遂に入手した♪ ヴェルサイユの初のミニアルバム(ミニアルバムというのは間違いかもしれない。曲数は少ないが、フルアルバムと同等のクオリティーがたしかにある!)
■Versailles■(2007年始動)
Vo.Kamijo(いわずとも知れた元ラレーヌのボーカリスト)
G.HIZAKI(元Schwardix Marvally、SULFURIC ACID。天才プレーヤーとして有名)
G.TERU(元藍華柳!ってことはkeiと対バンしたことがあるんだ・・きっと)
B.Jasmine You(HIZAKIソロプロジェクトに参加)
Ds.YUKI
これ、すっごく濃いアルバムになっている・・・ 方向性としてはラレーヌ風のゴシックメタル+V系+クラシカルなヘビーメタルって感じ。マリスミゼルをよりハードにした感じと言えば伝わるだろうか。いや、XとAIONとマリスミゼルと洋楽のヘヴィーメタルを合体させたバンドというべきか。
はっきりいって、この作品、超問題作だよ~・・・ 若いV系ファンの人には聴いてもらいたい。演奏力、世界観、表現力、コンセプト、インパクト、どれをとってもずば抜けている。かつてこれほどまでのV系バンドっていたか?! ちょっとビビッている。
美しいインストの後に続く大曲「The Love from a Dead Orchestra」はホントのホントに激ヤバだ。X系のメタルサウンドとKamijoのロマンティックなボイスが見事に重なり合っているのだ。この曲、なんと8分もあるのだ。途中のピアノの箇所はうっとりさせられて、最後の最後の超ハイスピードメタルサウンドは超絶だ。
ラストのSympathiaは壮絶だ。これほど壮絶で美しくて荘厳で甘くて切なくて美しい曲はそうそう聴かないだろう。Xファンの人でも絶対納得の一曲になっている。そうだ!このバンドはかつてXを愛した人に是非聴いてもらいたい。これは、聴かないと絶対にもったいない!!
1.INTRO
暗黒の中世欧州を思わせるクラシカルなSE。スリリングな展開をみせる。
2.The Love from a Dead Orchestra
壮絶で荘厳な一曲。イントロのギターリフがやばい。Aメロは変拍子を使っている。Kamijoの声がすごいことになっている(多少こもった感じが残るが)。Bメロの美しく切ないメロディーがホントに心にくる。サビはハイスピード・高速ビートのクラシカルな旋律。これは問題作だ。ピアノソロあり、超早弾きギターソローあり、ボーカルのウィスパーボイスあり、いったいなんなんだ~!と叫びたくなる一曲。しかも、技巧派バンドに欠けている世界観がこのバンドにはある! 8分28秒の大作!
3.Shout & Bites
いきなりメロディアスなサビで始まるゴシックメタルチックな曲。これもまたすごい曲でビックリ。Bメロのシャウト(デスボイス?)が迫力あり。サビはホントポップで聴きやすい。クラシカルなギターソロもやはり聴きどころかな。シングルになりそう。
4.Beast of Desire
本作品で僕が一番気に入った曲。これはもうX並みの高速ビートがたまらない。メロディもすごいしっかりしているし、かっこいい。進化したV系サウンドという感じがするな。サビの切ないメロディが心に残るし、ずしりと響く。ハイスピードのギターソロも聴きどころだ。こういうヴィジュアル系が欲しかった!と叫びたくなる。無敵だ!
5.Forbidden gate
美しいキーボードの音で始まるミディアムテンポのロック。冬のこの時期にぴったりな曲だ。切なくて、はかなくて、悲壮感がある。でも、サビは突き抜けていて、楽曲のクオリティの高さが窺える。本当に楽曲が素晴らしいのだ。単なる技巧バンドじゃないっていうことをこの曲が証明しているように思う。美しい・・・
6.The Red Carpet
ゴリゴリのデスメタル-シンフォニックメタルを踏襲したハードなメタルサウンドだ。だが、単なるメタルになっていないのはKamijoの歌のおかげだろう。これだけ強烈なメタルサウンドなのにV系のポジションに位置できるっていうのがすごい。来年はシンフォニックメタル系のヴィジュアルバンドが流行りそうな気がしてならない。もうそろそろヴィジュアルメタルバンドが出てもいいんじゃないかと思っていたので、本当に嬉しいかぎりだ。ヴェルサイユは、まさにシンフォニックメタルとV系をうまく融合したバンドだと言えそうだ。ギターソロ、本当にたまらない。カッコイイです。
7.Sympathia
最後は、期待を裏切ることなく、これ以上にないほどに美しいバラード。ピアノの美しい響きと共に始まる壮大なバラードだ。Xを彷彿させる美しいメロディ。この曲を通じて、ヴェルサイユの幅の広さがはっきりと感じ取ることができるだろう。深い優しさが伝わってくるのはなぜだろう?
Kamijoの歌、かなり肉厚になってきた気がする。聴いていて安心感のある歌い手に成長していた。ラレーヌを聴いていた人は是非この変化に感動すべし。新たに聴く人は先入観なく、この世界にどっぷり漬かればいい。
これだけ技術と世界観が徹底されたバンドってなかなかないと思う。ギターのHIZAKIは技術的にもアート的にも高い評価を得ている。それに、パワーアップしたKamijoがバンドを引率する。リズム隊も文句なしに巧いし、パワーも破壊力もある。
今年で一番衝撃を受け、感動したアルバムになりそう・・・ 正直、参ったといわざるを得ない。巧いだけのバンドならいくらでもいる。また、エモーショナルなバンドもたっくさんある。世界観を徹底的につくっているバンドもたくさんある。でも、これらすべてが集まったバンドってホントないと思う。シャムシェイドやガルネリウスなど技術と雰囲気を兼ね備えたバンドはいるけど、ヴェルサイユはV系のコンセプトの中で(すごいメイクをやって、歌詞も庶民受けしない中で)、最高級の楽曲を提供したのだ。これは歴史的だ。
*シャムシェイドやガルネリウスは、基本的にV系どっぷりではない。どちらかと言えば、V系という着物を借りた技巧派バンドといった方が正しいだろう。それに対して、ヴェルサイユは、音も精神もV系そのもの。V系バンドマンに高い技術が具わったスーパーバンドと言って過言ではないだろう。
なんといってもVersaillesには破壊力がある!!