Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

「先生は苦手だけど、講義は充実している」

 

先日、学生から、こんなコメントをもらった。


先生のことは苦手だし、
先生の講義も難しくて正直よく分かりませんが、
いつも充実している気がしています。


他の先生だったら、こういうコメントをもらったら喜ぶんだろうか。それとも、悲しんだり、ショックを受けたりするんだろうか。

僕は、この上なく、嬉しかったし、喜びとなった。

僕自身の教育哲学かもしれないが、教師自身が愛されるのではなく、教師のしていること(講義や授業など)が愛されることが、教育において最も尊いことなのだ。教師の顔が思い浮かぶよりも、教師が行った講義や授業の内容を覚えていてくれるほうがずっとずっと尊いし、稀有なことだ。「僕」という人間が認められるのではなく、僕が「語ったこと」が認められることの方が、「僕」にとっては重要なのである。

きっと、この学生は僕のことをあまり好いてはいないだろう。苦手なのだ。嫌ってくれていい。けれど、そうした好き嫌い感情を飛び越えたところで、僕の仕事を認めてくれている。それが嬉しい。

このブログも同じだ。keiという人間がどんな人間で、どんなことをしているのかを読み手に分かってもらいたくて書いているわけじゃないし、読み手に認めてもらいたいわけではない。僕の書いたもの(「記事」)が、読み手の心に届いてくれたらいいな、と願っている。

ラーメン屋さんの記事だったら、その記事で取り上げられているラーメン屋さんの魅力や良さや良いところを伝えて、それが伝わればよい。音楽の記事だったら、僕が好きかどうかではなく、その音楽の魅力が読み手に伝わればよい。ドイツの記事だったら、ドイツの素晴らしさが伝わればそれでよい。それを書いたのがkeiかどうかは、問題じゃない。そこが、僕がブログにひかれる魅力なのだ。

どのみち、「kei」という人物(書き手)は、匿名のXだ。匿名であり、何ものでもない存在だ。しかし、記事の内容は匿名ではないし、実際に内容が示されている。匿名というと、なんかネガティブなイメージがつきまとうが、匿名だからこそ、「書かれた内容」だけで勝負ができる、とも言えなくもない。個人のブログは、面白くなければ読まれなくなるし、面白ければいつでも読みに来てもらえる。

人物ではなく、その内容。

誰が言ったかではなく、何を言ったか。

そして、好き嫌いではなく、端的に満足できるかどうか。

それが問題だ!


*好きか嫌いかで判断することの方が多いとは思うが、好き嫌い以外の判断も大切にしたいところだ。嫌いだけど惹かれる、好きだけど深みを感じない、というふうに、好き嫌いを越えた判断というのも、やはり人間の智恵だと思う。

コメント一覧

kei
いづみさん

はじめまして。コメント(それから掲示板にも!)ありがとうございました。掲示板はスパムメールがすごすぎて、無法地帯になっています。すみません。

斉藤喜博先生を尊敬されているんですか?? 大学の学生さんですよね?!(ビックリ)どうやって斎藤先生をお知りになったんですか??

今となっては、教育学の分野でもあまり取り上げられなくなった感じもしますが・・・

彼に注目することは決して無益なことではないと思います。すごい実践者ですからね。

僕も自称「斉藤チルドレン」です(汗) 僕も大学時代に彼のことを知り、かれこれ10年くらいは没頭しました。今はちょっと距離をとっていますが・・・

彼にはすごい量の書物があります。何を読まれましたか?? あと、武田常夫さんはご存知ですか? 彼の「真の授業者をめざして」は最高傑作だと思っています!

今の学生さんに、斉藤喜博がどう映るのか、とても興味があります。いろいろと教えていただけると嬉しいです!

ここのブログは、音楽やラーメンのネタがかなり多いですが、教育の話もそれなりに書いています。色々と感想をきかせてもらえたら幸いです。(ただ、職業上、教育の議論は論文で書いているので、こちらでは書かなくなっているんですよね。。。)
いづみ
初めまして
Keiさんの人生感に感動しました、
私は、今学生で、日々人生を模索中です。ブログを見るのも、書くのも初めてなのですが・・笑
私の尊敬する人、斉藤喜博と入れたらKeiさんのブログを発見☆
いろいろお話出来たらと思いコメントしてみました♪
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