Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

ドイツ記1@バンベルク 日本からドイツへ

2011/02/11

今回の旅は信じられないアクシデントに見舞われての出発だった。本当に信じられないことだった。いや、わかっていることではあったが、まさか自分たちのなかから当事者がでるとは思ってもなかった。きっと本人も信じられないことだっただろう。

7時59分の電車に乗った。学生二人と一緒に成田に向かった。この時間、この瞬間が実に幸福だ。あっという間に成田空港に到着してしまった。僕らが到着すると、みんな揃っていた。おなじみの顔ぶれ、目に入れても痛くないほどにかわいい学生たちだ。毎年、この時間がとてもいとおしい。

成田空港に着くと、柴の高校時代の先生がわざわざ見送りに来てくれていた。そういえば、今日は祝日か。祝日とはいえ、元教え子のために成田空港に来てくれるなんて、なんて素敵な先生なんだろう、と思った。この先生も、ずっと昔から高校生をタイに連れて行っている先生で、どこか自分と同じ匂いのする先生だった。こういう先生もいるんだなぁって思った。きっと自分に似た先生って、まだまだいっぱいいるんだろうなって。

10時50分ころまでは自由時間。僕は喫煙所でタバコを吸いながら、ひたすらANAのテレフォンセンターに電話。けれど、込み合っていて、全然つながらなかった。断念。

で、10時50分頃、見送りに来てくれた人たちとお別れ。S藤のお母さん、めちゃめちゃ綺麗でびっくりした。まー、S藤自体、おきれいなお顔立ちだし、当然と言えば当然。学生の親たちと会えるのも、また一つの楽しみなんだな。

そして、いよいよ搭乗ゲートへ。38ゲートへ。もちろんタバコを二カートン。日本で買うと高いからね。買いだめですよ。

それから、しばらく待って、機内へと向かう。今回は、早めに予約してあったので、最高にいい席にありつけた。エコノミー席の三列目。かなり前の方だと思う。飛行機の離陸のときに、意外とみんながおとなしかった、というか、冷静だったのが印象的だった。僕なんか、20歳じゃ、まだ飛行機さえ乗ったことがなかったのに。


飛行機の中では、29歳のフランクフルト郊外に住む男の子と話をした。彼は、日本の車メーカーのSUBARUの車デザイナーで、仕事で日本に来ていたみたい。僕としゃべっていたら、部長がやってきて、三人で歓談。彼女が「彼氏はいるんですか?」と聞くと、「いるよ。28歳。一緒に暮らしています」とのこと。残念ね。

さらに、ポーランドの地方の技術大学の先生と英語で歓談。北海道大学で講演を二つしてきたとのこと。ポーランドでは、ドイツ語よりも英語の方がポピュラーだとか、日本の料理は口に合わない、とか、そんな話をした。

で、ドイツに到着。長いフライトだった。相変わらず、ドイツは遠い。いつ行っても遠い。結局ほとんど眠れないままだった。でも、ANAの最新型の飛行機で、かなり楽しかった。さすが日本だなぁって思った。LUFTHANZAの方がなんかステータス的にはいいけど、ANAの方が乗り心地とか、サービスのバリエーションとか、機内食のおいしさとか、色んな点でLUFTHANZAよりもすぐれていたかな。

1年ぶりのドイツだったけど、なんかほっとするっていうか、すごい安心できるところに帰ってきた気持ちになった。本当に。13年前にドイツに来た時は、不安で不安で仕方なかったけど、今は居心地の良さのほうが優っている。なんか不思議な経験だったなぁ。ドイツの方が、日本より安心できるって、何なんだろう?!

学生たちは、そりゃ大興奮でした。ドイツ人の働いている姿に驚いていました。ドイツ人は労働の際に、本当にそんなに縛られてないから。携帯をいじりながら仕事をしている姿に、驚いていました。労働者に厳しい日本とは全然違うからなぁ。いや、労働が大変なのは変わりないけど、消費者に媚びることはない。ドイツでは、そんなに消費者は偉くないいのだ。それは国民の民度の問題でもあるんだろうな。日本との違いをさっそく感じたところはさすが僕の教え子たち。

で、フランクフルト空港駅からバンベルクへ。バンベルクはドイツで最も美しい街の一つ。いきなりバンベルクっていうのも、いいかなと思って。しかし、ICE(ドイツの新幹線)に乗り込むや否や、たまげました。なんですか、この混雑ぶりは。座席なんて全く空いてない。それどころか、超満員列車状態。びっくりしました。金曜日の夜で、フランクフルト~ミュンヘン区間。混まないわけがないのですが。考えが甘かった。でも、結果的には、4人分の席は確保できたし、なんとかヴゥルツブルクまでたどり着きました。その先は、快速列車(REGIONAL EXPLESS)にのって、バンベルクへ。夜遅いので、車窓の景色はお預け。

電車のなかで、早速、S井さんがやってくれました。彼女はひとり、座席に座っていたのだが、近くにキティーちゃんのグッズをもった小学生を発見。S井もキティーグッズが好きらしく、それを小学生に見せたらしい。そうしたら、その子達は大喜びで、仲良くなってしまったのだ。ドイツに着いて2時間弱。それで、ドイツの子どもと仲良くなってしまうのだから、もう、それは驚いてしまいます。言葉じゃないんだなって本当に思った。子どもとかかわるエキスパートには言葉はいらないのかも。子どもへのまなざしがあれば、それで十分なのかもって本当に思った。帰り際に、子どもたちがS井に手を振って、最後の最後までバイバイしている姿を見て、そう思った。子どもたち、すごくうれしそうだった。彼女たちにしたら、外国人との接触、だもんな。

バンベルクに着くと、そんなに寒くはないけど、雨が降っていて、不快指数マックスでした。しかも、ホテルが結構駅から遠い。これは想定範囲外でした。が、なんとか無事到着。学生たちもよく頑張った。みんな疲労困憊していました。フロントの女性が、「Konnichiwa」とあいさつしてきました。それなら驚かないんですが、「Ogenki desu ka?」とか話してくるから、なんかおかしい、と思ってたら、なんとこの彼女、彼氏が日本人なんですって。ニュージーランドで出会ったKouzouさんという人らしい。すごいなー、と思ったり。これからはやっぱ国際結婚大いにありですよね。びっくりしました。日本人はもっと世界に飛び立っていいはず。閉鎖的になってはダメだ。今や、日本人は世界で活躍できるくらいになっているんだから!(そのためにも語学とコミュニケーション能力は欠かせない!)

疲れている学生もいるから、希望者のみ、バンベルクで僕がお気に入りのレストランに連れて行こうと思ったら、全員集まった。結果的にはやめておけばよかったかな。みんな疲れ切っていたし。

でも、やっぱり行って大正解だったかも。地元の人のための地元のお店だし、お店の雰囲気はかなり異様。というか、日本のレストランとは全然違う。客の雰囲気も全然違う。がやがやした感じは一緒なんだけど、なんか違う。日本との違いは、会話にある。こちらの人間は語るのが好きだ。議論をするのが好きだ。学生はいった。「みんな、いったい何を語っているんですか?」、と。その視点はいいと思った。それにしても、みんなすごい疲れているはずなのに、がっつり食べていたのには驚いた。さすが、日本の女子。僕は、シュバインハクセを食べた。骨付きの肉をがっつりと。…やっぱり一番元気だったのは、僕だったみたいだ。

最後に、お客さんの一人に、「もしもし」と声をかけられた。日本語がドイツに浸透しているとは思えないけど、昔に比べると、片言でも日本語を話す人が増えたなぁって思う。英語万能主義から抜け出す時代はくるのかな。いろんな言葉がいきかうといいなって思う。ま、もちろんベースは英語になるんだろうけど。

そのあと、雨の中、バンベルクの街を少し散策して、ホテルに戻った。時は、すでに11時を超えていた。日本は12日の7時を回っていた。長い長い一日が終わった。まずは一安心。何事もなくてよかった。

12日は11時くらいの電車でバート・ブランケンブルクへ向かいます。フレーベルがドイツで一番最初につくった幼稚園へ。現在は博物館になっています。ちゃんと通訳できるかな。結構難しそうだからなー。ま、なんとかなるかな。

今、バンベルクは雪が降っている。

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