元LUNA SEAの孤高のボーカリストで、日本を代表するボーカリストの一人、河村隆一のアルバムがリリースされた。
ソロ活動を始めて10年が経った。衝撃のデビューシングル「I LOVE YOU」からもう10年が経ったのだ。
彼のソロ作品は、僕の青春時代の最後の頃の思い出を蘇らせてくれる。大学3,4年生の頃の思い出が彼の声と共に思い出されるのだ。LUNA SEAはLUNA SEAとして大好きだったが、河村隆一は河村隆一として大好きだった。彼のねちっこくて聞き苦しくない声は、気だるい夏にぴったり。言い方は悪いが、彼の声は結構軽いので、聴いていて聞き苦しくない。もちろん、歌唱力はずば抜けて良いので、安心して聴ける。
今回の作品は、ある意味で、原点回帰的な作品となっている。ソロデビューした頃のメランコリックでノスタルジックな旋律が心地よく耳元で鳴り響く。演奏も、キーボードや管楽器などを駆使していて、聴き飽きない。言葉も一つ一つがきれいに聴こえてくるので、歌詞カードも見る必要がない。歌い方もかつて以上によりエモーショナルで、そして程よく抑制されている。
楽曲は、かつてないほどにしっとりとしていて、叙情的。ロックでもポップスでもない、まさに河村隆一音楽そのものになっている。そういう意味では、河村隆一の一つの完成形とも言える。
やっぱり隆一は好きだ! 彼については色々言われているが、僕はやっぱり彼の歌が大好きだ。中毒性はないけど、いつもバックで流れていてほしい。甘くて切ないメロディーは、僕の中にある柔らかい心を蘇らせてくれる。清涼水っていうか、ビタミン剤というか、、、
でも、なんといっても、やはり彼の声は類稀だ。今後もずっとこうやって歌い続けていくのだろう。彼は歌うために生まれてきた男なのかもしれない。彼の歌への愛情は半端じゃない。これほど歌うことに貪欲な歌手もそうそういるもんじゃない。今後、彼はどのような方向に向かっていくのだろう。僕的には、松山千春とか、堀内孝雄とか、そういう存在になってもらいたいと願っていたりする♪
*ちなみに、ジャケットはイタリアのベネチアだな。ここ、僕も大好きな場所なんだな。ベネチアは本当に美しくて、素敵な町だ。またもう一度絶対に行きたい場所だ。