1994年(平成6年)にSANKYOから登場した新要件デジパチ「フィーバーUFOII」
同時期に登場した「フィーバーファイターI」や「フィーバーファンタジーIII」と比べると、話題先行の割に人気・設置ともに伸びなかった不遇台。私も、当時は小田急線・経堂駅の「トヨタ」でしか打った記憶がない。
そんなマイナーぶりを示すかのように、現存するネット情報も非常に少ない。しかし、こういった90年代の「マイナー機」に再び光を当てるのも、当ブログの重要な目的と考える。多少でも興味があれば、読み進めて頂きたい。
★液晶搭載機
★賞球…7&15
★大当り確率…1/205
★大当り図柄…0~9、S、A、N、K、Yの計15種類
(「0」は、数字にもアルファベットの「O」にも見える。配列も、そのようになっている。)
★最高16ラウンド継続(10カウント機)
★平均出玉=約2450個(アタッカーセンサーが奥にあり、1ラウンド10個以上入賞も可)
★連チャン性…なし(ノーマル機)
・数珠つなぎ連チャン機との噂もあったが、解析の結果、怪しい個所は特になし。もともとの確率が1/205と高い為に、数珠っぽく当たる事もあった。
★ヘソ入賞ルート…左右からの通常ルートの他に、天下ワープ入賞口からステージを経由するルートもあり。
★リーチアクション
デジタル停止順は左⇒右⇒中で、各デジタルの止まり方に特徴アリ。
液晶では、赤い数字や英文字の書かれたUFOが、時計方向にグルグル回っている。ちょうど、衛星の軌道を思わせる動きで、画面の手前と奥を横スクロール。
スタートチャッカー入賞後、インベーダーゲームの自機のような赤い砲台(画面下)が、回転するUFOを左⇒右⇒中と横スクロールして撃ち落とす。撃ち抜いた図柄はUFOの上部に表示され、これが各デジタルの停止出目となる。
この時、左右で撃ち抜いた図柄が同じであれば、リーチが掛かる。リーチ中は、横スクロールするUFOのスピードが低速となり、砲台はリーチ図柄に狙いを定めて迎撃を準備。そして、最終的にリーチ図柄のUFOを撃ち落とせば、大当りとなる。
本機のリーチには、BGMや演出が途中で変化するアクションはなく、横スクロールするUFOが1周、2周…と周回を重ねていく。リーチ時、UFOは最短で1周、最長で5周するが、4周目からは大当り図柄か前後1コマでしか停止しない。 周回が増す毎に期待感もアップする。実質、3周目までが「ノーマルリーチ」、4周目以降が「ロングリーチ」となる。
内部的に見ると、大当り時は11/15で5周を選択、1~4周の選択率は各1/15。また、リーチが前後一コマでハズれる時は、7/15で5周を選択、1~4周の選択率は各2/15となる。その他のハズレリーチ時は、3周の選択率が7/15で、1周と2周が各4/15(4周、5周は選択されない)。これらの数字を見ても、リーチが4周目以降、特に5周目に突入した時のアツさが判るはずだ。
★ハズレ出目の偏り
⇒右デジタルは、左出目「+1コマ」で停止する事が多い(「435」「637」「2A3」など)。
(理由)
本機は、「大当り抽選」(1/205)⇒「ハズレリーチ抽選」(1/14)⇒「ハズレ目決定」の順で内部判定が進む。つまり、大当りとハズレリーチ双方の抽選に漏れた場合に、リーチの掛からない「完全ハズレ目」を決める仕組みだ。
完全ハズレ目の決定には、3種類(左・中・右)の出目カウンターを用いる。カウンターの移行範囲は、何れも「0~14」の15コマ。この時、左右の出目カウンターがゾロ目になった場合、リーチが掛からないように、右出目を強制的にプラス1する処理が働く。
よって、右出目が「左出目プラス1コマ」となるハズレ目は、その他のハズレ目より2倍も出易い。これは、リーチが掛かりそうで掛からない「焦らし効果」あり、ともいえる。
★ラッキーナンバー用デジタル搭載
大当り時は、メインデジタル上の小さな1ケタ7セグが変動して、0~9までの出目を表示する。ホールによっては、この7セグを「持ち玉遊技可」or「出玉交換」を決めるラッキーナンバー用デジタルとした。なお、盤面両サイドの赤い飾りランプは、文字通り「飾り」に過ぎない。
この7セグには、当時のSANKYOお馴染みの「出目の偏り」が存在。「0、1、2、6、7、9」の6種類は出現率1/10だが、「4」と「8」は1/8.33とやや出易く、逆に「3」と「5」は1/12.5と出にくい。この偏りを利用して、継続ナンバーに「3・5・(7)」、交換ナンバーに「(2)・4・(6)・8」などを指定するホールもあった。
★大当り中の演出…アタッカーに玉が1個入る度に、砲台がUFOの編隊を一機づつ撃墜。
・同様の「インベーダー演出」は、実は本機以前にも存在した。やはりUFOがモチーフの連チャンデジパチ「エキサイトフューチャー2」(ニューギン、1993年)である。ただ、コチラはドット機の為、演出はかなりラフ(チープ)だった。いや、チープゆえに、却って「らしい」雰囲気が出ていた、ともいえる(防護用のトーチカも再現されていた)。
この手の大当り中演出は、かつてパチンコ業界を震撼させた「インベーダーブーム」に対する「報復」であろうか(笑)。
★出玉を稼げるアタッカーだが、パンクの危険も
ウィング式のアタッカー(「UFOウィング」と呼ばれた)は、玉の拾いも良好。さらに、アタッカーセンサーが奥にあるので、周辺ゲージがプラス調整ならば出玉2500個オーバーも可能。
しかし、元ゲージがアタッカーに寄りにくい上、Vゾーンの配置にもやや問題があり、しばしばパンクの危険があった。長所と短所の両面を併せ持ったアタッカーといえる。