第63回(?)第四土曜日の会が先日行われました。
63回はテキトーです、、、苦笑。だいたいそれくらいかな、的な。。。
http://blog.goo.ne.jp/sehensucht/e/efd4e7cff6affb12bb6dec8e63b85d98
今回は、ですねー。
元J-BUSTERSのボーカル、京子氏を迎えてのスペシャルDAY。
http://blog.goo.ne.jp/sehensucht/e/66272a0dc66de507bff68f6d15eae53a
http://blog.goo.ne.jp/sehensucht/e/5df30346f3576e8038359290eb598e24
彼女は、僕にとってバンド仲間であるんだけど、と、同時に、ある種の「同業者」でもあって。
京子(ELI)は、大学時代から保育園~幼稚園の補助教員をしていて、大学卒業後は小学校の特別支援の仕事をしています。
親も教師ということもあって、スウェーデンの教育については、それなりに詳しい人物でもあるわけです。実践もやっているわけで。
なので、第四土曜日の会で、スペシャル発表をしてもらいました。
これが、マジで震えるほどに面白かったんです。
(僕が書いたので)きたないけど、これがスウェーデンの教育システムです(苦笑)。
年齢的な区分については、日本とほぼ同じ。
6歳から小学生。12歳から中学生。15歳から高校生。18歳から大学生。
ただし、「小学校」は低学年と中学年という区分になっていて、「中学校」が高学年となっています。
就学前教育としては、DagisとDaghemという二種の施設があります。
Dagisは、訳すとDay care。日本でいう保育園にあたります。
Dagisについて書いてあるブログもありました。
http://memeko3notsubuyaki.blog95.fc2.com/blog-entry-121.html
で、Daghemは、訳せば、Dayhome。日本でいう幼稚園のようです。
これらを合わせて、Förskola(pre-school)と呼んでいるそうです。
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/189855/182881/13436544
これらは、任意であって、義務教育ではないそうです。
その後、日本でいう小学校が始まります。
京子によれば、「スウェーデンでは、小学校の教育はさほど重要ではなく、楽しんで学べばそれでいい」、と皆が考えているようです。
「小さい頃の子どもたちは、個々に能力が異なっているし、一人ひとり、かなり違いがあります。だから、無理に教育はしないのです」
ところが、中学~高校にかけて、変わってくるみたいです。
「中学生以降になれば、個々の能力を超えて、皆、努力をすれば、同じような学力を身につける力をつけてきます」
初等教育の段階では、あえて、無理に教育はしない。けれど、それ以降は、学力が問われてくる、と。
けれど、驚いたのは、スウェーデンには、「高校入試」がないんだそうです。
入試はないけれど、「Grade」(成績)によって、高校に進学できるかどうかが決まるそうです。
F(日本でいう1)を取った子どもは、高校には行けないそうです。が、そんなにいるわけでもない、と。
Fをとった子は、別のクラスで特別の授業を受けなければならない、そうです。
高校入試がない。けれど、中学校の成績はのちの進学に影響がある。ある意味で、正当な感じもします。
もちろん、塾に行くこともないそうです。受験がないんですからね。学校を真面目にやっていればいいわけです。
さらに、驚くことに、小学校も、中学校も、高校も、「部活」がないんですって。「クラブはない!」と言い切りました。
もちろん、学校の外でのクラブ活動はありますよ。けれど、学校では、部活動はやらない。
それどころか、掃除もないんですって。しかも、給食はクラスで食べるのではなく、カフェテリアで食べるんですって。
…違い過ぎる、、、
日本の小学校は、朝から晩まで学校にいて、さらに塾にいって勉強漬け。
学校の中では、掃除があって、しかも昼食まで教室で食べている。学校の中が「家庭」みたいになっている。
スウェーデンは、そうではないみたいです。
親も、学校にそれほど期待しているわけではないようで、変なクレームや要望等はないそうです。
もしかしたら、ですよ。
もしかしたら、日本の小学校教育って、やり過ぎているのかもしれません。
それは、幼稚園や保育園にもいえることで、日本の初等教育って、実は全部やり過ぎ状態なのかもしれないのです。
(ドイツの初等教育を考えても、日本の初等教育はかなりやり過ぎのように思えてなりません)
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そして、高等学校。
スウェーデンの高等学校は、基本的にどこも似たような感じだそうです。日本みたいに、細かく序列化されていないそうです。偏差値によって細かく区別している日本とは大違い。どこも、だいたい同じレベル。というか、そこで成績がつくわけですから、それが序列になるわけです。入試がないのだから、当然そうなりますよね。
日本の教育システムは、建前上は、「単線型」といって、小学校から高等学校まで一本の線でたとえられています。
けれど、実際は、偏差値75から25に至るまで、ランキングらしきものがあって、各高校ごとに「優劣」がついています。ドイツは三分岐型ですが、日本は超細分化された分岐型、とも言えなくもないのです。超難関高校というのがある一方で、超底辺校があるわけです。これって、高校で「分別されている」ってことじゃないですかね? とすれば、日本の教育が平等なのは、中学までであって、高校は平等じゃなくて、徹底的に細分化されていて、序列化されているんです。
スウェーデンの高校は、どこもそんなに変わらず、なんだそうです。なんか、いいですね。受験もないんですから…。(で、いわゆる「普通科」以外の学科、工業科とか、機械科とか、農業科といった専門学科も、別に高校があるのではなく、各高校の中に設置されているようです。しかも、それは入学後に決められるんですって!)
大学入試もスウェーデンにはないんだそうです。やはり、高等学校の成績がここでも重要で、高校の成績(しかも、スウェーデン語、英語、数学のみ)で、大学に行けるかどうか、また、望む大学・学部に行けるかどうかが決まるそうです。
だから、日本の高校よりも、はるかに高校生活が大変なんだそうです。成績が悪ければ、大学に行けないわけですからね。
その代わり、大学受験がないので、予備校に行く必要はないわけです。学校の勉強をきちんとすればいい。しかも、問われるのは、いわゆる「国語」「英語」数学」のみ。シンプルですよね。
これができれば、大学教育は受けられる、ということみたいです。全く同感です。
もちろん、歴史や地理や自然科学も勉強します。でも、受験のためではないわけです。だから、これらは「知識の記憶」を除外して、楽しく学べる、というわけですね。歴史や自然科学は、「試験」がなければ、一番楽しいものですからね。。。楽しくやれれば、いつでも勉強はできます。
しかも、驚くことなかれ、スウェーデンの大学には、学力のない高校生を特別に教育するシステムがあって、大学で補助的な授業を受けて、それに合格すれば、大学に入れちゃうんですって。これ、すごくないですか? しかも、無料なんですって。
凄すぎます。。。
さらに、スウェーデンの大学は、6年間、全員無料なんです。6年という上限も結構最近できたものみたいで、学費は全て無料。しかも、入試もない。高校の成績が悪くても、頑張れば、のちに入学は可能となる。
けれど、他の欧米諸国と同様、卒業は死ぬほど大変なんだそうです。
ただし、スウェーデンの大学生たちは、数年大学で勉強して、勉強が厭になったら、いったん大学を離れて、バイトやフリーターなどをすることもできるんですって。(現在は2年間まで可、らしいです)
だから、18歳で大学に入り、20歳でいったんバイト生活をして、24歳にふたたび大学で勉強し始めて、28歳で卒業、なんてこともできるんですって。
もちろん、日本みたいな「新卒採用」や「22歳総就活」なんていう恐ろしい現象もないので、のびのびと20代を過ごすそうです。
これまで、結構たくさんのスウェーデン人と会ってきましたが、大学生の平均年齢が高いことに毎回驚いていました。(それは、ドイツも同じです)
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なんか、もうね、がつーんと殴られたような気分でした。
スウェーデンと日本、なにからなにまで違い過ぎるんです。
で、どう考えても、スウェーデンの方がいいように思うんです。
でも、京子は、日本の方がいいところもある、と言っています(彼女は日本びいきの子ですから、、、)。
けど、初等教育の段階で、必死に勉強させることは有害だ、という点では一致しました。
もしかしたら、ですよ。
日本の小学校教育のレベルの高さにこそ、あらゆる教育問題の根本があるのかもしれないんです。
成績も、国語と英語と算数だけにして、あとは「一言メッセージ」だけにする、とか。
社会や理科や体育や音楽等は、「楽しめばそれでOK!」っていうふうになったら?!
客観的に測定不可能なものの測定を断念する、というか。
誰がどう考えても、「大化の改新が起こった年」を覚えることに意味はないですからね(知りたい人は勝手に覚えるもの)。
そして、そういう「やりすぎ」が、幼稚園や保育園を圧迫している、としたら?!
***
教育システムって、なかなか対象化できないんですよね。
今回、スウェーデンという異国の教育システムをぶつけてみることで、日本の教育の「奇妙さ」が浮き出た気がしました。
もし、高校入試がなかったら?
もし、大学受験がなかったら?
もし、理科や社会や音楽や体育に成績がなかったら?
もし、学校に掃除がなかったら?
もし、学校に部活がなくて、地域にクラブがいっぱいあったら?
もし、偏差値がなかったら?
そして、
もし、大学の学費がなかったら?
きっと、「学び」は、何よりも楽しいものになるだろうし、「学校」は、誰にでも開かれた、楽しいところになると思いませんか?
そんな夢のような話が、スウェーデンでは事実なんですね。
日本の子どもたちが勉強嫌いなのではない。勉強が嫌いになるような教育システムになっているんだと思いました。
こんな息詰まるシステム(クレレ)を歩かされていたら、経済的にも、精神的にも、物理的にも、嫌になりますよね。
第四土曜日の会のメンバーと京子です。
楽しくも、濃い4時間でした。
来月も楽しみです。
もっともっと面白いことをいろいろとやっていこうと思います!!!
「学ぶ」っていうのは、「楽しいこと」なんだ!