シングルカットできる曲っていうのはあんまりなくて、Kαinというバンドのイメージカラーを思い切り表現した全体としてまとまりのある一枚に仕上がっているのだ。
01 Paradiselost
クラシカルなSE。しっとりと幕が上がるイメージかな。
02 The End -of The World-
メランコリックでゆるい感じの曲。kαinの目指す方向性がはっきりと明示されているように思う。yukiyaのエモーショナルな声は健在!シンセの音も心地よい。
03 Die 4 You
僕的にsuper cool! イントロのディレイがすごいカッコイイ。この曲はZI:KILL好きの人には聴いてもらいたい!低音ボーカルで妖しい感じ。ギターの音色もZI:KILLを彷彿させている。タイトルも何気に「っぽく」感じる。TUSKが歌ってもぴったりはまるだろうな。でも、yukiyaの切ないボイスもたまらない。イチオシです!
04 羽根
印象的なギターメロディで始まる一曲。うちら世代のV系ファンにはたまらないイントロになっているはず! シングルになりそう。サビがすごくすごく印象に残る。こういう曲って、やっぱりV系ならではだよな~と思ったり。「こころだけが」という言葉がリフレインする。センスいいよなぁ~! 大サビはかなり突き抜けている。これも是非聴いてほしい一曲だ。
05 聖痕
メロウでゆったりとした(でもしっかりビートの利いた)ロックサウンド。これもまたZI:KILL好きだったら楽しめるはず。サビはすごくメロディアスで、ちょっと毒もあって、、、切なくてたまらない。なんて心にぐっとくる曲なのでしょう。
06 Inpain
どこか異国感の漂う出だし。インターナショナルな感じの一曲だ。今のV系バンドには出せない重さがこの曲にはある!と断言したい。若いバンドマンたちは是非これを聴いて勉強してもらいたい・・・かな。こういう曲がさらっとできるところがやっぱキャリアなのかな?! 「何のために確かめ合った?」っていう歌詞が印象的。
07 Inlandempire
本作で一番気に入った曲。LUNA SEAが好きだったらこの曲もOKなはず。ギターの音がたまらなくCOOLでかっこいい。どこかグラスバレーっぽい感じもする。なんていうか、妖しくて壮大で・・・ イメージの湧く一曲になっている。これもまたキャリアがないと無理のような一曲。今こそ、こういう曲が必要なんじゃないかな?! ダークで神秘的で壮大でおしゃれでクール。おススメです!
08 Lost
kαinのバラード曲。しっとりしていて物憂げで、おやすみ前にぴったり。冬に欠かせない一曲になりそう・・・
09 -if-
シンセの音が印象的なアップテンポの曲。JILSっぽいかな。こういう曲を聴くと安心するのはどうしてだろう?! これぞV系、いや、ポジパン伝統の一曲だ。この曲を聴くとストロベリーフィールズを思い出すのは僕だけ? これが一番シングルっぽいかな?!
10 深淵の月
これまた壮大なスケールの曲。しっとりとしていて、聴きやすい。でもどこか退廃的で重々しい。タイトルから想像できる範囲内の一曲かな。
11 無の底
アコースティックのバラード。kαinの一つの方向性がしっかりと示されているように思える。アコースティックだけど、どこかモダンでクール。ダウナーな感じがとってもいい! 最後の迫力あるエンディングはすごい!の一言。どうしようもなさが伝わってくる破壊的なギターの音がたまらない。
12 希望の欠片
本作、一応のラスト曲。ラストにふさわしいアップテンポの曲。アップテンポなんだけど、メランコリック感が強くて、ダウナーな感じがうまく表現されている。希望に溢れた曲っていうより、まさにその欠片が映し出されているような・・・
13 East Of Eden
エンディングのSE。エンドロールみたいな感じかな。一つの映画が終わった感じかな。このアルバムを聴いて、また人生をとりあえず生きようかな、とふと思った。色んな思いや感情や葛藤が人生にはあるけど、それでも前を向いて生きていかなければならない。そんな気持ちにさせてくれた。美しい曲です。
それにしても、最近いいバンドが立て続けにリリースするなぁ~ コメントが追いつかん、、Dのアルバムもすごいいいし、ベルサイユもすごい魅力的だし、ロリヰタもカッコよかったし、、、 このkαinのアルバムも、端的に素晴らしい。今の時代に合ったV系サウンドって感じがする。全体的にダウナーな感じの曲が多いけど、なんでもかんでも激しくて勢いがあればいいってもんじゃない。このバンドには、見せかけの勢いじゃない強い意志みたいなものを感じる。
・・・ネオ・V系以降のV系は、さらに複雑で技巧的で世界観重視で、、、なんだかすごいことになっているんじゃないか・・ なんかこれまでにない動きを見せているような気がしてならない。