僭越ですが、僕と仲間3人で書いた本がこの度遂に発売となりました!
このブログでもご紹介させてください!!
この本は、ずばり「学校の全体を見通そう!」という本になっています。
学校を語るための道具にしていただけると幸いです。
古代から現代まで、思想、政治から実践的課題まで、網羅しています。
時系列的になっているので、その点は読みやすいかな、と思います。
(でも、決して読みやすい本ではありません、、、汗)
僕的には、特に団塊Jr世代の教育関係者の人に読んでもらいたいです。
この本の第二部では、まさに僕ら世代の受けてきた教育とその背景を論じています。
あと、ゆとり世代の子たちにも是非読んでもらいたいですね。
どうしてゆとり教育なんていうものが作られてきたのか。
その背景に何があって、何に対してゆとり教育が掲げられたのか。
みんなゆとり教育を悪くいうけど、どういう理念で作られたのか。
僕的には、「ゆとり教育」の考え方自体は間違っていないと思っています。
その辺も、この本から議論することができると思います。
もちろん僕のフィールドでもあるドイツのみならず、
アメリカやイギリスなどの学校最前線も捉えています。
昨今話題になることの多い「ゼロ・トレランス」についても詳しく書かれています。
(アジア、中東、アフリカなどの学校については触れられませんでした、、、)
・・・問題点や課題もいっぱいありますが、
この一冊で、学校のおおよその全体的な流れが分かると思います。
この本で、僕が最もこだわったのは、
学校から教育を切り離して、学校を語る
ということでした。
学校っていったいどんな場所で、何をする場所なのか。
学校という空間は、今、どんな問題を抱え、どこに向かおうとしているのか。
教育論ではなく、学校論になっていると思います。
執筆者はいずれも現在30代。まだまだの若手です。
でも、若手だからこそのエネルギーとパワーが入っています。
是非、読んでいただきたく思っています。
↓にて、もくじを掲載しておきます。ボリューム満点です
***
はじめに第Ⅰ部 学校の地平
第1章 古代の学校
1節 学校の誕生
2節 古代ギリシャの学校と教養
3節 古代ローマの学校
第2章 中世の学校
1節 修道院と学校
2節 修道院と児童救済
3節 中世後期の都市化と学校の変貌
第3章 近代の学校
1節 学校教育の幕開け―コメニウスの学校構想
2節 近代市民革命と教育―ロックとルソー
3節 ドイツ語圏の新たな学校と教育学
4節 近代公教育と義務教育の成立
5節 障害児教育の萌芽
6節 日本の近代化と学校
第4章 新教育運動のなかの学校
1節 三人の女性と新教育
2節 進歩主義の学校改革
3節 新教育期の障害児教育―「特殊教育」の成立
4節 日本の新教育と学校
第5章 第二次世界大戦後の学校教育
1節 アメリカの学校教育の展開
2節 戦後ドイツの学校の変遷
3節 戦後日本の教育課程
第Ⅱ部 転換期としての1980年代
第1章 学校批判の諸相―パラドックスとしての教育
1節 問われ始めた学校の機能
2節 学校批判
3節 学びのネットワークと生活志向
4節 パラドックスとしての教育という語り
第2章 学校の心理学的アプローチと経験カリキュラム
1節 失われる学校のレゾンデートル
2節 学校に導入された心理学的アプローチ
3節 学校と経験カリキュラム
第3章 障害児と学校教育
1節 障害児教育の基盤整備
2節 インテグレーション/メインストリーミング
3節 インテグレーションの実効性批判
第4章 新自由主義による学校再編
―合わせ鏡としての日英米の教育改革
1節 新自由主義教育改革の台頭
2節 イギリスの教育改革
3節 アメリカの教育改革
4節 教育改革の検証
5節 日本の状況
6節 改革のアイロニー
第Ⅲ部 学校のイノベーション
第1章 グローバル社会のなかの学校
―教育・学び・労働市場
1節 知識基盤社会のなかの学校
2節 学校と労働市場
3節 つくられた教育格差
4節 21世紀型学力と学校
5節 学習意欲を問うことから意味と対話を問うことへ
第2章 持続可能な学校の再生に向けて
―アメリカの教育からみえるもの
1節 信頼でつながりあう学校
2節 学校の厳罰化
3節 教育格差と学力
4節 持続可能な学校再生へ
5節 新自由主義の延長か、ポスト新自由主義の改革か
第3章 学校と家庭の狭間で揺れる子どもたち
1節 学校と家庭
2節 ケアの思想と現代の学校
3節 学校と家庭をつなぐ新たな可能性を探る
第4章 学校教育におけるリテラシー
―他者との共生のために
1節 インテグレーションとその課題
2節 障害学(Disability Studies)のインパクト
3節 差異と共生
第5章 コミュニケーションと承認の空間としての学校
1節 残された問題―差異の世界と学校教育のゆくえ
2節 秩序維持の空間からコミュニケーションの空間へ
3節 対等な関係と倫理的感受性の結び目としての道徳
4節 シェアの空間
―「生きること」と「分かちあい」の学校へ
おわりに
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