1992年(平成4年)に西陣から登場した新要件ハネモノ「リキゾーP2」
(新機種発表は1991年12月。ホール登場は翌年1月から)
★賞球…7&13
★最高15ラウンド継続
★ハネ開閉時間…オトシ0.4秒、ヘソ0.8秒×2(開放時間の差が大きく、V入賞率にも影響)
★大当り中はVゾーンの上に玉を1個貯留(5カウントorハネ9回開閉後に貯留開始)
★平均出玉…約900個
★当時の実戦ホール…高田馬場「コスモ」など
当時の高田馬場「コスモ」…大学の授業終わりに通った店。右の路地を挟んで向かいにあったパチスロ専門店「白鳥会館」も懐かしい(現在はゲーセン)。
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(最近は立ち寄る機会もあまり無いが、店構えもだいぶ変わったようだ。)
「コスモ」のリキゾーP2は、2Fのハネモノシマ(当時)に設置されていた。同時期、コスモの地下スロットシマには、エーアイの3号機「ハンター」がズラッと並んでいた(1Fはデジパチ)。ハンターの香ばしいビッグ(バケも混じったがビッグ主体)の連チャンで、一撃3000枚オーバーなど結構オイシイ思いもした。ただ、当時は「8枚交換」だったので、収支的には不満もあったが…。この地下フロアにはハンターの他、初代「アラジン」や「ワイルドキャッツ」も置いてあった(後に「ドリームセブンJr」も入る。なお、ハンターが入る前は「ムサシ」があった)。
この店のリキゾーのシマに向かうのは、バイト料が入る前で財布の中身が乏しい時と相場が決まっていた。当時は「2.5円交換、3000発定量」のルールだったが、打止め確実の甘釘台に巡り合う機会はあまりなく、「当ってはノマレ、当ってはノマレ」の遊び台によく座っていた気がする。なので、1500発ほど出るとサッサと交換していた。リキゾーの背後には、同じ西陣の「カバ丸くんP-3」があって、コチラは何度か終了させた記憶も残る。
コスモで勝負した後は、向いのスロ屋「白鳥」にハシゴしたり(2Fの「センチュリー21」をマッタリ打つのが好きだった。1Fには「ビッグバン」もあったがいつも満席だった)、白鳥隣の立ち食いそば屋(こちらも「白鳥」)で天ぷらそばを啜ったり、高田馬場駅の構内(ガード下)にあった軽食スタンド「ポニー」でカレーや焼きそばを食べて帰宅したりした。つつましくも幸福な学生生活であった。
※参考…1991年の高田馬場パチンコ店マップ
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/f82ae06a32aeee1b4cd735c1e24d68d2
★兄弟機「リキゾー(P1)」
賞球7&15で出玉はP2より多め(平均1300個)。但し、大当り中の継続9回目はパンクしやすい。
本機の主役は、センター役物内でコミカルな表情を見せる「リキゾー」である。
モヒカン頭に互い違いの目、そして「馬」かと思うほど見事な出っ歯。西陣ハネモノの主役にピッタリの「ユルユル感」が漂っていた(個人的には、「所ジョージ」っぽいと思っていた)。
リキゾーは重量挙げの選手なのか、銀色の大きなバーベルを持って、役物内で踏ん張っている。
バーベル両端のウェイト部分がローラー状の回転体になっており、後方回転する左右回転体の一部には、「磁石」が仕込まれていた。この磁石付き回転体が、特に大当り中の玉の動きに大きく影響を与えた。
因みに、天下デジタル表示の上には「ユニオンジャック」が描かれており、舞台は日本ではなくイギリス(ロンドン)のようだ(兄弟機「リキゾー」の盤面にも「IN LONDON」の文字があり、2階建てバスやビッグベンなども描かれている)。これは、ウェイトリフティング世界選手権の第1回大会(1891年)がロンドンで開催されている事と、少なからず関係があろう。
これも余談だが、リキゾーの格好は、重量挙げの選手というよりは、「パンクロック」を思わせる(これもイギリス繋がりといえる)。なにやら、ファッションの「パンク」と、ハネモノの「パンク」を掛けていた気もする。そういえば、西陣の「びんびんバラエティ」も、同じノリだったな(パンクロックの「KIRYU」、演歌の「西陣太郎」、アイドルの「ソフィア」)。
さらに余談だが、下段ステージには、赤塚不〇夫の「チビ太」を彷彿とさせるキャラが描かれていた(兄弟機「リキゾー」の盤面も参照)。P2の盤面には「ニャロメ」っぽい猫までいるが、気のせいであろう(笑)。
ハネに拾われた玉は、上段で左右に振り分けられた後、役物両サイドからリキゾーがいる下段ステージに落下する。
下段に落下した玉は、奥のバーベル回転体下を通り、様々に角度を変えて下段ステージを手前に転がる。
手前中央にはVゾーンがあるが、大抵は、左サイドから来た玉はVの右側、右から来た玉はVの左側という具合に、中央Vゾーンを挟んで対角(クロス)に転がってハズれてしまう。
たまに、落下した玉が回転体の磁石につくこともあるが、磁石に付いた玉は、リキゾーの背後にいったん運ばれた後、左右奥から手前に戻ってくる(大当り中の動きとは、決定的に異なる)。その為、通常時に磁石に付いた玉が、特にV入賞し易くなる事はない。
そんな中、左右から絶妙の角度と速度で手前中央に転がってきた玉は、V入賞のチャンスとなる。Vゾーンには通常時ストッパー(カバー)が付いており、玉はVの真上に一旦貯留された後、ストッパー解除後にV入賞する。
ダイレクトにVへ飛び込むのではなく、Vの上にいったん乗ってから、貯留解除でV穴にポンと入る段階的な動きが特徴だった。
大当りすると、役物のリキゾーが、両手に持ったバーベルを上下させて本格始動する。
大当り時の際立った特徴が、リキゾーの持つバーベルの回転体にくっついた「玉の動き」である。
通常時、回転体の磁石に付いた玉は、そのまま後方に運ばれて、左右奥から下段ステージを手前に戻る。
一方、大当り中は、バーベルが下がった時に玉が回転体に付くと、バーベル上昇時に後方へと運ばれた後、リキゾーがアングリ開けた大きな口の中から出てくるのだ。
口を通って出てきた玉は、ど真ん中から手前Vゾーンを目指す為、Vに入る可能性が非常に高い(但し、クセ悪台はよくVを蹴る)。これが、本機の大当り中における「Vアシスト機能」である。
但し、口を通った玉でも、手前に真っすぐ向かう途中で、横から来た後続の玉に弾かれて、Vを逃すことがあった。結構悔しいパターンだったので、ラウンド後半で左右の回転体に玉が付いている場合(口から出てくる事が確実なケース)は、打ち出しを停止して玉突きを防いだ。ラウンド間の待ち時間が7.7秒と長いのも特徴で、その間の止め打ちも節玉効果が高かった。
役物入賞4カウント(orハネ8回開閉)までは、Vゾーンのストッパーが一定間隔で開閉動作を続ける。この段階で玉がVに乗ると即継続となり、1ラウンド分の出玉は少なめとなる。
一方、5カウント後(orハネ9回開閉後)は、Vゾーン上のストッパーが常時働いた状態となり、Vの上に乗った玉を常に「貯留」するようになる。この段階でVに乗ると、貯留解除の10カウント(orハネ18回開閉)までは次ラウンドに移行しない為、出玉を大きく稼ぐチャンスとなった。
役物内の賞球数が13個で、完走時は1400個の出玉が見込めるが、継続ラウンド数が平均9R程度だった為、平均出玉も900個程度。もちろん、台のデキ次第で数値も変わる。
このように、本機でV継続の大きなカギとなるのが、大当り中「バーベルの回転体に磁石が付くか」どうかであった。上下するバーベルのタイミングもポイントとなったが、同時に、磁力回転体を使ったハネモノ特有の「クセ」も影響した。
各台ごとに、磁石に付きやすい台、付きにくい台があって、これがパンク発生率を左右した。また、下段ステージのクセも、初回Vと継続の双方に影響した。
因みに、兄弟機「リキゾー」では、継続9回目のみ役物動作が変わり(バーベルが上下しない)、左右の回転体に付いた玉がリキゾーの口から出て来ないので、継続率はダウンする。コチラは、役物15個戻しで平均出玉も1300個と多め(完走時は1900個)だったが、アシストの働かない9Rを乗り切れるかがカギとなった。